一般的に、安くて美味い飲食店は最高だと思われがち。確かにそうだろう。だが、安くて美味いからこそ想定よりお金がかかってしまうことだって珍しくない。
というか、安くて美味い店を発見したときに本当に安く済ませられる人は一体どれだけいるのだろう? なんだかんだで、結局以下のようになってしまう人が少なくないのではないか?
というわけで今回取り上げるのは1種の失敗なのだが、「油断したらこうなっちゃうよね〜」というのを知っていれば防げるタイプの失敗でもある。というのも……
・池袋の韓国料理店で
つい先日、私は池袋でランチをしようと思い韓国料理店(ビビサム 池袋東口店)に入った。というか、表の看板にあったサムギョプサル食べ飲み放題が気になって入ったのだが、店員さんに聞くと「2名からになります」とのこと。
仕方がない。おひとりさまだから普通にランチを食べるかと思い、メニューを見たところ……
ビビンパ定食が550円!?
安すぎる。何もかもが値上げしている現在の日本、それも池袋のど真ん中という立地ではありえない価格だと感じるが……。
もしかしたら、ミニサイズだったり、あるいは価格相応の内容だったりするのかも。ただ一方で、シンプルにコスパが最高という可能性もある。どっちだろう?
気になったので頼んでみたら、見た目的にはいたって普通のビビンパだった。
しかも、食べてみると美味しい。これにサラダ・キムチ・スープまでついて550円は破格。というか、安すぎて逆に申し訳なく感じる。
同時に、せっかく安くて美味しい店を見つけたんだから追加注文するのもアリかなという気持ちが芽生え、メニューをパラパラとめくってみた。すると……
「チーズタッカルビ
食べたことがない人はいても
一度だけ食べた人はいない」
なんだこの秀逸はコピーは。今までの人生で1度もチーズタッカルビを食べたことがない身としては、心に刺さりまくるぞ。よし、これも頼んでみるか。
というわけで、私は人生初のチーズタッカルビを味わうことになったのだが……。知らなかったのだ。
チーズタッカルビを食べているとビールが無性に欲しくなるということを。むしろ、これほどまでにビールに合う料理を食べているのにビールを頼まないのは、逆にもったいないことをしているのではないか?
いや、イカン。せっかくランチを安く済ませられたのに、飲みに走ったら完全に無意味。むしろマイナスでしかない。
まぁチーズタッカルビは食べたことがなかったから経験的な意味で試す価値はあったにしても、追加でビールを頼んだところで何の発見もない。ゆえに、ここは自制。自制モードON!
……マズい。マズいぞ。心の中にあるはずの “自制モード” のスイッチが見当たらない。どこだどこだ? スイッチどこだ?
あっ
ああああああああああああああああああ!!!!!
……
……
……
……
……
──というわけで、当初想定していた550円から比べると5倍以上のお金がかかってしまったのだが、その原因の1つは物価高ではないかと思う。
というのも、世の中的に何もかもが値上がりしていると、「安っ!」と感じたときにテンションが上がりまくってしまうのだ。その衝撃によって自制モードのスイッチが吹っ飛び、結果的に上のようになってしまうのは今後日本全体で “あるある” になるのではないか?
つまるところ、今回の結果は社会状況的に仕方がない……ということにしておきたい。現場からは以上です。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ビビサム 池袋東口店
住所 東京都豊島区東池袋1-39-7三惠ビル3F
時間 11:30~23:00
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.