次から次に新しい商品が登場する冷凍食品業界において、ありそうなのに意外とないのが「のり弁」である。以前の記事でもお伝えしたように決してないワケじゃないのだが、その見かけなさはきっと商品化するのに難しい何かがあるのだろう。

例えばコスパが悪いとか、具材が冷凍との相性が悪いとか──。なんて思っていたら、都内にあるスーパー「ベルク」の冷凍食品コーナーでのり弁を見つけた。しかもなんとお値段299円(税込323円)! やっす!!

・シンプルなのり弁

驚きのあまり、気がついたときには買い物カゴにのり弁を入れていた。製造しているのは徳島県にある株式会社ヨシダで、どうやら冷食、宅配などを手がける老舗らしい。

のり弁の内容量は220gとちょい少なめ。作り方は袋に切れ込みを入れて電子レンジでチンするだけ(500Wで4分、600Wで3分20秒)でOKと簡単だ。

ちなみに冷凍食品だけに賞味期限は2025年4月までと長い。で、もっとも気になる中身はどんな感じだったのかというと……

めっちゃシンプル。メインの具材はコロッケ、白身魚、それからかなり小さくカットされた ちくわ が入っていた。最近の値上げラッシュ、そもそもの安さを考えたら仕方ない部分もあるのだろう。



・ちゃんとのり弁してる

値段が値段だけに味の方もそれなりなのかな? そうとも思ったが、食べてみると思っていたよりもよかった。

というのも、レンチンしただけなのにきちんとのり弁しているのだ。具材はかなりふっくらめ。パリッとしていないとダメって人には合わないかもだが、ふっくら系の食感が好きなら刺さりそう。

具材の下も海苔・かつお節・ご飯ときちんとのり弁している。米は水分多めかなとも感じるも、全体的に可もなく不可もなし。脳が震えるほどウマいわけじゃないが、その逆でもなかった。

むしろ冷凍庫に保存ができて、量や値段を考えるとよく戦ったと言っていいだろう。ただ……!



・そもそものり弁が安い

比較するため、オリジンのタルタルのり弁当を用意したら「あること」に気づいてしまった。信じられるか、コレ……

ほぼ同じ価格だなんて……!!


驚くべきことにオリジンのタルタルのり弁当は320円でコレなのだ。白身魚が2つあってサクサク。ちくわも「ドンッ!」と立派な1本が入っている。もはや冷凍食品でのり弁がない理由になるかもしれない。

あまりにも簡単にいいのり弁が……かつ安く手に入ってしまうことを改めて気づかされた。思えばのり弁は比較的どこでも売られているし、安いことがほとんど。手間、材料などを考えたら、のり弁を冷凍食品として出す理由があまりないのかも。



・オリジンののり弁も冷食化

とはいえ、オリジンののり弁は今年の2月から一部地域で冷凍食品になっている(値段は店舗よりやや高め)。そのことを考えると可能性が見込める市場なのだろう。

ずっと右肩上がりで成長している冷凍食品業界。高みを目指せば、常備したくなるくらいウマい冷凍のり弁が出てくる日もそう遠くないはずだ。

参考リンク:株式会社ヨシダPR TIMES
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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