どいつもこいつも見せつけやがって……! ここ数日、私のTwitter(X)のタイムラインには、ベーコンを巻いて焼いた丸ごとのカマンベールが乗っているという、尋常ならざるカルボナーラの写真が流れて来ていた。
ベーコンはわかる。カマンベールもわかる。カルボナーラもそうだ。しかしベーコンでカマンベールを丸ごと包んで焼き、それをカルボナーラに乗せるのはヤバい。何かの法律に違反していてもおかしくない所業だ。
これは食わねばならない。どうやらジョリーパスタの新作らしい。前にもあったな、このパターンは。しかしもう我慢ならないので、店舗に向かうことに。
・2度目
ということで、これが人生で2回目のジョリーパスタだ。行動圏内に店舗が無く、私にとってジョリーパスタは免許の更新や確定申告と同じくらいの大仕事になるため、利用する機会が無いのだ。しかし、1回目の訪問でジョリーパスタが魅力的な店であることは把握している。
目当ての品は「焼きたてカマンベールの感動カルボナーラ」というらしい。1419円。
店舗に到着し、メニューをチェック。あれ、ねぇな?
ノーマルの「感動カルボナーラ」はある。もしかして、トッピングで追加するみたいなそういう感じか?
違うな。ベーコン巻きカマンベールはトッピングのリストに無い。
これはいかに。お店の方に聞くと、好評でカマンベールの在庫が無くなってしまった……つまり、この店舗では、今日の分が売切れてしまったもよう。
・コスパ
そうか。まあ仕方がない。そりゃあみんな食いたいよな。だが、このまま帰るのは……おや、ここは持ち帰りもできるのか。
それなら
こうだ
DIYした。お店で食べられるジョリーパスタ公式バージョンは1419円だが、スーパーでカマンベールとベーコンを用意したDIYバージョンは2000円近くかかっている。
材料の入手と調理の手間、そして完成品のクオリティも加味すれば、お店で出てくるやつのコスパは注目に値する。
最安値のフルサイズベーコンとホールのカマンベールを選んでこれなので、期せずしてジョリーパスタ版のコスパの良さが明らかとなった。皆さんは大人しくジョリーパスタで食った方が良い。
だが、私のDIYした方も、そう悪いものでは無かった。
まずカマンベールがとてもいい。ジョリーパスタ産のカルボナーラは、それ単体で文句の付けどころの無い素晴らしい美味さだ。
しかし溶けたカマンベールがパスタに絡むと、カルボナーラの美味さは限界を超える……! これを知らずに生きてきたことは、大きな損失だったと言えよう。
ところで、ふとこの丸ごとのカマンベールにベーコンを巻いて焼いたヤツについて調べたところ、そもそも単体でこれに近似した食べ物があることも発覚した。
カマンベールと同じ白カビのトミーノ(Tomino)というチーズを使うらしいのだ。カマンベールよりもトロトロに溶けるらしい。
これを丸ごとスペック(生ハムの一種)で巻き、焼いて食うそうなのだ。それっぽく “tomino alla piastra” でググると画像が沢山出てきた。様々な派生バージョンもあるようだ。
当初はカマンベールを丸ごとベーコンで包んで焼くとは……! と驚愕したが、日本でコモンでないだけで、ちゃんとそういうものがあったもよう。しかしさすがはイタリア人。世界で最もチーズの美味い食い方に詳しい連中はやることが違う。
ということで、話が少しそれたが、とりあえず人類は皆1度、溶けたカマンベールのかかったカルボナーラを食べた方が良い。そしてその機会は今、ジョリーパスタでコスパ良く提供されている。