お盆直前、東京駅に行ったら死ぬほど混んでいた。当たり前である。みんな帰省するのだから。タイミング的にはむしろ自然。そんなことは分かっちゃいる。だけど、実際に人ゴミを見ると気持ちが萎(な)えるというもの。
しかも、その状態でお土産を買おうとするとさらに萎える。もう、考えるだけで萎える。帰省する前から萎えまくり。あまりにも萎えに萎えて自分が心配になったので、私は東京駅の改札を飛び出した
もう、どうでもいい。お土産なんか買わなくていい。帰省自体どうでもいい。とにかく……飲むぞ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
人ゴミによって多大なストレスを感じた私は、人の少ない方を目指して適当に進んだ。八重洲北口側に行き、黒塀横丁のあたりを歩く。時間帯にもよるだろうが、駅構内に比べるとまだ人は少ない。
そのとき、私は見つけたのだ。「札幌魚河岸 五十七番寿し」なる寿司屋を。
なんだここ? 東京駅にこんな店あったっけ? ググると、2023年8月4日に東京駅に登場したお店であることが分かった。なんでも新千歳空港にある店が東京駅に2号店を出した形で、新千歳空港の店舗は行列の絶えない人気店なのだとか。
これは気になる。というわけで入店したのだが、入ることを決めた理由はもう1つある。それが……
生ビール1杯無料〜〜〜!!
8月18日までの期間限定で、「1人1品以上の注文」という条件が付けられているが、それでも丸々1杯が無料になるのは珍しい。それ系のサービスがあるとしたら、半額とかがほとんどだからな。
──という経緯があり、1人で乾杯。人ゴミに揉まれてダダ下がった自分のHPが回復していくのを感じる。
ある程度落ち着いたところで、注文タブレットを開いた。どれどれ。
本マグロの赤身が500円、中トロが650円、大トロが950円、ヒラメが500円で、アジが300円、甘エビが500円……という価格帯。また、鮭児(3500円)やほっけ(450円)、ぶどうエビ(7000円)といった珍しいネタも。なお、どれも1貫の値段である。
入店したときから分かってはいたが、スシローやハマ寿司と比べるとかなりお高い。銀座の寿司よりはリーズナブルだろうが、店の雰囲気としてはそっち寄りな気がする。
個人的には気安く注文できない価格帯だ。しかし、無料ビールの条件に「1人1品以上の注文」とあるので、とりあえず中トロを注文。
もう、見るからに美しい。食べなくても美味いと分かるが、口に運ぶと……
帰省しようとか旅行しようという気持ちが完全に失せてしまった。こんなに美味い寿司を東京駅で食えたら地方へ行く意味ないだろ! と思わずにはいられないのだ。
でも、もしかして、もしかして……ウニはイマイチだったりして。ウニがもしイマイチだったら、地方へ行く意味が……
生まれねぇえ!
メチャクチャうめえ!!
待て待て! では、にしん(手前)&ほっけ(奥)がイマイチって可能性も……
全然ねぇぇぇええええええ!
どっちもメチャクチャうめぇぇぇええええ!!!!
──そんなわけで、私はお土産を買わず、もう1度JRの改札を通って中央線に乗った。お盆の帰省は止めだ。オカンには「秋か冬に帰る」とLINEしよう。その文面を考えるために、もう1軒どこかに寄るとするか。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 札幌魚河岸 五十七番寿し
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅八重洲北口改札外 グランスタ八重北 黒塀横丁B1F
時間 11:00~23:00
参考リンク:グランスタ「札幌魚河岸 五十七番寿し」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.