イタリアンの外食チェーンといえば、真っ先に思い浮かぶのは「サイゼリヤ」だろう。全国に1000店舗以上(2022年8月)展開しており業界トップに君臨している。その一方で、今回紹介するジョリーパスタは全国約300店舗(2022年3月)で、サイゼの約3分の1の出店数。明らかに引けをとっている……。
でも! がんばってる。ジョリーだってがんばってるんだ。その証に、デザート盛り合わせの「プレミアムドルチェミスト」を見てくれよ。5品も乗っかって税別690円だぞ! 5品で1000円以下は結構がんばってるだろ? なあ?
・知られざる優れたメニュー
ジョリーパスタは1983年、東京・世田谷に1号店をオープンしている。山口県発祥の「株式会社サンデーサン」の創業だが、現在は「ゼンショーホールディングス」の完全子会社(株式会社ジョリーパスタ)となっている。
今年で誕生から40周年の老舗ファミレスである。今回私(佐藤)が訪ねたのは東京・北区の十条店だ。ちなみに都内にも22店舗あるのだが、渋谷や新宿などの都心部にはないので人によっては存在感が薄いかも。
「パスタ専門店」を掲げて、茹で上げスパゲッティーと手作りピッツァを売りにしているので、主力商品はもちろんスパゲッティーとピッツァ。ランチの日替わりパスタは税別690円。
ピッツァの中でももっともシンプルなマルゲリータも税別690円。
ライバルのサイゼはペペロンチーノ税込300円、ピッツァマルゲリータ税込400円である。安さだけを比べれば、圧倒的にサイゼが強い。太刀打ちできない安さですよ。さすがサイゼというべきか……。だが、ドルチェならいい勝負。いや、もしかしてジョリーの方が上かも。
たとえばプリンはサイゼが税込250円に対して、ジョリーは税別260円。いい勝負してる! 見た目だけならジョリーの方が美味しそうな気がする……。
私が推したいのはドルチェの盛り合わせ「ミスト」である。3種のミストの中で高いコストパフォーマンスを実現しているのが、5種盛り合わせの「プレミアムドルチェミスト」(税別690円)だ。
ティラミス・パンナコッタ・イタリアンプリン・ジェラート(バニラ)・アモーレポレンタ(とうもろこし粉のパウンドケーキ)の5つが乗った盛り合わせ。
さすがのサイゼでも5品の盛り合わせドルチェはない。仮に5つの品を組み合わせても、690円は超えてしまうのである。そう考えると、このメニューがいかに優れているかご理解頂けるだろう。
とりわけ評価したいのはティラミスとプリン。まずティラミスは、口当たりなめらかでスポンジ生地に香りづけで洋酒を含ませている。小さなひと工夫ではあるが、これによってリッチな味わいを演出している。
そしてプリンはピスタチオプリンに変更が可能だ。無料で! 無料で替えられるなんて親切ね~。
表面固めで食感は柔らか、強いていえば「ムッチリ」とした濃い舌触りである。固めプリンが好きな人ならきっと満足のいく食べ応えだろう。残念ながら、私は固めが好みではないのだが……。
サイゼリヤをはじめ、洋麺屋五右衛門やカプリチョーザ、鎌倉パスタなど、パスタチェーンにはライバルが多い。しかし、ジョリーは値段と味のバランスを上手くとっているチェーンの1つなので、もっと評価されていいと思う。がんばれ、ジョリーパスタ!
・今回訪問した店舗の情報
店名 ジョリーパスタ 十条店
住所 東京都北区上十条2-13-1
時間 11:00~24:00(L.O.23:30)
参考リンク:ジョリーパスタ[1,2]、サイゼリヤ[1,2]
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24