私は漫画『あしたのジョー』の大ファンで、これまで多くの人に「いかにジョーの生き様が素晴らしいか」を説いてきた。しかしながら最近キックボクシングを始めたところ、「いかに自分がジョーのことを何も分かっていなかったか」を痛感した次第なのである。
私が単に “パンチ” と思っていた動作ひとつもストレート、ジャブ、アッパーなど様々な種類があり、そのへんの事情を知って初めて、ジョーの本当のスゴさが分かるのだ。ジョー・ファンなら今すぐボクシングを始めること! それはそうと……
ボクシングを始めてみてもう1つ、とんでもない事実を知ったのでお知らせしたい。
・「シュッシュ」の気恥ずかしさ
私が麹町のキックボクシングジム『Personal Kick Studio N』へ通っている件についてはダイエット企画の記事をご覧いただくとして、ジムへ行くたび担当トレーナーのリナさんに注意されていたことがある。それは……
リナさん「亀沢さん! また息が止まっていますよ!!!」
運動嫌いの身としては信じられない話なのだが、私は運動に集中するあまり “呼吸することを忘れがち” なのだという。呼吸をしなければ当然酸欠になる。運動中の酸欠は超危険だ。
リナさんいわく、この場合、重要なのは息を吸うことではなく吐くこと。しっかり吐きさえしておけば、人は自然と息を吸うものらしい。また息を吐く時に腹筋が使われ、パンチやキックの際に力が入りやすいのだそうな。吐くことを意識しながら運動する……やってみると結構大変だ。
リナさん「亀沢さん! パンチのたびに『シュッ』って言ってみてください!!!」
多くの読者は、ボクサーがパンチを繰り出す際に「シュッシュッ」と掛け声を発するシーンを見たことがあるだろう。プロボクサーなら「自然と出ちゃうのかな?」と思うが、素人がシュッシュ言っていた場合は「カッコつけてんなぁ」と思う。
リナさんはそのシュッシュを、今月ボクシングを始めたばかりの私にやれと言うのだ……ちょっと、かなり恥ずかしいんスけど!?
リナさん「亀沢さん! その『シュッ』で息を吐くんですよ!」
・えっ!?
なんとリナさんいわく、ボクサーたちは “息を吐くためにあえてシュッシュ言っている” らしい!!! 本当だろうか!?
当サイトの羽鳥編集長(アマチュアキックボクサーとして活躍中)に意見を求めたところ……
羽鳥「その話は本当だよ! 私も最初は『シュッシュッ』だったんだけど、今じゃ『シッシッ』って言ってるよ〜!」
(おもむろに立ち上がるウチの編集長)
羽鳥「シッ! シッ!」
羽鳥「シィィィイイイイッ!!!!!」
羽鳥さんいわく、ボクサー仲間の中には「マーン」「ペンゴ」などといった独特すぎる発声をする人もおり、完全に我流の領域らしい。そのクラスになると呼吸法が身についているため声を出す必要はないっちゃないが、要するに気合いの現れなのである。
なお隠れボクシング経験者のサンジュン記者も「シュッシュ言っていた」と証言。以上のことから、経験の有無に関わらず、ボクサーは別にカッコつけて「シュッシュッ」と言っているワケではないことが明らかになったのだった。
みんなも今後シュッシュ言っているボクサーを見かけたら「ちゃんと息吐いててイイね!」って声をかけてあげよう!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 Personal Kick Studio N
住所 東京都千代田区麹町3-3-23 麹町プリンス通りビル6F
時間 9:00〜23:00
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.