おなじみの回転寿司チェーン くら寿司が、大阪・関西万博に出店している。ニュースで耳にしたところ、なんと世界70カ国の料理が味わえるという話らしい。

70か国だなんて嘘でしょっ。それってもはや「食の世界一周」と言ってもいいぐらいのインパクトじゃないか。

そんな夢のようなレストラン、本当にあるんだろうか? 気になりすぎて、現地へ突撃してきたぞ~っ!

・くら寿司 大阪・関西万博店

くら寿司大阪・関西万博店があるのは、西ゲートの近くにある『フューチャーライフゾーン』。予約限定の人気店だが、今回は特別にオープン前の店内で取材をさせていただいた。


お店の特徴は以下の通り。

・くら寿司史上最大規模の店舗
・70カ国の料理を提供
・大使館職員に試食してもらって再現度を高めたメニューも
・万博オリジナルグッズも販売


取材にあたり、朝ご飯を抜いてしっかりとお腹を空かせてきた。だって、世界中の料理が一度に味わえるなんて最高じゃない!


そんなワケで、ワクワクしながらメニューを見せてもらったところ……

いやいや、ちょっと待て。いかに言ってもメニューが多すぎるだろ! キッチンの作業量どうなってんだ!?!?


数えたワケではないが メニュー数は200近くもありそう。寿司ならどんなに種類が多くてもシャリと調理工程が共通しているけど、世界の料理は全部バラバラだ。さすがにオペレーション難し過ぎるだろ!


他人事ながら不安になって話を聞いてみると、万博店では通常の店舗よりもキッチンが広く確保されていて、いくつかのメニューごとに担当をわけて調理しているのだそう。

また総勢200名ほどいるスタッフはすべて、大阪近郊の店舗から派遣されている。元々くら寿司のシステムに慣れているので、新たに教育せずともスムーズに商品を提供できるってことらしい。

──そう聞くと、なんだか安心して注文できるよね。


・初見の「世界の料理」を食べてみた!

それにしてもメニュー数が多く、なにから注文すべきか悩ましい。

悩んだ末に、筆者は一生行けなさそうな国ガチで見たことも聞いたこともないメニューに絞って食べてみることにした。

ってことで、ここからは食レポにいってみよう!


・ロパビエハ/キューバ共和国

牛肉と野菜のシンプルな煮込み料理。牛肉が「ロパビエハ(古い服という意味)」のようにほぐれているのが特徴。

しっかり煮込まれてほぐれた牛肉が柔らかく、トマトの酸味と合っていて美味しい。

決して味が濃いわけでもなく、特徴的な味付けがあるわけではないのだが、和食の煮込み料理にはないような爽やかさがある。

方向性としては、水分少なめのビーフシチューからデミグラスソースを抜き、さらにトマトをたっぷり入れた……みたいなイメージだろうか。(伝わるのか?)


レモンを絞るとフルーティさが加わってイイ感じ。

日本人好みの、旨みがしっかりあってマイルドな料理でした。


・パパクリオージャ オガオソース/コロンビア共和国

名前からは一切何も想像がつかなかったが、ちっちゃいじゃがいものフライにソースのかかった料理だった。

こっくりとしたトマトベースのソースは、塩味と酸味がしっかりしている。サルサソースから辛みを抜いたようなイメージだ。


一方ジャガイモは、水分量の少ないホクホク系。アンデスポテトというコロンビア産の甘みの強い種類なんだとか。

風味に異国感がありながらも、フライドポテト+トマト系ソースというなじみ深い組み合わせ。国境を越えても美味しいものはやっぱり美味しいんだなぁ……としみじみとした。


・チョフテ/コソボ共和国

棒状の豚肉ハンバーグに、ヨーグルトベースのソースがかかった料理。

豚肉にはハーブが練り込まれているようで、脂っこさがなく爽やか。付け合せのピクルスも相まって、いくつでもペロリと食べられちゃいそうな美味しさだ。


普段は肉にヨーグルトをかけることなんてないのだが、意外と合うものなんだな。

結構ガッツリ系なので、「肉!」って感じの料理を求めている方にオススメしたい。自宅でも試してみたいな。


・ポジョ・アサード/パラグアイ共和国

焼いた鶏肉に、「チミチュリ」という玉ねぎやパセリのビネガーソースをかけた料理。

鶏自体は照り焼きのような味で、実家のような安心感がある。パラグアイに親近感が湧いてきた。


予想外だったのがトッピングの玉ねぎとソースだ。

唐辛子入りのフルーティなビネガーソースで、鶏と玉ねぎを合わせて食べると甘酸っぱ辛い。

これは暑い国の料理だな? と思ったら……首都アスンシオンは「世界で最も暑い都市」に認定されているらしい。うんうん、この料理を食べたらスッキリしそうな予感がするよ!


・シャルティバルシチャイ/リトアニア共和国

「冷たいボルシチ」とも呼ばれるビーツの冷製スープ

ポッテリとした質感で、クリーミーさとカブっぽい甘みがあるのにさっぱりと飲める。正直、なめているだけでも幸せになれる美味さだ。


ニンニクがたっぷり乗ったラスクと合わせて食べると、ニンニクのパンチとスープのクリーミーさが組み合わさっておしゃれな味。

……でもね、個人的にはスープだけ食べるのが好きかな。完全再現とはならないけど、クリームとカブとお酢を使って自宅で真似をしたくなる味だ。


・アホ/パラオ共和国

関西人なら放っておけない料理『アホ』。やはりと言うべきか、注文する人の多い人気メニューらしい。

その正体は、ココナッツと餅で作る南国風おしるこのようなデザートだ。


ソースの中にスプーンを突っ込むと、出てきたのは白玉!

ポッテリと重めのソースはジュレのような口溶けで、もちもちした白玉にたっぷり絡んで美味しい! 濃厚なココナッツミルクの味が楽しめた。

ネタ的に頼んだけど、大正解。コレは何杯でも食べられるわ!


・世界の文化を堪能できる

──以上6点。ガチで知らない単語しか出てこない世界の料理でした。

正直な話をすると、実際に行くまでは「万博でくら寿司が人気ってマジ?」と勘ぐっていたのだが、食べてみてわかった。

食事には国の文化が表れる。それを一皿ずつオードブル感覚で楽しめるのが、くら寿司大阪・関西万博店なのだ。コレはもはや、食べた料理の数だけ パビリオンを巡ったぐらいの面白さがあるね!

来店の予約は、公式アプリやLINEからできるということ。持ち帰りも対応しているそうなので、詳細は公式サイトよりチェックすべし!

参考リンク:くら寿司 大阪・関西万博店公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼人気上位メニューも試させてもらった。まずは生春巻き/ベトナム。

▼野菜たっぷりで罪悪感ゼロ。ニンニクたっぷりのチリソースを付けて食べれば、一気に南国の味に! パクチーの味が効いている

▼チリクラブ/シンガポール

▼殻まで食べられる柔らかいカニ、ソフトシェルクラブ。カニの味が濃厚で辛味の強いソースがよく合う。同じチリソースでも、先ほどの生春巻きのソースとはまったく違う味で驚いた。

▼鴨ロースト トリュフソース/ハンガリー

▼不動の人気ナンバーワン商品。口に入れた瞬間、トリュフの香りが口いっぱいに広がる! サクサクのクラッカーとクリーミーなマスカルポーネチーズがよく合い、間違いのない味だ

▼マダガスカルバニラパンケーキ/マダガスカル共和国

▼バニラの香りがたっぷり、カスタード的なクリームが最高に美味しい。ふわふわのパンケーキに乗っけて食べるとまさに夢心地。キャラメルのほろ苦さもいいアクセントだ

▼くら寿司のあるフューチャーライフゾーンは、大屋根リングから遠く離れており 人が少ない穴場的なスポット

▼万博会場の中にいきなり “見覚えのあるくら寿司” が登場するから、異世界転生みたいな気分になった

▼世界最大規模という店内。席のシステムや注文方法などは通常のくら寿司と共通なので、安心感がある

▼通常のお寿司メニューもあるぞ

▼万博オリジナルグッズもあるぞ! って思ったら……

▼に、2万円の皿だとぉ~っ!? 本物の輪島塗りのお皿なんだとか

▼驚くべきことに、この2万円の輪島塗のお皿、見本がレーンで流れてきます!

▼素人なので詳しくはわからないけど、繊細な装飾がキレイでした

▼通常のお店との違いはビッくらポンにもある

▼カプセルは、100%自然に還る環境にやさしい「ecoポン」

▼景品は箸置きでした