ロケットニュース24

【泣いた】地下アイドルに作詞提供したらZeppでワンマンするまで上り詰めた話

2023年7月6日

Zeppと言えばバンドマンの憧れの地の1つだ。約20年売れないバンドマンを続けている私(中澤)もご多分に漏れず、Zeppでライブができたら1つの夢が叶ったと言えるだろう

以前、音楽好きな人と話した際、「Zeppは狭い」と言われて価値観の違いに衝撃を受けたことがあった。一般レベルで言うと、「売れてる」というのはもっと上の段階なのだろうが、個人的にはZeppでやる時点でもう売れてると思う。

なんと、私が作詞提供した地下アイドルが、そんなZeppで一周年記念ワンマンを開催するらしい。Zeppなんて大丈夫か? 売れないバンドマン目線で言うと埋まらないとキツイという不安が勝つハコでもある。そこで観に行ってみたら……泣いた。

・GILTY×GILTY

その地下アイドルの名前は GILTY×GILTY(略称:ギルギル)。蒼井叶(あおいかなう)、白雪姫乃(しらゆきひめの)、白空こあい(はくうこあい)、恋星はるか(このせはるか)、心花りり(このかりり)の5人からなるグループである。なぜ、作詞提供することになったかが気になる人は、1年前のデビューライブの記事で触れているのでご確認いただけると幸いだ。

あの時は渋谷の Spotify O-EAST で、それですら私にとっては夢のまた夢だったのだが、一周年記念ワンマン『JUDGMENT X』の会場である Zepp DiverCity はキャパが約2倍。売れないバンドマン的には、ライブハウスからコツコツやってたどり着けるサイズに思えないのが本音である。どうやったらあんなところでできるの?



・1年でZepp DiverCityへ

確かに、この1年ライブは重ねていた。また、私の女装企画の際にラフォーレ原宿でたまたま見かけたのだが、ブランド「Amilige (アミリージュ)」とコラボするなどの活動もしていた様子。何を隠そう、星子がアミリージュを着ているのはギルギルとコラボしていたことが決め手になったのである。先日はお世話になりました☆彡

そんなどうでも良い情報はさて置き、本日は1つの結果が出る日と言えるだろう。もし、出るのが私だったら1カ月くらい眠れないに違いない。しかし、会場の Zepp DiverCity に着いてみると……

行列! 1年前より明らかに大きくなった入場待機列。活動を続ければファンが増えるというわけじゃないことは20年売れないバンドマンの私が一番よく分かっている。ゆえに、この入場待機列には地下から上がってきたオーラのようなものを感じた。

・始まってみるまで分からないのがライブ

中に入ると、入口のところに各メンバーのウォールバナーが。本当にZeppでやるんだなあ。だが、始まってみるまでは分からないのもまたライブである。はたして、Zeppは埋まるのか

余談だが、Zeppの関係者席に入るのは初めてだ。普通のライブハウスのゲストと違って、売れないバンドマンにはなかなか縁のない場所なのである。そういう慣れなさも相まって2階の関係者席でそわそわしながら待っていると、10分押しくらいでライブがスタートした。


よし! 入ってる!!


盛り上がってるゥゥゥウウウ!!



・スティグマ

ギルギルは基本的にギターが歪んでいて重低音が響く音楽。そんな曲に乗る歌詞には、可愛さと激情の2面性がある。私が書いた『スティグマ』は激情に分類できるもので、今回は本編ラスト前の配置であった。

そんな『スティグマ』には、2番のAメロの頭に「心臓を刺すように深く繋がって欲しい」という歌詞があるのだが、ここの振り付けは、白空こあいちゃんが白雪姫乃ちゃんに刺されるというもの。リズムではなく歌詞の内容からの振りが演劇チックになる部分である。

通常はリズムに合わせて進んでいくため、ここだけこうなっているのはそれだけ強い歌詞だったということなのかもしれない。おかげで、振り付けもこの曲独自のものになっていて改めて見ても感動した。デビューライブの時は、自分の歌詞を他の人がO-EASTのステージで歌ってくれていることに気持ちがいっぱいでそこまで気づかなかったのだが。


曲や振りは変わらずとも違う感動が確かにある。思いがけず、追い続けることのだいご味を感じた。

・最後ににじんだ歩み

だが、最も印象に残ったのはライブ締めのMCだった。全員が色んなアイドルグループを経て集まっているギルギル。Zeppのステージに立つのが目標の1つだったという心花りりさんの「8~9年アイドルをやり続けて来てやっとここに立てた」という言葉は重みがあった。


1年同じメンバーで続かないことも多いという地下アイドルの世界。イベントの成功に泣くギルギルメンバーの姿にはこれまでの歩みがにじんでいるように見えたのだった。


数字がものを言う現代。地下アイドルはその最前線と言える。真っただ中を生きる彼女たちはどんな場所にたどり着くのか。彼女たちだけの答えを見つけられることを願わずにはいられない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼20も下の子たちがこんなに頑張ってんのに俺ときたらよお……

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