ロケットニュース24

【格安イヤホン探訪】中国ブランド「AGPTEK」の寝ホンは、まさしく眠たくなるような音質だ

2024年5月31日

ここ数年で急速に需要が高まっている「寝ホン」。寝ホンとは、寝ながら着用していても使いやすいイヤホンの略称である。普段寝ながらイヤホンを使う習慣のない私(佐藤)だが、良いものに出会えれば、使ってもいいと考えている。

そこで、Amazonで探してみたところ、手頃な価格の製品が見つかった。それが今回紹介する中国ブランド「AGPTEK」のカナル型睡眠イヤホン「ZP03B」である。通常1080円がタイムセールで税込918円で販売していた。実際に着用したら、寝ホンにふさわしく、まさしく眠たくなるような音質だった……

・中国ブランド「AGPTEK」の寝ホン

Amazonのブランドページを見ると、AGPTEKはいまだにMP3プレイヤーを全力で販売している。これだけスマホが普及した世の中で、音楽専用プレイヤーの需要はどこまであるだろうか? 高音質のものであれば私も欲しいところではあるが、価格を見るとほぼ数千円レベル。その値段なら、音質はそこまで期待できないような~……。

それはさておき、今回購入した製品は格安ではあったものの、箱も説明書もちゃんと付いていて、説明書には日本語表記もある。それだけで商売をする気構えが感じられて、大変よろしい!


しかもブランド名の入った袋まで付いていた! 前回の中華イヤホン「PR-X2」よりもよっぽど好感が持てる。いいぞ!


この商品は、イヤーピースがちょっと変わっていて、二段式の耳栓型になっている。これも睡眠時の使用を意識した工夫だろうか。


一応一般的なイヤーピースも1組ついている。


で、実際に着用してみると、本体が小さいので収まりは良いんだけど、耳栓イヤーピースがどうも耳穴には合わない。2サイズそれぞれ試してみたけど、どうもしっくりこないのである。

これは人を選ぶ製品かも。少なくとも私は、このイヤーピースで寝ることは難しいかもなあ~……。いずれにしても、使用感を的確に伝えたいので、耳栓イヤーピースでいつもの聞き比べをしたいと思う。



・聞き比べ

今回の検証材料は、ベートーヴェン作の「トルコ行進曲~「アテナの廃墟」作品113」。指揮サー・チャールズ・グローヴズ、演奏はフィルハーモニア管弦楽団である。

まずはいつも通り、ランキング1位のJVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」で聞いてみるとしよう。


この曲は、小学校の掃除の時間や運動会などでも使われることが多い。私も小学校の時に聞いた覚えがある。行進曲ではあるが、金管楽器がけたたましく鳴り響くものとは異なり、割と早いテンポで、木管・弦楽器が曲をリードしていく。

バランス型のこのイヤホンは、木管楽器の繊細なメロディーを緻密に表現している。そして中低音にもしなやかな広がりがあり、勇猛なトルコ軍隊が行進する姿をイメ―ジできる。

バリっとしたスケールのデカいオーケストラよりも、この手の複雑な音構成の楽曲でこそ力を発揮する、そんなイヤホンである。


続いて、今回のZP03Bでも聞いてみよう。


正直な感想を一言でいえば「眠たくなる音質」である。久々に値段にふさわしいというか、低価格なりの音がするイヤホンに出会ったかも。めちゃくちゃ音のレンジが狭い。高音と低音がバッサリと切り取られてしまって、音場がかなり狭い。

例えるなら、ライブハウスに行ったら、ステージ上のバンドがミニアンプでライブしていた、みたいなスケールの小ささ。

それもそのはず、この再生周波数帯域は100ヘルツ~5000ヘルツしかなかった。先のHA-FX6-Tは20ヘルツ~20000ヘルツなので、高音域はHA-FX6-Tの4分の1しかない。私の知る限り、一般的なイヤホンは高音が20000ヘルツまでのものがほとんど。その4分の1なので、狭く聞こえても仕方がないかも。

ある意味、寝るにはちょうど良い音の狭さかも。あえて眠たくなるような音の設計をしている可能性も否めない……。



ということで、今回も順位の変動はなし。


1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン 税込821円
2.セブンイレブン(JVCケンウッド)「HA-FX711F-B 税込1207円
3.QKZ-AK6-MAX 税込990円


このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。

参考リンク:Amazon
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼こちらもどうぞ!

モバイルバージョンを終了