昨年末、大手デパートの高島屋がクリスマス用に販売したケーキがグチャグチャに崩れた状態で複数の購入者に届き、ネットを中心に炎上した。高島屋はホームページ上で謝罪コメントを発表。調査を進めるも、原因は特定できなかったという。

いまだ記憶に新しい事件であるが、高島屋は今年も同じ監修元、同じ製造会社でクリスマスケーキを販売するということで、実際に注文してみた。

・高島屋のクリスマスケーキ

購入したのは、横浜市のフランス料理店「レ・サンス」が監修し、埼玉県羽生市の菓子メーカー「ウィンズ・アーク」が製造した『フレーズリボンショートケーキ』だ。

価格は税込み5490円。送料込みで6480円だった。この記事を書いている時点でケーキはすでに完売している。


説明書き通り、冷蔵庫で解凍すること約10時間。開封してみると……



崩れていなかった。


・ひと安心

これでもしグチャグチャだったら伝説になっていたところだが、今年は限りなく完璧な状態で届いたことをご報告しておきます。というか、崩れ防止対策が想像以上に凄い。大統領並みの警護レベルである。


まず紙の土台を慎重に外して……


お次は保護フィルム。


といっても、一般的なケーキ用のフィルムではなく、ほぼプラスチック板だ。かなり頑丈に固定されているため、外すのもひと苦労である。


さらにその下の通常フィルムも剥がして……


ようやくご尊顔とご対面。


・破損はなし

リボンのような生クリームのデコレーションが美しい。イチゴもまったく崩れておらず、キレイなまま盛り付けられていた。


去年の画像を見ると、クリームがケーキの側面全体にデコレーションされているが、朝日新聞によれば今年は下段に土台となるスポンジケーキを置くことで、安定性を高めているらしい。


付属品を飾り付けて完成だ。


さっそくカットしてみると……


台座を固定する留め金がこんなところに。


・厳戒態勢

先日購入したゴディバのクリスマスケーキは中央に1カ所だけ取り付けられていたが、もしかして高島屋はこの留め金の数も大幅に増やしているのか? 最終的に確認できたのは……


なんと5カ所。


絶対に動かさないという断固たる意志を感じる。おかげでだいぶ切りにくかったが……まあ良しとしよう。



肝心の味について、こちらは言うまでもなく文句なしのおいしさ。妻は一口食べた瞬間「おいしい!」と歓声を上げていた。特に生クリームが上質だ。甘さをおさえた上品な味わい。中までイチゴぎっしりで満足度も高い。


あとちょっと驚いたのが、高島屋オンラインストアから電話がかかってきたこと。配達当日に知らないフリーダイヤルから着信があったのだが、出られなかったのでそのまま放置したところ、その翌日もかかってきた。


出てみると、「ケーキは無事に届いたか?」「何か問題はなかったか?」の確認だという。まさかこれ、全購入者に連絡して回っているのか? 徹底してますなぁ。



去年の事故は決して許されるものではない。被害に遭った方の気持ちを思うと胸が痛むし(楽しみに待っていたお子さんも多かっただろう)、冷凍ケーキ全体への不信感を生んでしまった。それで迷惑を被った企業は少なくないはずだ。


なので別に擁護するつもりはない。今回はあくまで客観的な事実として、我が家に届いたケーキの状態について書いた。高島屋には引き続き誠意ある対応をお願いしたい。

参考リンク:朝日新聞デジタル
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.