もはや薬局はただ薬を売るだけの存在じゃなくなった。こういうのも、この春からウエルシア薬局はプライベートブランドの「からだWelcia」より冷凍食品を販売開始。

4月に「黒豚をちゃんと感じる幸せの肉餃子」という餃子を世に放ち、5月21日からは新たに「あの店主がつくったメニューにはない炒飯」を出したのだ。名前のクセがスゴいからこりゃネタ商品だな……と思いきや!

・あの店主とは

前回の餃子に続き、新しく発売された「あの店主がつくったメニューにはない炒飯」。ていうか、あの店主って誰だよ。そう多くの人が思うだろうが……


パッケージをよく見たら東京の三ノ輪にある有名なラーメン屋「トイ・ボックス」の山上店主だと明かされていた。

なんでも、同店で炒飯の取り扱いはなし。そして炒飯の監修を担当するのは初めて……と聞くと期待できなさそうだが、「監修」という形で発売しても全然恥ずかしくないとのコメントが出るほど試作を重ねて開発したらしい。

ちなみに山上店主、2019年ごろに一時狂ったように毎日炒飯を作っていた時期があって「うちの醤油だれと鶏油で作ったらどういうものができるんだろう?」というぼんやりとした思いもあったそうな。最終的には店の大きさもあって提供に至らなかったそうだが。



・実際に食べてみた

さて、食べる前に基本情報をお伝えしておくと、ウエルシアの炒飯は300gで321円。パッと見だと安いと感じるものの、同じ店舗でニチレイの本格炒め炒飯(450g)が375円で売られていたから、実は冷凍炒飯の中でいい値段寄りと言ってもいいかもしれない。

そうなると勝負の分かれ道は味である。作り方は冷凍食品らしく皿に出してレンジで加熱したらOKと簡単そのもの。まずは何も考えずにチンして食べてみたところ……ほほぉ〜!


これはなかなか面白い。こがし醤油の香ばしい香りが漂ってきたかと思えば、舌で感じたのはピリッとした辛さ。これは一気に食べると危ないやつだな……

と脳が警戒したら、辛さはわずかで止まって次の瞬間には口の中をアッサリ感が支配し始めるから驚いた。旨味も秘めつつ、醤油系の炒飯としてしっかりまとまっているから素直に美味しいぞ……!


で、次に「おっ」と思ったのが肉!!


なんとコレ、肉は肉でも煮豚なのだ。チャーシューがゴロゴロ入っている炒飯はよくあるが、柔らかい食感をアクセントにしたものはなんだか新鮮に感じた。なるほど……確かにこれは「監修」で名前を出しても何ら恥ずかしくないクオリティに仕上がっている。

餃子同様、初めて出した冷凍食品とは思えないためこれはアリ。絶妙に「ありそうでなさそう、でもここにあるよ」という意外性を突いてきた印象があるし、他社の商品との差別化を図れているのではないだろうか。



・まだまだ続く冷凍食品

クセが強い名前かと思ったら、意外にも事実をそのまま書いたものだった「あの店主がつくったメニューにはない炒飯」。米類なのにそこはかとなくラーメン感がするのも面白かったし、醤油系が好きな人にぶっ刺さる感じがしたので気になる人はお試しあれ。

なお、ウエルシアのHPによると、第3弾以降の冷凍食品も絶賛開発中とのこと。唐揚げとか、ハンバーグとか……と書かれていて、まずはオーソドックスな売れ筋から着実に攻めているあたり本気度がうかがえる。

今のところ、「格安というより、ちょっといいところ路線」だと個人的に感じているウエルシアの冷凍食品。次回どう勝負してくるのか期待したい。

参考リンク:ウエルシア薬局
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.