ジャンボ! 今回も、ポテ活、ポテ活! 行ってみたのは、ケニアはナイロビ、サザンバイパスロード沿いにある「シェフ・イスマエル・ファーストフード」なるレストラン。
入店すると、スタッフはとても親切に私を歓迎してくれたのだが……
「お金はありますか?」
一瞬、耳を疑ったが、いきなり、そう聞いてきたのだ。なんなんだ。なんで入店したら「金はあるのか」と聞かれなきゃならんのだ。逆強盗か。
ということでスタッフさんに「なぜそんなことを尋ねるのですか」と問うてみたら……
「無銭飲食が本当に深刻な状態なのです。店に来た時は、いかにも「お金持ってます顔」をしているのだけれど、いざポテトを食べ終えたら「お金がない」とか言い出す人が非常に多くなってきているのです」
出た! 最近よく聞く「お金が無いのにポテトを食べる人たち」だ。
ある店では「先払いシステム」にしていたり、またある店では「無銭飲食の場合は働いて(ポテトの皮剥き)をして労働奉仕」とかでシノいでいたけど、この店では
「労働奉仕は不要です。足りていますから。我々が必要としているのは代金(お金)なのです」
とのこと。ごもっともである。
しかし「あります」と最初は言っても、やっぱり「すみません。うそでした。やっぱ無いです」となることも多いのだという。
そんな場合、この店の場合はどうするのか? 聞いてみたら、かなり独特かつ効果的な方法をとっていた。
「携帯電話(スマホ)を預かることにしています。どこかでお金をゲットして、しっかりとウチにポテト代を支払ったら、スマホを返すことにしています。応じなければ警察に通報します」
断固たる姿勢。強い。それに、今のご時世、スマホはなくてはならぬアイテム。警察に通報と引き換えにスマホを取り上げるとは “技あり” である。
そんなこんなでポテトがやってきた。価格は100kes(約115円)と安めなのだが、
めちゃんこうまい……!
あまりにも美味しいので、ひさびさに「ヘイ、シェフ」してしまった私。どうのように作っているのか尋ねてみたところ、これまた独特な製法で作られていた。
まず、ポテトの形にカットする専用の機械は持っていないので、自分で丁寧にジャガイモを切る。丁寧に。丁寧に。
その後、ジャガイモをきれいに洗って、次に洗ったジャガイモに塩を加える。そして油で揚げて完成……ではなく、まだ工程がある。
揚がったポテトを金属製の深い調理鍋に入れ、甘いパプリカのスパイスを入れて、鍋ごとシャカシャカポテトしたらハイ完成。
なるほど、だからポテトが甘くて美味しかったのか!
ちなみにポテトを食べたあと、お腹を壊すこともなかった。断固たる姿勢で臨むレストランが作るポテトは、100kesとは思えない完成度だった。
私はシェフ・イスマエル・ファーストフードのポテトが好きになった。ベスト10を作るとしたら、絶対に入れたいと思う名店だ。では、クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼お店のメニューはこちら。ハンバーガーやピザもあるようだ。
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