ロケットニュース24

【コラム】トイレで危うく失神しかけた話

2023年9月14日

あぁ、なんだかお腹が痛い。おそらくこれは腹を下した時の痛み。トイレに行って出すもの出せばすぐ収まるだろう、最初はそう思っていた。

……が、その10分後。私は半ケツ汗だく状態で廊下に倒れていた。尋常じゃないほど汗が吹き出してきて、段々と意識が遠のいていく……

結果的になんとか気を失わずに済んだのだが、まさかただの腹痛からここまで追い詰められる事態になるとは……。同様の事例を調べてみたところ、健康でもトイレで気を失う人が一定数いるみたい。みなさんも他人事じゃないですよ……?


・終始シモのお話ですのでご注意を


特段お腹が弱いわけでは無いが、生きてりゃ腹の10回や20回はくだすもの。よくやるのは冷たい飲み物を一気飲みしてお腹壊すやつね。暑い時ほどやりがちなやつ。

今回もまさにそうだった。気温が高いうえコロナ療養中だったため、とにかく水分をとらなきゃと冷茶をガブ飲み。腹を壊したのはその矢先の出来事だ。

「あぁ、またやってしまった」と便座に座って数分経過。さっきからずっといきんでいるのだが、その日のブツはとても引っ込み思案な模様。

お腹を下した時って1回出しちゃえばある程度痛みが収まるのが普通だと思う。逆に、ブツを出さないことにはこの腹痛から逃れる術が無い。どうにか排出しようと腹に力を入れるのだが、うんともすんともいってくれない。


だが、そうこうしているうちに身体がおかしくなりはじめた。まず訪れたのは急な発汗。自分でもわかるほどブワッと冷や汗が吹き出し、着ていたパジャマや便座がビショ濡れに。

「なにかがおかしい」と思い始めた時にはもう既に自分ではどうしようもならない状態になっていた。ただ座っているだけなのに段々と視界がぼやけてきたのだ。

これはまずいと、急いでトイレを脱出したのだが、その頃にはもう歩くどころか立っていられない状態に。そのまま廊下に倒れ込み、とにかく気を失うわけにはいかんと必死に深呼吸していたことを覚えている。


・原因は身体を守るための生理的反応

その時は自分になにが起きたのかサッパリわからなかった。腹が痛い辛さよりも、今までに経験したことの無い症状が現れたことがとにかく怖かったな。コロナで身体がおかしくなってしまったのかもと本気で思ったし……。

ただ、調べてみるとこのような一連の症状は健康な人でも十分起こり得ることみたい。


失神しかけた原因は「血管迷走神経反射」日本救急医学会のHPから引用すると、ストレス、強い疼痛、排泄、腹部内臓疾患などによる刺激が迷走神経求心枝を介して、脳幹血管運動中枢を刺激し、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生理的反応……とのこと。

ちょっとわかりにくいが、要は、腹痛やいきみで身体に負荷がかかったせいで自律神経のバランスが崩れ、血圧や脈拍が急に下がり脳貧血状態になった、ということみたい。コロナ療養中で疲弊していたのもおそらく関係があったんだろうな。

よく、注射の時に気分が悪くなる人や、朝礼時にフラついて倒れる人がいるが、これも「血管迷走神経反射」が原因の1つなんだって。立ちっぱなしの姿勢や疲れ、睡眠不足、緊張や精神的ストレスなども、自律神経が乱れるトリガーになり得るのだそう。

視界が狭まってきた際「やばい」って思って廊下に倒れ込んだんだけど、これは正解の行動だったっぽい。というのも、失神自体というより、倒れた時に打ちどころが悪いと危ない場合が多いから。

迷走神経「反射」というだけあって、自分の意思じゃどうにもならないからね。トイレ中になにかが変だと感じたら、しゃがむなり横になるなりする。その知識が頭の片隅にあるだけでも、転倒して怪我をするという二次被害は防げるだろう。

ほんと誰にでも起こり得ることみたいなので、体調不良や寝不足時の排便・排尿には、みなさま十分にご注意を……!


参考リンク:日本救急医学会厚生労働省
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了