先日、私(耕平)は人生で初めて大分県に観光で訪れた。1泊2日のプチ弾丸旅行だったが、宿を取った場所は “唐揚げの聖地” と呼ばれる中津市だ。
私の中で、好きな食べ物TOP3に入る唐揚げ。今まで数え切れないほど食べてきたが、本場の唐揚げを堪能するために大分県に来たといっても過言ではない。
ただ、私はネットなど誰でも見られる評判は基本的に信用しない。じゃあ何を信用するのか? それは、地元民の生の声。特に観光業のインフラも担っている、タクシー運転手さんのオススメだ!
というわけで、中津が地元だというタクシー運転手さんに「1番美味しい唐揚げ専門店まで!」とお願いした結果、ガチでオススメのお店まで案内してくれたぞ!! 果たして、そのお店とは?
・生まれて初めて来た中津
大分県に初めて行くにあたり、宿は絶対に中津に取ろうと決めていた。日本トップレベルと言われている唐揚げを腹いっぱい堪能するためである。
しかし、お店の情報などは一切調べなかった。なぜなら「地元のタクシー運転手さんなら、本当に美味いお店に誘(いざな)ってくれる」と信じていたからだ。
そんな期待を込めて、JR中津駅のタクシー乗り場に足を運ぶ。
この日は土曜日の夕方。初めて来た中津のタクシー乗り場は2台しか待機しておらず、思ったよりも寂しい感じ。
そして、意を決して先頭のタクシーに乗り込む。
行き先を聞かれたので、私はこう切り出した。
耕平「実は今日初めて大分県に来たんです。中津が唐揚げの聖地と聞いたんですが、運転手さんのオススメで1番美味しい店まで連れてってください!」
ちなみに、私がこの企画を敢行したのは2回目。1回目は沖縄の離島、石垣島で「八重山そばが1番ウマい店まで」とお願いした。
その際に序盤で何人にも断られて心が折れそうになったことがあり、ちょっとしたトラウマが。しかし、今回の運転手さんの反応は……
運転手さん「本当にお任せでいいかい? じゃあ有名だから知っているかもしれないけど、1番美味いと思ってる店まで連れていくよ」
耕平「本当ですか! ありがとうございます。少しくらい遠くても大丈夫なんで、お願いします!!」
話を聞くと、運転手さんは中津に30年以上住んでいるという。とにかく唐揚げ愛がすごく、「本当に美味い唐揚げは、冷めても味が落ちない」など力説してくれた。
これだよ、これ! こういうガチの人と出会いたかった。そこから車に乗ること、約10分。目的のお店に到着。
運転手さん、ありがとうございましたー!!
・全国的に有名だったあのお店だった
唐揚げ愛全開の運転手さんが、連れて行ってくれたお店とは……
元祖中津からあげ「もり山」万田本店
唐揚げマニアであれば誰もが知っているであろう、全国的に有名なお店。私も名前は知っていたが、実際に店舗に足を運んだのは初めてだった。
店頭には、「からあげグランプリ 初代グランドチャンピオン」の勲章がデカデカと掲げられている。
店内に入ると、どうやらこのお店はテイクアウト専門店とのこと。ただしイートインが可能ということで、ひと安心。
そのイートインスペースには、数々の賞状やトロフィーがズラリ。
メディアの取材も数多い様子が窺(うかが)える。
ファミリーマートの唐揚げメニューも監修しているので、もしかしたら、過去に食べているかもしれない。
そして、この万田本店は全国にある「もり山から揚げ加盟店」の総本店らしい。
なるほど……あの唐揚げ熱強めのタクシー運転手さんが、オススメするのも納得がいく。
・本当に美味い唐揚げは冷めても美味しい
その実力はいかに? 忖度なしで検証すべく、店員さんにオススメメニューを聞く。そこで注文したのは……
骨なし(モモ) 330円
ピリっ辛モモ 330円
鶏皮ぎょうざ 420円
量は上の写真のとおりで、個数としては3〜4個くらい。
さぁこれで店員さんに聞いたオススメが出揃った。もう、期待しかない!
さっそく「骨なし(モモ)」から、口に運んでみる。
ヤバっ! なんだこれ。
肉の柔らかさとジューシーさ、ほんのりニンニク風味の衣、全てのバランスが完璧。これはレベルが違うと一瞬で脳が理解した。
続けて「ピリっ辛モモ」も一口。
こちらも文句なしで美味い。とにかく口の中で広がる肉汁の量がすごい。どれだけすごいかというと、肉汁の量を予測できていなかったばかりにテーブルの上に飛び散ってしまったほどだ。
3品目は「鶏皮ぎょうざ」を食してみる。
これもモノが違う。
私はよく業務スーパーの「鶏皮餃子」を酒のつまみに食べるが、さすがにモノが違った。鶏皮がジュワッと口の中に侵食して、噛むと軟骨のコリコリ感がちょうどいい。
もり山オリジナルの唐揚げ粉がまぶしてあるらしく、鶏皮ぎょうざながら唐揚げ寄りの風味がある。
いやー、美味かった。ここに連れてきてくれたタクシーの運転手さんには、本当に感謝だ。本物を堪能したところで、ホテルに戻る。
そして、数時間が経過。ここであの運転手さんが言っていた「本当に美味い唐揚げは、冷めても味が落ちない」が気になり、試してみることにした。
さっそく一口。
おっ、これは。
よく考えたら冷えた唐揚げを食べたことがないので、他の唐揚げとの比較はできないが、味はほとんど変わらないような気がする。ただ当たり前だが冷えているので、ジューシーさは感じられなかった。
特に「鶏皮ぎょうざ」は、冷めてもパンチが効いていて、この3種類の中でも一際美味しいと感じた。
──というわけで、50軒以上の唐揚げ専門店がある中津で、今回は地元在住のタクシー運転手さんがオススメした『元祖中津からあげ「もり山」万田本店』に辿り着くことができた。
時間の関係で、専門店はここ1軒しか訪問できなかったが、他にも数多くのレベルが高いであろう専門店がひしめき合っている中津。今度来たときは、ゆっくりハシゴできるくらい堪能したいものだ。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 元祖中津からあげ「もり山」万田本店
住所 大分県中津市大字万田566-5
時間 11:00~20:00
定休日 不定休
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.