どうにか30日間の練習で、自分なりのメイクをモノにしたいと考えている私(佐藤)。一応、目標はあって、「マネスキン」というバンドのボーカル、ダミアーノさんのようになりたいと考えているわけだが、はたして練習は前に進んでいるのか、それとも後ろに進んでいるのかサッパリわからない。
そこで! まずはゴールを決めようと思い、メイクのプロにお手本をお教え頂いたら、そもそもいろんなことが間違っていることに気が付いた! もっと早く指導を仰げばよかったよ~……。
・ゴールはどこだ?
メイク練習もすでに10日目。さすがに続けていると、モノの扱いに慣れてはきたけど、理想のメイクに近づいているのか、疑問を感じる。
毎回「なんか違うんだよなあ~」と思いながら、「とりあえずコレでいいか」と自分を納得させはしているものの、ちゃんとした “答え” と呼べるものを知らない。ムダな練習じゃないのか? と思わずにはいられなくなった。
ってことで、以前からお世話になっているメイクのプロに、一旦私の求める理想の顔を作ってもらうことにした。ご指導を賜るのは、都内を中心にフリーで活動し、自らメイク教室を主宰するキシコ先生である。
彼女にはこれまでに2度お世話になっていて、2022年にはバキバキグラビア撮影の際に。そして昨年は、羽鳥との女装対決でもご助力頂いている。私が全幅の信頼を寄せているメイクのプロフェッショナルだ。
このメイク練習企画は、できる限り自分の力で知識と技術を身に着けるために始めたものだ。というのも、ポールダンスでショーに出る時に、その度ごとにプロに依頼すると時間と手間とお金がかかってしまう。
だから自力で! と思っていたけど、10日目にして「何事にも先達が必要だ」の境地に達し、急きょキシコ先生を招集した次第である。
・プロの評価
まずは私の現状を正直に報告して、評価して頂くことにした。10日目のメイクがコレである。
自分的には多少なりとも上達したつもりではいるけど、キシコ先生はどう評価するのか?
キシコ「う~んとね。まず眉毛が濃い」
佐藤「そうなんですよ。濃くなっちゃいます」
キシコ「黒じゃない方がいいかな」
佐藤「そうなんすよ、黒じゃない方が良くて茶色を持ってます」
キシコ「じゃあ使って。なんで黒にしたの?」
佐藤「眉毛サロンに行って眉毛が整ったもんで、そこを強調したかったもんで」
キシコ「あとはね、アイラインはまつ毛とまつ毛の間を塗るの。アイシャドウは目を閉じ気味で塗ってるでしょ? 目を開けて上の位置を決めて塗ってください。それからノーズシャドウは入ってない?」
佐藤「入れているつもりなんですが」
キシコ「もっと濃くね」
佐藤「はい」
やばい、何もわかってない……。少しずつ知識と経験を重ねてきたつもりだけど、全然わかってなかった! まあ、しょうがない。50歳でメイクを始めたんだもの、これから学ぶっきゃねえッ!
ってことで、さっそくキシコ先生による実践指導開始。メイクは基本的に私の道具を使う。持ち合わせていないものに関しては、先生の道具をお借りすることにした。
・実践指導開始
メイクを始めるにあたって、今回の指導で1番大事なことを教えてくれた。
キシコ「道具はキレイに使ってください。汚い道具でキレイにはなれないよ」
使ったらほとんど使いっぱなし。汚れたまま道具をしまっているのはたしかだ。
佐藤「そうですよね、キレイになりたいクセに道具を汚くしているのはよくないですね。これから気をつけます……」
で、まずは下地とファンデ―ションから。ぶっちゃけ、下地を買うだけ買ったけど、使い方を知らないまま練習してました。
キシコ「下地もファンデーションもブラシで塗ることをオススメしています。2022年の撮影の時にこういう幅広のブラシを使ったでしょ?」
佐藤「すみません、覚えてません……」
手やスポンジを使うよりも塗りムラが少なくなるから、ブラシを推奨しているそうだ。たしかに下地の段階で、均等に塗れているのがわかる。
同じようにファンデーションもブラシで塗り、その上でスポンジで馴染ませる。
キシコ「スポンジを使う時は、力任せにポンポン叩いてスポンジを潰さない。男性は力でやりがちだけど、下地やファンデーションを肌に押し込むように」
佐藤「なるほど、スポンジの弾力を生かしてなじませるんですね」
その上から粉状のプレストパウダーをパフで乗せるのだが、そのパフについてもアドバイス。
キシコ「このパフ、毛足が短いし汚れてるから買い替えてください。毛足の長いものに。毛足が短いとダマになりやすいから」
佐藤「即刻買いに行きます!」
ここまでで下準備が完了。いままでで1番キレイで自然な仕上がりになった。自分でやったときの「ファンデーション塗ってます!」って感じがなくて、とてもイイ!
・ショーのメイクをわかってなかった
次は眉毛。自分でやるときに、まずシャドウから塗っていた。なぜなら「メイクしてる!」って気分になれるからだ。でも基本は上から、眉からやるのが良いようである。
キシコ「眉毛は今回茶色でやりましょう。眉頭は薄く、眉尻に向けてだんだん濃くしていきます」
佐藤「そうお教え頂いた方もいらっしゃるのに、つい眉頭が濃くなってしまって」
眉が形づくられることで、顔にメリハリができた。そのままさらにシャドウをブラシにつけて、より自然に仕上げる。
キシコ「で、アイライナーだけど、最初に言ったみたいにまつ毛とまつ毛の間を埋めます。ビーっていっぺんに引くと、まつ毛の間の部分が塗れないので、点と点をつないで線にします」
今回、上まぶたはリキッドアイライナー。下は眉毛ペンの黒を使用している。私は涙目でリキッドが滲んでしまうので、ジェルアイライナーペンシルを使うと良いとのこと。
そしてここから仕上げ。シャドウの部分は目を開けた状態で、大まかな形を作るそうだ。
私は今まで目を閉じた状態でシャドウを塗り、足りない部分をあとから(下から)塗っていたのだが、それでは目が小さく仕上がってしまう。
それでなくても、ダミアーノさんのメイクは目のまわりをしっかり黒く塗るので、黒で思いっきりベタ塗りにしてしまってよかったらしい。それこそが私の目指すメイクだった。
キシコ「シャドウは時間が経つと落ちて来ちゃうし、佐藤さんはショーでメイクしたいんでしょ? それならいっそ顔料の黒でしっかり塗った方が長持ちするし、ステージでも映えると思いますよ」
佐藤「そう! 今までのメイクだとショー映えしないなと思っていたんですよね」
そうしてご指導を賜って完成したメイクがこちら!
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ノーズシャドウもしっかり入っていて、顔の陰影がハッキリしている。そして肌全体が粉っぽくなく塗りムラもなくて顔の均整がとれている。これがメイクか! 左目の下には、ダミアーノさんのメイクを参考にして、ラインストーンを1つ置いている。
ちなみに顔の左半分をキシコ先生が、右半分は私自身でやっている。1回の指導で道具の使い方もレクチャー頂いて、大変勉強になりました!
指導前後を比較するとこんな感じ。
なるほど、コレを目指せばいいんだな。このメイクは「ステージ用」のひとつのゴールと位置付けよう。これとは別にスモーキーメイクを習得したいので、引き続きシャドウやマスカラを使ったメイクを練習していくつもりだ。
いずれにしても、まだ化粧水とか乳液とか、そこらへんのものは持っていないし、顔のシャドウについても勉強が足りてない。まだまだ挑戦は続くぞ~! 今後もメイクの諸先輩方、アドバイスお願いします!
メイク指導:キシコ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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