安くて良い音の製品を探し求めて買い漁る、このシリーズ。毎回聞き比べた製品の上位3つをランキングで掲載しているのだが、この先、当分1位は変わらないかも。というのは、「ハイユニット HSE-A1000」(税込712円)に太刀打ちできる製品が、なかなか見つからない気がする。音と値段、そのバランスがズバ抜けているのだ。
とはいえ、「諦めたらそこで試合終了ですよ」ってことで、粘り強く買い求めて行く所存。今回はパナソニックの格安イヤホンを試してみたいと思う。老舗メーカーの実力はいかほどだろうか?
・パナソニックのロングセール製品
ヨドバシカメラで購入したこのモデル「ステレオインサイドホン RP-HJE150」は、Amazonでの取り扱い開始が2007年となっている。17年もの長きにわたって販売し続けている古いモデルだ。とはいえ、長く親しまれているからこそ、現在も製造が続いているのだろう。
箱には本体とイヤーピースが3サイズ(M・S・XS)入っている。
イヤーピースはサイズごとにまとめられていて良いね。箱を開けたら、どこかに転がって行っちゃうことがよくあるけど、これなら落としても見つけやすい。どこのメーカーもこんな感じで入れておいてもらえると助かるんだけどなあ。
密閉型のダイナミックイヤホンで、本体は耳の形に合わせて少し斜めになっている。
装着すると耳にしっかり収まる。それは良いけど。線の細さが気になるな。これまで紹介してきた製品の中で、もっとも細いかもしれない。線を引っ張ってイヤホンを外そうとしたら、断線しそうで怖いな……。
・聞き比べ
さて、今回検証に使う材料は、オアシスの「Don’t Look Back in Anger」である。先日、「フジロックフェスティバル ´24」に、ノエル・ギャラガーが出演していたのをアマプラで見て、この曲を選んでみました。ステージの最後にコレを歌ってたもんで。
まずは先行のハイユニットから聞いてみよう。
この曲は、ピアノ伴奏から入って次第に展開が盛り上がっていくロックバラードである。何年経っても、曲の魅力が損なわれないのは、いわゆる「カノン進行」のためだろう。これは、クラシック等でも用いられる安定感のあるコード進行の1つだ。楽曲からも歌詞からも普遍的なものがあり、リリースから約30年を経て、いまだに歌い継がれている。
ハイユニットで聞くと、そのダイナミックな曲展開を忠実に再現し、なおかつ華やかさを添えているように聞こえてくる。何度も繰り返し聞いてきたこの曲が、新鮮に感じられるのはハイユニットの良音質ゆえかもしれない。
続いて、パナソニックでも聞いてみよう。
値段の割には、かなり優秀な音のするイヤホンだ。音場は広く、高音の音抜けも良いので、聞きごたえは十分にある。
だが、中高音域のある一定の音がこもって聞こえる。その音域を聞き分けられるほど、私は耳が良いわけではないけど、どこか詰まる感じがあって、それが気になる。総じてバランスが良いだけに、それだけが惜しい。もしかしたら、イコライザーでカバーできる範囲のこもりかも。
こもり以外は悪くない。もしかしてランクインもあり得るか? と思ったので、暫定3位の「DENON(デノン) AH-C260」でも聞いてみたら……。
バランス・聞き心地の良さで、デノンの方が上だった。ということで、順位の変動はナシ!
1.アルペックス(Hi Unit)「ハイユニット HSE-A1000(PK)」 税込712円
2.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
3.DENON「AH-C260」 税込927円
このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。
参考リンク:パナソニック、Amazon
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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