つい今朝のこと、時間は10時前。私(佐藤)の電話に非通知の着信があった。普段なら非通知設定の電話には出ないのだが、たまたま出てしまった。
通話相手は「和歌山県警です」という。その上で「佐藤さんの携帯電話でお間違いなかったでしょうか?」というのだ。
この手の電話は、詐欺と見て間違いないので注意していただきたい。あらためて和歌山県警に確認の電話をしてみたところ、この2週間の間に、全国で同様の着信が相次ぎ、日に10~20件の報告があるという。
・なぜ旧姓で尋ねるのか?
この電話が怪しいと思った理由は、以下の2点にある。
1.なぜ警察なのに非通知で電話をしてくるのか?
2.なぜ旧姓(佐藤)で本人確認したのか?
まず1点目について。警察が非通知で電話をかけてくることはない。警察が折り返しを避けて非通知にする理由はないはずなのだ。仮に相手が電車に乗っていたり、通話が途切れたりすることも想定される。折り返してもらった方が都合いいはずなのに、なぜ非通知にする必要があるのだろうか?
この時点で「おかしい」と感じたのだが、2点目で私の不信感は決定的なものになった。私は仕事で旧姓「佐藤」を名乗っているが、本名は「山科」だ。なぜ旧姓で本人確認をしたのか? 妙だなと思いつつ話を聞くと、相手はこう言う。
「今から身分証を持参いただいて、和歌山県警まで来れますか?」
どこに電話をしているつもりなのか? こっちは東京だ。今から来れるかを尋ねる距離ではない。不信感120パーセントになったので、録音をしようと通話したままその準備を進めてたところ、うっかり通話を切ってしまった。しくじった! しっかり記録したかったのに、チキショー!!
・和歌山県警に相次ぐ問い合わせ
この怪しい電話について確認するため、和歌山県警察に電話をして事情を伝えると、どうやら最近同じ手口に関する問い合わせが増えているそうだ。担当者に伺った内容はおおむね以下の通りである。
佐藤「今朝、和歌山県警と名乗る非通知の電話があったんですよ」
担当「最近同じような問い合わせが増えています。この2週間くらいに北海道から九州まで、全国から日に10~20件くらい連絡をいただいてます」
佐藤「え? そんなに!?」
担当「最後まで相手の話を聞かれたかわかりませんけど、それは詐欺です。相手は「あなたはある事件の捜査対象に名前が挙がっている」と言うんですよ」
佐藤「途中で切っちゃいましたけど、そんな続きがあったんですね」
担当「それでね、「その捜査対象のリストから名前を外すには、お金を払ってください」っていうようなことを言うんですよね」
佐藤「そんな!?」
担当「そんなバカな話ないですよね。わざわざ警察が捜査対象に電話して、お金を払えばリストから外すなんて、おかしいですよね」
佐藤「おかしすぎます」
担当「そんなことしてたら、いくつ首があっても足りないですよ」
佐藤「本当ですね」
担当「それで、相手は5~6年前の個人情報を入手したみたいで、古い住所や旧姓で本人確認をしてるみたいです」
佐藤「だからか! 自分も旧姓を尋ねられました」
担当「そうなんですね。女性が旧姓で尋ねられるケースが多いようです」
佐藤「なるほど、古い情報を使って電話しているんですね」
担当「残念ながら、どこからか個人情報が漏れたのは事実ですので、また似たような電話がかかってくるかもしれません。その際、怪しいなと思ったら「一旦電話を切ります」といって、最寄の警察署に確認してください」
佐藤「わかりました」
担当「また何か気になること等あれば、ご相談ください」
佐藤「ご丁寧にありがとうございます」
ということで、この手の怪しい電話が増えているようなので注意してほしい。警察が非通知で電話をしてくることはなく、当然ながらお金を要求してくることもないので、そんな内容の電話は詐欺と思って間違いない。皆さん、お気をつけください。
詳しくは和歌山県警察のホームページ(PDF)にも記載されているので、そちらも合わせてご確認ください。
参考リンク:和歌山県警察(PDF)
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24