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【賛否両論】『中国版バーモントカレー』って日本版と味が違うの? → 言葉を失うほど違った

12分前

中国では『バーモントカレー』が大々的に売られている。中国語で『百梦多咖喱』と表記されているため一瞬戸惑うが、これはハウス食品が展開する正真正銘の正規品だ。価格は4皿ぶんの小サイズで12元(約252円)。

ただ中国の高級スーパーや日本食材店などへ行くと、2倍くらいの価格で『日本のバーモントカレー』も売られている。同じバーモントカレーなら安い中国版でいいのでは……? と思ったら、どうも味が若干違うらしい。

その若干がどれくらいなのか、日本版と中国版を食べ比べてみた結果……「中国版を逆輸入すべき説」が浮上したので詳しくお伝えしたい。

・安定の中辛

中国版バーモントは日本と同じ甘口・中辛・辛口の3色展開。

間をとって中辛を購入し、日本へ持ち込んだ。

スーパーで小箱が見つけられなかったためサイズが違うが、見た目はほぼ同デザインである。

中国版のほうが色が黄色い気も?

特筆すべきは材料欄。日本版は「肉」とだけ記載されているところ、中国版には「鶏肉または他の肉」とある。よく見るとパッケージの画像も日本版が牛肉なのに対し、中国版は鶏肉であるようだ。鶏肉使用への圧がすごい。


・似て非なるもの

日本版・中国版ともに材料は同じなので、チキンカレーを同時進行で作成してゆきたいと思う。

材料こそ同じだが「作り方」欄を見比べると、日本版に対して中国版は「じゃがいも少なめ・にんじん多め・肉めちゃくちゃ多め」という特徴があるっぽい。この時点ですでに同じカレーとは言えなくなってきた。

調理工程にも若干の差がある。日本版の「玉ねぎがしんなりするまで炒める」という記載が中国版にはなく、代わりに “材料を鍋に入れる順番” が指定されていた。

また日本版には「◯◯分煮込む」と所要時間が示されているのに対し、中国版は「柔らかくなったら」「炊き上がったら」とアバウトな感じ。まぁカレーなんて具材煮てルーぶち込めば完成する。ゆえにどっちでもOKでしょう!

ここに日中バーモンドカレー夢の共演が実現した。



・想像を超えた違い

そこから5時間寝かせた両カレーがこちら。

明らかな色の違いが目視で確認できる。

まず日本版から。バーモンドカレー中辛ってこんなに甘いんだっけか? だとすれば甘口はどれくらい甘いんだっけ? ……あやうく思考が別の議題に移りかけてしまったが、むかし実家でよく食べた覚えのある、ザ・スタンダードな家カレーであることは疑う余地もない。


で、注目の中国版バーモンドカレーだが……



もう、笑っちゃうくらい全然違った!


日本版に無い、何かしらのスパイスが使用されていることは明らか。まさに「中国版バーモントカレー」という表現がピッタリの、妙なクセがあとをひく。「コレちょっと苦手だわ」という人も、間違いなく一定数は存在するだろう。

ただ、そこはさすがのバーモント。中国版をずっと食べ続けていると、次第にこれが普通に思えてくる。日本版より黄色い見た目のソレは「熱烈なファンがいる昔ながらの食堂のカレー」を彷彿とさせる、どこか懐かしい味わい。



・割れる意見

最後に「正体を伏せたうえで編集部メンバーに両方食べてもらう」という恒例の展開をおおくりする。

サンジュン「あ〜〜〜全然違うね。A(日本版)は馴染みのある、実家のカレーの味。B(中国版)は『東南アジアのカレー』みたいな雰囲気だね。総合点はほぼ同じだけど、個人的にはAが好きかな? 食べ慣れてる味だからね」


古沢「カレー好きの僕としては、正直どちらも及第点に達していないです。でも圧倒的にB(中国版)がウマいことは確かですね。辛みがあって、 “ザ・カレー” って感じです。A(日本版)は水っぽくて、コクが足りていません」


……新人の割にビックリするほど失礼なことを言い出した古沢くんだったが、これが先輩(私)の手作りカレーだとは夢にも思っていないのだろうから許す。ただカレー好きを豪語する彼が「中国版のほうがウマい」と断言したことは、カレーファンにとって非常に興味をそそられる展開なのではなかろうか。

中国版バーモンドカレーは中国全土のほか、日本の一部中国食材店でも入手可能。カレー好きなら一度は体験してみる必要がありそうだ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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