少女漫画じゃないが、運命の出会いってあると思う。

先日スーパーで気になるドレッシングを発見した。名前は『新たまねぎ生ドレッシング』、池田屋醸造というメーカーが作っているらしい。

「えっ!?」と驚いたのは税込719円というその価格であった。通常のドレッシングの約2倍、どう考えても割高である。

しかし、そこでなんとなく「ふーん、面白ぇドレッシング」と感じて買った結果大正解だったのだから、やっぱりこれは少女漫画なのかもしれない。ってことで、その “面白ぇドレッシング” への愛をたっぷり語らせてほしい。

・真っ白なペットボトル

こちらが池田屋醸造の『新たまねぎ生ドレッシング』。

公式ネットショップでは税込793円なのだが、近所のスーパーでは運よく税込719円でゲットできた。

まぁ、どちらにせよ筆者的には大幅予算オーバーである。普段は400円もしないドレッシングしか使ったことがないのだから……。


実際に手に取ってみて真っ先に驚いたのは、中身の真っ白さ具合である。

ボトルの3分の2近くが白い何かで占められている上、よく見るとソレは液体ではなく固体、小さな粒が集まってできているようなのだ。

通常ドレッシングの上部に浮かぶものといったら油である。ってことは白いものは乳化した油なのか? いやでも、普通のドレッシングなら時間経過とともに再び油が分離するハズだけど……。


なんて思いながら原材料名を確認したところ、

熊本産たまねぎがいっぱい使われている!!!!


ってコトは、この白いツブはたまねぎなの~っ!?

しかもしかも、保存方法も未開封時から「要冷蔵(10度以下)」とのこと。めっちゃフレッシュっぽくない!?!?

今までに見たことがないタイプのドレッシングとの出会いに、心がトクンッとしてお買い上げしてしまったのであった。


・塩&たまねぎ辛さゼロ

ドキドキとワクワクを胸に抱いて帰宅し、さっそくその日の夕飯時に開封してみた。

思い切り振ったつもりだったのに、キャップの裏にたまねぎ(?)が残っている。まるでノンホモ牛乳(生乳に含まれる脂肪球を小さくする工程を経ない牛乳)を開封した時の脂肪分みたいだ。どんだけたまねぎたくさん入ってるんだよ~!


皿に出してみると、細かいツブが多くドロッと粘度が高い。うん、これまで見たことがないタイプのドレッシング という直感は間違っていなかった。

まずはスプーンでひとすくい、口に運んでみたところ……

「っっ!? こ、これはっ、ヤバいぐらい美味しいぞ!!!!」


この味、なんと表現したものだろうか。


まずやってくるのは、新たまねぎ特有の甘みである。

生のたまねぎには「辛そう」というイメージを持つ人が多いと思うが、このドレッシングには辛みは一切ナシ。たまねぎの辛み成分をバターみたいな甘みに置き換えたような、それでいてオイリーさは一切感じさせないような、幸福感たっぷりの味で満たされている。

お酢のキツい酸っぱさや塩っ辛さがないのも特徴だ。代わりにあるのは旨み。原材料には含まれていないのだが、ダシの存在を疑うような奥行きすら感じさせてくるのだ。


うわぁ。ただ者じゃないよ、このドレッシング。ヤバいよ。マジヤバいよ。

そう呟きながらサラダにかけ、ひと口食べてみると……

やっぱり美味しすぎるっ!!!!


ドレッシングの枠には収まり切らない。もはや「かける具」と呼んだ方がいいだろう。

この日のサラダにはレタスとコリンキー(生で食べられるカボチャ)の2品しか入っていないのに、筆者の口の中には確かに新たまねぎが現れたのである。しかも、実物を食べるよりもさらに甘みを増して、もっと風味豊かに。


「畑の……宝石箱や…………」

悔しいかな、ひと口食べたら最後。後はもう「サラダは飲み物」と言わんばかりに夢中でかき込んで、一瞬で完食をしてしまった。


最後にひとつだけ、褒めてばっかりではフェアでない気がするので 不満を言うならば、容器がペットボトルという点は少し不便かもしれない。

粘度が高くツブが多い分キャップのまわりに垂れやすく、時々ティッシュで拭わなければグチャグチャになってしまう。


……が、そんなことはどうでもいい程に筆者は気に入っている。その証拠に 現在我が家の冷蔵庫には、このドレッシングのストックが2本置いてあるのだから!

というのも、池田屋醸造に問い合わせたところ

「新たまねぎのドレッシングは毎年3~7月に製造する期間限定の商品です」

という回答をもらったから。うそっ、もうすぐなくなっちゃうの!?


ただしガッカリする必要はない。電話では続けて、

「他にも、8月現在はトマトドレッシングと青ねぎ×たまねぎドレッシングを製造しており、また5月付近には にんじんドレッシングの予定もございます」

とのこと。どれも旬の野菜を使用した生ドレッシングということなので、ストック分を使い切ったら試してみようかな。


──ともあれ、新たまねぎ生ドレッシングのシーズンは既に終わりを迎えつつある。

公式オンラインショップの在庫もなくなっているため、スーパーの店頭で見かけた方は超ラッキー。たまねぎ好きなら間違いなく好きな味なので、見かけたら絶対ゲットしてくれよな!

参考リンク:池田屋醸造
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼「ポテトサラダの隠し味にもおすすめ」と書いてあったため、試してみた

▼ミスって入れ過ぎてしまったため、マヨネーズを入れる余地がなくなってしまったが、

▼たまねぎの甘みたっぷりで味は抜群。ただしマヨネーズの不在でボソボソの質感になってしまったため、表記通り隠し味に少し入れるのがベストであろう。是非お試しあれ!