先日、東京・巣鴨の「ときわ食堂」で久しぶりに目にする調味料に誘われるように、ご飯をおかわりしたことについて伝えた。ときわ食堂は巣鴨・駒込・大塚で展開する定食チェーンとお伝えしたところ、「巣鴨は「巣鴨ときわ食堂」で、「ときわ食堂」はそのほかにもありますよ」と読者にお教え頂いた。

実は東京の下町には、ときわ食堂の看板を掲げるお店が点在し、「ときわ食堂総本店」からの支店で作る「東京ときわ会」というのが存在したのである。

巣鴨のルーツは浅草のときわ食堂とのことなので、浅草のお店を訪ねてハムカツを頼んでみたら、厚くない! むしろ、薄すぎるくらいなのだが、逆にそれがよかった!

・ときわ食堂の系譜

ご指摘頂き、私(佐藤)は浅草にもときわ食堂があることを思い出した。雷門を正面に見て左に2軒目。この前を何度も通った覚えがある。まさか巣鴨のお店と浅草のお店に関係があるとは思わなかったが、中に入ってメニューを見たら大アリだった。


店の壁には「東京ときわ会」に参加しているお店の札が掲げられている。全部で18! そんなにあったなんて知らなかった!


メニューにはその系譜が記されていた。ときわ食堂総本店は1922年に料亭「常盤華壇」の食堂として誕生。浅草のお店は、その5番目の支店だったという。浅草の二代目が代表に就くと独立支援制度を設けて、そこから続々とのれん分けで支店が増えていったのである。


現在浅草ときわ食堂(株式会社ときわ)が直接経営に携わっているのは、ここ浅草と馬喰町ときわ食堂の2軒である。巣鴨のチェーン(株式会社こうしんづか)も開業支援事業を行っており、私が訪ねた巣鴨駅前店(北口店)はそのフランチャイズ1号店とのこと。ルーツの浅草から見れば、 “孫” のお店にあたるわけだ。


・アレはなかった……

話を戻そう。入店して最初に確かめたのは卓上調味料だ。ここにはアレがあるかな~。


巣鴨で久しぶりに見たごま塩。アレがあったから、私は嬉しくなってご飯をおかわりしたのだが、ここの卓上には~~~、なかった……


あるのは醤油にソースに酢・ラー油・一味である。ごま塩も仲間に加えてもらえると幸いである。


・薄すぎるハムカツ

注文したのは「ハムカツ」(税込480円)の「ご飯セット」(味噌汁・小鉢2品・漬物付き 税込550円)である。巣鴨でミックスフライ定食を頼んだので、比べるつもりで同じものをと思ったけど、こちらにミックスフライはなかった。


天然アジフライでもよかったけど、分厚いハムカツを食べたい衝動に駆られて頼んでしまった。

ずいぶん前に神奈川・鶴見の「レストランばーく」を訪ねた時に、推定3センチのハムカツを食ったことがあったなあ。あそこほどではないにしても、分厚いハムカツがいいよな~……


ソースをかけて、いざ頂こうと思ったところ!


薄い! めっちゃ薄いじゃないか!?


これは1センチ? いやもしかしたら1センチないかもしれない。歯が食い込むほどの食べ応えはない。しかしだ! これはこれで美味いんだな

いわゆる「紙カツ」と考えて良いかもしれない。本来紙カツとは、豚肉を叩いて薄くのばして衣をつけて揚げたものだ。豚肉のような噛み応えはないものの、サクサクとした衣の食感を楽しむカツと言えるだろう。


肉感は弱いけど衣の歯ざわりが心地が良い。お上品に食べるよりも、少し行儀が悪いけどソースべっちゃりでご飯にのせて食べるのがよかろう。ってことで実践しました。


小鉢の「オクラのおひたし」も「かぼちゃの煮物」も、老舗ならではの優しい味付けで店の歴史を感じさせるものがある。外国人観光客の皆さんに、この美味しさがわかるかな~。「素朴で優しい味に出会えるのが、浅草の良いところだよ」って教えてあげたい。

ということで、浅草に来てときわ食堂のルーツを知ることができた。今後のれん分けしたお店を訪ねて、それぞれのお店の良さを探っていきたいと思う。ときわ食堂は奥が深かった!


・今回訪問した店舗の情報

店名 浅草 ときわ食堂
住所 東京都台東区浅草1-3-3
時間 9:30~22:00(L.O.21:30) 土日祝 8:30~22:00(L.O.21:30)
定休日 水曜日

参考リンク:浅草ときわ食堂株式会社ときわ巣鴨ときわ食堂レストランばーく
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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