最近、何気に売り場を拡大している冷凍スイーツ。以前は今川焼きくらいしか目立たなかったが、いまやケーキにマカロン、さらには焼き芋などまで置いてあって冷凍食品の技術進化に驚くしかない。
まだまだ種類が増え続けている真っ只中なのだが、ふと気になったのが冷凍ドーナツの存在だ。なにせ、油を使っているスイーツだから。
あれあれっ、ドーナツって温かいからウマいんじゃないの? ていうか、凍らせて大丈夫なの!?
・老舗が手がける冷凍ドーナツ
──とナメた気持ちで手に取ったのだが、何事も物は試しというやつである。買ってどんなもんか確かめてみようじゃないか。
今回見つけたのは「ココアクリンクルチョコ」「オールドファッションチョコ」「もっちりミルクグレーズ」「塩バターファッション」の4種類。いずれも138円で、村田実商店というところが製造していた。
ちなみに村田実商店を調べてみたところ、山口県下関市にある会社でかまぼこ・竹輪等の練り製品、ケーキ・ドーナツ等の冷凍菓子の製造・販売を手がける老舗だった。なんと創業1951年!
・冷凍ドーナツを実食
しかし、老舗といえどもドーナツを凍らせるとなると一筋縄じゃいかないような気がしてならない。ちなみに作り方は……
自然解凍のみで冷蔵庫や電子レンジでの解凍は避けるように書かれていた。室温20〜25℃なら約40分。好みによって時間を調整するといいらしい。
さて、それでは実際に食べてみたいが、せっかくだからできてからそう時間が経っていないドーナツとの差を比べてみた。
用意したのは、ちょっと前に話題になったセブンの「お店で揚げたドーナツ」。そのメープル(140円)だ。
まずはセブンから食べてみると、温かいのは当然としてフワッとしたなかにモッチリ感も同居していて素直にウマい。実を言うと初めて食べたのだが、正直ここまでのドーナツとは思ってなかった。もう店レベルなのだ。
お次は自然解凍したオールドファッションチョコをいってみよう。この時点では「セブンの完全勝利」をまったく疑ってなかったが……
こいつッ……!!
解凍しただけなのにちゃんと美味しい。何ならちょっと冷えているのが逆に活きてるし、そこがまたいいではないか!
もちろん、ふっくらしていて温かいドーナツは間違いなくウマい。しかし、解凍後のドーナツもこれはこれでアリなのである。固定観念というか、思い込みで「冷凍ドーナツ=微妙」と見てしまったことがお恥ずかしい。
ドーナツって冷凍しても大丈夫……っていうか、今の技術なら大抵のものは凍らせても味をキープできるのは気のせいだろうか。改めてスゴい時代になったもんだ。
・ドーナツの真実
なお、冷凍ドーナツについて調べていたら、冷凍食品界のボスとも言えるニチレイのHPにドーナツに関する真実が書かれていた。
詳しく知りたい方はHPをぜひ見てほしいが、どんな種類のドーナツでも冷凍保存できるらしい。そしてドーナツは水分量の少ないお菓子なので、冷凍・解凍しても食感や味わいはほとんど変わらないそうな。
単に私がドーナツに関して無知なだけだったのかもしれないが、いずれにしても1つ知識が増えたことに変わりない。人生いくつになっても勉強だ。
参考リンク:村田実商店、ニチレイ「ほほえみごはん」
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼塩バターファッション。しっとりしていて甘すぎずで美味しく、コーヒーとも合う。推せる。
▼ココアクリンクルチョコ。噛んだときのチョコ部分がパキッとする感触で楽しい。こちらもしっとりで甘すぎず
▼もっちりミルクグレーズ。甘さ、ミルク感とちょうどいい。試しにあまり溶けていない状態で食べてみたのだが、これはこれで美味しい