2024年9月。ひたちなか海浜公園にて5日間にわたり「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」が開催された。ひたちなかでロッキンが開催されるのは5年ぶり。「ジェダイの帰還」ならぬ「ロッキンの帰還」である。

夏フェス大好きっ子の私、P.K.サンジュンも5日間のうち3日間ひたちなかに参戦! 5年ぶりの “ひたちなかロッキン” で感じたたった1つのことを、熱く熱く全力でお伝えしたい。どうかこの思いが届きますように。

・聖地

2000年から2019年まで、ロックインジャパンは茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」で開催されてきた。サマソニが幕張メッセ、ライジング・サンが石狩湾であるように、ロッキンのホームはひたちなかだったのである。

ひたちなか市全面協力で開催されてきたロックインジャパンは、いつしか日本最大級の夏フェスとなっていた。未来永劫ロッキンはひたちなかで開催される……と誰もが思っていたハズだが、新型コロナウィルスの登場で事態は一変する。

・決別

世界中が新型コロナウィルスの振り回されていた2020年は中止を余儀なくされ、やや平穏を取り戻しつつあった2021年も開催直前で中止に。経緯についてはあえて詳しく書かないが、興味がある方はご自身でお調べいただきたい。

結局のところロックインジャパンはひたちなかを去ることになる。年が明けた2022年、3年ぶりにロックインジャパンが開催されたのは千葉県の「千葉市蘇我スポーツ公園」であった。

以来、今年の8月まで3年連続で同地にてロックインジャパンが開催されている。窮地に立たされたロックインジャパンに手を差し伸べた千葉市は、ある意味で “ロッキンの命の恩人” と言えるかもしれない。



・帰還

そんな中、ロックインジャパンがひたちなかに帰って来た──。ひたちなかを去ることが決まった時から「節目ではひたちなかでイベントを開催したい」と話していた通り、25周年の今年、5年ぶりにロッキンがひたちなかに帰還したのである!

私は2010年から2019年まで娘が生まれた2016年以外は全て参戦しており “ひたちなかロッキン” には並々ならぬ思い入れがあるつもりだ。“蘇我ロッキン” は未参加だが、同じ会場で開催されている「JAPAN JAM」には何度か足を運んでいる。


で、で、で。


入口の「翼のゲート」をくぐりぬけ……


そよかぜ橋を渡り……


ぴょんぴょん橋でリストバンドを掲げる。


そして真正面に「グラスステージ」を見た瞬間、熱い想いと共に心からこう思った……


やっぱりロッキンはここだよな」と──。



・衝動

ロケーションや設備はもちろんのこと、草のにおいや吹き抜ける風、黄色いコスモスに至るまで “ロックインジャパンのかけらたち” がそこには溢れていた。そのかけらたちに触発され、私の意思というよりは細胞たちが「ここだ!」と叫んでいたのである。

5年前は7つか8つあったステージも今年はグラスステージ1つのみとなり、規模的に過去ほど大きなイベントだったワケではない。ぶっちゃけ、3日間のうち暇な時間がかなり多くあったことも事実だ。

……が、それでも3日間、私は何とも形容しがたい満足感に支配されていた。それはきっと、これまで私がひたちなかで体験した思い出の積み重ねがそうさせたことは間違いなくあるのだろう。

・沁み込む

ただそれ以上に「ひたちなかに何十万人、何百万人の想いが染みついている」と思わざるを得なかった。それは参加者やアーティストを始め、スタッフや関係者たち、全ての人の想いである。


2010年、レイクステージ2日目のトリ。ユニコーンのグラスステージの裏で神掛かったライブを炸裂されたサンボマスター。


2011年、グラスステージ初日のトリ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの魂を震わせる圧倒的なパフォーマンス。


2012年、初めて生のマキシマム ザ ホルモンを目にした衝撃。


2013年、玉置浩二率いる安全地帯が、だいぶ持ち時間を残してサッサとライブを終わらせたときのポカン感。


私だけの想いも数え上げればキリがない。そんな1人1人の想いが「ひたちなか」には沁みついているのではないだろうか? 10-FEETのTAKUMAがMCで「やっぱりここやろ」と言ったときは、思わず目頭が熱くなってしまった。



・ひたちなかだった

恩のある千葉市の存在に加え、すでにひたちなかでは新たな夏フェス「ラッキーフェス」も始動している。そして何より私には知る由もない “大人の事情” が渦巻いているのだろう。

ただそれだとしても、一参加者として感じたことを素直に言いたい「ロックインジャパンはひたちなかだ」と。5年ぶりにひたちなかで開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」は心の底から最高のイベントであった。

参考リンク:ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.