ほとんど使っていない部屋だけど、以前から気になっていたのが「雨漏り疑惑のシミ」が付いている畳である。


現行犯で確認していないので雨漏りと断定できないが、状況的に雨漏りっぽい。しかし、天井(?)を見上げても……


わからぬ。


わからないのだけれど、何か対策しておいた方が良いなと思い、


けっこう前にAmazonでウォータープルーフテープ(防水テープ)を購入していたのだ。


屋根に登って、こいつを雨漏り疑惑の箇所に貼れば問題解決するだろう……との算段だった。



ちなみに私の家は先祖代々続く「瓦屋」だった。


幼少期、私が瓦屋の家業を継げるようにとでも思ってか、よく祖父から「高いところによじ登る術」を教わった。


たくさんの瓦が積まれた「パレット」と呼ばれる箱のようなものが3〜4段ほど積まれた場所にもよく登った。

高さは少なくとも3メートル以上はあったと思う。間違いなく落ちたら死ぬ。よくそんなことさせてたな……と今は思う。


たぶん瓦屋としての英才教育のようなものだと思うが、とにかく私は「瓦屋のせがれ」として育ったのだった。


だが、屋根に登る術を私は知らなかった。どのように屋根に登れば良いのだろう?



そこで用意したのが、Amazonより提供された高さ1.7mの「はしご兼用脚立」である。折り畳んだ時点で私よりデカい。

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Amazonで13200円

※価格は2025年5月28日時点



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展開したら、さらに高くなる。これなら屋根にも登れ……

……ねえええええ! 全然足りねええええ!


どうしたもんかと家の周りを探索してみたところ、まさに雨漏り部屋の窓から外に出て、


右折すると、1階部分の屋根(山側)に出られた。


ここに脚立を……と思ったが、落ち葉はあるし、ヌメヌメしているしで、脚立を立ててもツルっと滑りそうな感じ。


なので落ち葉を落として、


屋根を拭き、完全にヌメヌメを取り除いた。


あとは脚立を立てて、屋根に登れば……


……


……

……って、ものすごく怖い。


腹ばいになりながら屋根によじ登ったが、こんなに傾斜がついているものなのか……と驚いた。見た目よりもぜんぜん斜めっている。


下手したら……というか、けっこう簡単に転げ落ちる恐れありなので、私はすぐに脚立に戻った。


そして、脚立にしがみつきながら、どのように攻めようか考え続けたが……


……


……


恐怖が勝り、あきらめた。



ご先祖様はもちろん、おじいちゃんや、親父たちは、こんな恐ろしい場所で働いていたのか。


こんな生きるか死ぬかの現場で仕事して、お金を稼ぎ、家族を養い、私や姉を育ててくれたのか。


あらためて父への感謝の気持ちを抱きつつ、

ひとまず雨漏り修理はあきらめることにした。いや、雨漏りではない可能性に賭けることにした。


【つづく】


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

▼100万円の古民家

▼ちなみに瓦問屋「羽鳥商店」は20年ほど前、父の代で店を閉じている。