ホリエモンこと、堀江貴文さん発案のベーカリー「小麦の奴隷」をご存じの人は多いと思う。ザクザク食感のカレーパンが有名だ。では、YouTuberのラファエルさんがカレーパン屋をプロデュースしているのはご存じだろうか?

そういう私(佐藤)も知らなかったのだが、実のところホリエモンのカレーパンも食べたことがない。そこで! 2つのカレーパンを食べ比べて、どっちがウマいのかをたしかめることにした。当編集部メンバー9人が比較し、厳正に審査した結果、勝ったのはどっちだ!?

・奴隷と禁断症状

「小麦の奴隷」は2020年に北海道に1号店が誕生したベーカリーである。株式会社こむぎが運営しており、フランチャイズ開始から2年で全国100店舗を達成したそうである。今回は自由が丘店に買いに行った。


このお店はベーカリー & ラボで、カレーパン以外の商品も充実しており、イートインも可能だ。ショーケースにはカレーパンがズラリと並んでいる。


一方、ラファエルさんのお店はカレーパン専門店「小麦の禁断症状」という。麻布十番に本店があり、ほかにも全国に7店舗を展開している。その本店にやってきた。


イチ押し商品は賞味期限30分の「もちもちチーズのカレーパン」だったが、持ち帰り時間を考慮すると、どうしても30分をオーバーしてしまう。そこで、定番の「禁断のカレーパン」を購入して帰った。



・それぞれの価格

それぞれ5個ずつ購入している。あらためて商品について詳しくお伝えしよう。


まずは奴隷の方から。商品の正式名称は「ザックザクカレーパン」、1個税込290円だ。


袋には温め方が記載されていて、持ち帰る間に冷めてしまっても温め直して美味しく食べることができる。


禁断症状のカレーパンは1個税込300円。袋は口が閉じないタイプで、こちらには温め方は記されていなかった。


・カレーパンそのもの

カレーパンそのものを見てみよう。奴隷は表面にクルトン状のダイスカットしたパンが散りばめられている。


禁断症状はオーソドックスな形状で、外見に特徴はないかな。


2つを並べてみると、サイズは奴隷の方がデカい


断面を並べてみると、奴隷はカレーが偏って入っているのに対して、禁断症状は均等に入っているのがわかる。



・9人のジャッジの判定は!?

さて、ここからが本題だ。2つのカレーパンを編集部の9人で食べ比べて、それぞれが好きな方を挙げてもらい、その理由も教えてもらった、

投票形式でジャッジ! 勝者はどっちだ!? なお、わかりやすいように奴隷を「ホリエモン」、禁断症状を「ラファエル」として投票してもらっている。


■ジャッジあひるねこ:ラファエル

「最初はホリエモンカレーパンの超強烈なザクザク食感に惹かれたが、食べているうちに「これカレーいらなくね?」となった。カレーパンである必然性をあまり感じないというか。

一方のラファエルカレーパンは、全体的な仕上がりは割と普通なんだけど、カレーへのこだわりはホリエモンよりも強い気がする。どちらもおいしいが、カレーパンとしてどっちが好きかと言われたらこっちかな」


■ジャッジ羽鳥:ホリエモン

これはブッチギリでホリエモン。まるでオフロード用のタイヤのように、ゴツゴツと「クルトン」みたいなのが付いているカレーパン……このバリバリ食感は初体験かつ面白い!

正直、その感触と楽しさに全神経を持って行かれて、中のカレーがどんな味だったのかは忘れてしまったところもあるが、それでいいんだよ、カレーパンは。

一方ラファエルのカレーパンは、ホリエモンみたいな「鎧(よろい)」が無いので、すぐにカレーの味が口の中に入ってくる。

なので「そこそこウマイ……」と感じるが、正直、このくらいのカレーパンは、そのへんのパン屋さんでも食べられると思う。なんならセブンイレブンでも食べられる。むしろ「揚げたて」みたいなのが出てくるぞ、セブンは。

まとめとして、「良い体験をした」という観点からなら断然ホリエモンのカレーパン。思い出に残るのもホリエモンのカレーパン。話のネタになるのもホリエモンのカレーパン。こういうの、私、好きです」


■ジャッジあんすず:ホリエモン

小麦の奴隷の方が総評で “僅差で” おいしかった! でも厳しい目で言えばザクザクの食感は好きだったのですが、カレーはあんまり好みじゃなかったです。

小麦の禁断症状の方がカレーは好みだったけど、なんだか油っぽくて苦手でした。外は小麦の奴隷、中は小麦の禁断症状だったら良かったな? と思います。」


■ジャッジ和才:ラファエル

「皮の部分は『小麦の奴隷』の方が美味しいと感じた。一方、中身のカレー部分は『小麦の禁断症状』の方が好み。系統が違うので美味しい方を決めるのは難しいけれど、どっちかと言われたら『小麦の禁断症状』かな。

理由としては、『小麦の奴隷』は皮の存在感が大きすぎたから。皮と中身のマリアージュという面を考えて、『小麦の禁断症状』に1票



■ジャッジサンジュン:ホリエモン

「どちらも店名に「小麦」が入る割には、そこまで小麦を感じなかった。まあカレーパンってそういう料理だから仕方ないと言えばそうなんだけど。

で、カレーパンとしては両方とも美味しい。総合的に大差はない。迷ったけど俺はガリガリを評価してホリエモンの方かな? 

時間が経ったときラファエルの方は「どんなカレーパンだったっけ?」って思い出せなそうだけど、ホリエモンの方は「あのガリガリしてるヤツ」って覚えてそうだから」


■ジャッジ御花畑:ラファエル

「カレー好きとして、カレーの美味しさでジャッジしました。迷ったんですけどカレーが美味しかったのはラファエルですかねえ。個人的にカレーパンの良さって、パン生地とカレーの甘みだと思うんですよ。それがしっかりしてたのはラファエルですかね。

ホリエモンの方の外側のカリカリしたクルトンは、さすがいち時代を築いただけあって、イノベーティブだと思いました。ヒキを作るのが美味いですよね。中のカレー味が薄いのとパン生地が無味だったのがなあ。

ただ、どっちもわざわざ買いに行くほど、特筆して美味しくもないんでリピーターはつかなさそう。本人たちも長く続ける気がなさそうなので、インフルエンサーグルメって感じ。コロッケのコロッケ屋を見習ってほしいですね」


■ジャッジYOSHIO:ホリエモン

ラファエルのカレーパンは普通に美味しい街のカレーパンって感じ。一方、ホリエモンの方は、ゴツゴツサクサクで食感が良く香ばしい。なので、ホリエモンカレーパンに1票。

1つホリエモンカレーパンで気になったのは、ゴツゴツ部分が油を多く吸っているので脂っこいこと。その点が改良できればさらに美味しくなると思う!」


■ジャッジ中澤:ラファエル

「ホリエモンの方は、外側についてるゴツゴツがラスクみたいで食感としては面白いけど、それゆえに揚げパン感が強すぎてカレーに勝ちすぎてる。一方で、ラファエルの方はカレーがちゃんとウマイなあって印象が残った。でも、ホリエモンの方も「小麦の奴隷」って名前には納得できるから、好みかなあと思います」


■ジャッジ佐藤:ホリエモン

「食感のインパクトは間違いなく奴隷の方にある。中身の印象はザクザク食感のせいで薄れてはいるけど、それでも総体として「カレーパンを食った」という体験はしっかりと記憶に刻まれる。しかも、オリジナリティが高い点も評価したい。

カレーパンはパン屋の定番であり、どこにでもある普通の商品だ。クルトンをあしらうって、 “強い食感” を演出することで新しい価値を付与しているところが良いと思う。その点、禁断症状はカレーはたしかに美味しいんだけど、ヨソのカレーパンとの差別化ができていない気がする。禁断症状のカレーパンでなければいけない理由が乏しいことから、奴隷を評価した」


ということで、判定は……


5 対 4でホリエモン(小麦の奴隷)の勝利!


小麦の奴隷のストロングポイントである、ザクザク食感をどう捉えるかが判定の分かれ目だった。好意的に捉えた声がある一方で、カレーそのものの存在意義が揺らいでいると指摘する意見もうなづける。カレー自体は禁断症状の方が好評だった点を踏まえると、どちらが勝ってもおかしくない戦いだったと言えるだろう。



ということで、カレーパン好きにはぜひとも試して頂きたい食べ比べだ。あなたはどちらを評価するだろうか?


・今回訪問した店舗の情報

店名 小麦の奴隷 ベーカリー & ラボ
住所 東京都目黒区緑が丘2-7-9
時間 10:00~18:00(売り切れ次第閉店)
定休日 月曜・火曜

店名 小麦の禁断症状 本店
住所 東京都港区麻布十番1丁目7-9 酒井ビル1F
時間 10:00~20:00(売り切れ次第閉店)
定休日 不定休

参考リンク:小麦の奴隷小麦の禁断症状
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24