いつからだろうか? その名前を聞くようになったのは。「ヤマグチクレープ」、皆さんは聞いたことはないだろうか? 私(佐藤)は割と頻繁に、都内を中心に地域の情報を調べているのだが、ある時からカタカナ表記の「〇〇クレープ」の名前をよく目にするようになった

調べたところ、その多くがヤマグチクレープのフランチャイズなのである。人の顔を模したロゴマークが目印で、どうやらこれらは仲間であるらしい。総本店が千葉・市川市にあるらしいので、行ってみたところ、その店構えに驚いた! 普通の民家じゃないか!?

・全国に75店舗

共通のロゴマークというのがコレ。人の顔を模した一筆書きみたいなクレープのマーク。カタカナ書きの〇〇クレープのお店は、どこもこのマークを掲げているのである。


ヤマグチクレープの公式ページで店舗一覧を確認すると、現在(2025年7月)の店舗数は75店舗ぐらい。全国の19ぐらいの都道府県に出店しているそうだ。北は北海道から南は九州まで広く分布している。

直営店は市川市の総本店と、浦安市の新浦安店・猫実店の3店舗なので、それ以外の約72店舗はフランチャイズということになる。

全国に70店舗もお店を展開していれば、もっと広く知られていても不思議はないのだが、なぜかあまり知られている印象はない。参考までに編集部のメンバーに「ヤマグチクレープ知ってる?」と聞いたら、全員が知らなかった。名前が統一されていないので、知る人は少ないのかもしれない。


・ここが総本店!?

さて、そんな75店舗の大元となる総本店は市川市広尾にあるのだとか。お店のある場所に行ってみたところ……


え? もしかしてここですか? 全国に70店以上もフランチャイズ展開しているクレープチェーンの総本店がここなの!?

店舗というより民家? 建物の一部をお店風に改装しているのはわかるけど、ここが本当に総本店なの!? 12時の営業開始よりほんの少し早く着いてしまったため、まだ開いていない。本当にここなのかな~……。

改めて住所を確認してみると、間違ってないんだよなあ。とにかく5分ほどで開店だから、少しその辺で待つとしよう。



5分後に再び来店。窓のロールスクリーンが上がっているので、営業は始まっているな。どうやら本当にここが総本店らしい。

なぜここにお店があるのかというと、創業者の山口さんは以前、普通のサラリーマンだったそうだ。育児と仕事の両立に疲れ体調を崩した後に、育児優先の生活をすることを決意して自宅で起業することに

ご両親が喫茶店兼クレープ店を営んでいたこともあって、クレープづくりを学び、自宅ガレージを改装して2019年5月にこの場所に最初のお店をオープンしたそうだ。それで民家の一部が店舗になっているというわけだ。


・生地が主役

メニューを見ると、デザート系クレープは全部で17種。その中には「生地だけ」というのもある。


それからサラダ系が6種類用意されている。これらはすべてトッピングを追加するカスタマイズが可能だ。

ちなみにヤマグチクレープは「生地が主役のクレープ屋さん」を自称している。生地だけを販売するのも、それだけ生地の味に自信があるからだろう。



注文したのは「平日限定」と書かれたデザート系の1番最初に記載のあった「ホントノホワイトチョコイチゴホイップ」(税込830円)だ。相変わらず「限定」という言葉に弱いので、ついこれを頼んでしまった。


持った感触から、生地がしっかりしていることがわかる。クレープというと、ふにゃふにゃの生地という印象が強いが、ここのは今まで食べてきたクレープの中で1番硬いかもしれない。ふにゃっと折れそうな気配がない。


サイズも大きく、見るからに食い甲斐がありそう。これ1つで、昼食代わりになるかもなあ。


ある程度の硬さを想像して食べてみると、意外にも食感は柔らか。表面はパリっと歯ざわりが良く、生地そのものは柔らかくモッチリ。厳選した小麦粉と全粒粉をブレンドしたものを使用しているそうだ。

「ホントノホワイトチョコ」と名付けられているのは、チョコシロップではなく、本当のチョコレートを溶かして使用しているから。そのためチョコの香りと甘さもしっかりしている。加えて、ギー(無塩バターを煮詰めたもの)を塗っているので風味も良い。


なるほど、これはたしかに生地が主役だ。チョコもホイップもなくてもいい。生地だけでも美味しく食べることができる。もちろん、甘味との相性も良いし、食事系でも十分にいける。つまり生地が美味しいから何にでも合うのである。できれば、またすぐにでも食べたいとさえ思う

ということでヤマグチクレープは美味しさゆえに、フランチャイズ店舗が拡大していることがわかった。この調子でいくと大手チェーンの「マリオンクレープ」(国内103店舗、2025年7月現在)を店舗数で抜く日が来るのかも

静かに進むヤマグチクレープの快進撃はどこまで続くのだろうか?


・今回訪問した店舗の情報

店名 ヤマグチクレープ 市川広尾店(総本店)
住所 千葉県市川市広尾1丁目16-24
時間 12:00~18:00頃
定休日 月・木
※店舗改修のため、2025年7月14日~9月1日まで休業

参考リンク:ヤマグチクレープマリオンクレープ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24