ロケットニュース24

【ドン引き】引っ越し費用の見積もり中に「土下座」をされて困った話 / 何を言っても帰ってくれなくて最終的に…

2023年4月2日

タイトルを見た読者の90%くらいは「は?」となっているかと思う。無理もない。まぁ、その光景を生で見た私は「はぁぁぁああ????」ってくらいドン引きしてしまったのだが、世の中にはまだ土下座で案件を取ってくるような営業姿勢を良しとする人たちがごく一部いるのだ。

だからこそ、このような営業はなくならない。マジでいい加減にしてくれ……という気持ちを抑え切れなくなったので、私は今この記事を書いている。

・土下座発動まで

起こったことについて、もう少し詳しく説明していこう。あれは今から数ヶ月前、某社に引っ越しの見積もりをお願いしたときのこと。我が家にやってきた担当者がはじき出した費用は、他社よりも結構お高めだった。

当然ながら私は「もう少し安くなりませんか?」と聞いてみる。それに対して相手は「頑張ってこれくらいですかね」的な返答で交渉スタート……ってのが引っ越し費用見積もりの常(つね)。

しかしながら、彼は他社の担当者と比べて明らかに雰囲気が違った。交渉するというよりも、「死ぬほど頑張って金額を下げてもこれくらいなんです! 分かってください!!」と私に必死に伝えようとしている感じ。

なお、その担当者はおそらく20代前半くらい。スーツをバッチリ着ており、肩パッド5枚ほど入れてんのかってくらい肩に力が入っていた

ただ残念ながら、それほど気合いの入った担当者が出してくれた金額よりも安い価格を提示してくれた会社がすでにある。そもそも、見積もりをお願いしている会社はまだ他にもあるので、私としては「お願いします」と言えない

よって、私はその担当者に「検討させてもらって、御社にお願いする場合はまた改めてご連絡しますね」と伝えた。すると、「わかりました〜では失礼します〜」となるものだと思っていたら……! ここで土下座発動である。


全く予想していなかった光景に私はあっけにとられたが、それ以上に彼の口から出た言葉に愕然とした。


「ここでサインしてもらえないと、僕会社に帰れないんです! どうか僕を助けてください!!」


……えええええ! 今どきそんなことある? もし言ってることが本当なら同情するけど、正直「怖っ」って気持ちの方が勝ってるかも

だって、土下座なんてされたら普通は引くやん。なのに、この担当者は「引く」ってことが想像できないから土下座しているわけで、その事実にもっと引くやん。もう「引く」の連鎖でドン引きやん。

……という気持ちになった私は「絶対この会社にだけはお願いしないでおこう」と固く誓ったのだが、問題はフローリングに額をONしている肩パッド5枚男をどうするか。なんか、テコでも動かない空気が出てるんですけど。

試しに「引っ越しをお願いする場合は後日連絡するので、今日はお引き取りいただいてもいいですか」と言ってみると……


「良いお返事がいただけるまで、僕は帰れないです」


──いや、帰れや! ここ俺の家じゃ!! と内心キレると同時に、「強引に居座って契約を取ろう」とする相手の作戦がバレバレで、私の中でドン引き具合がさらに進行した。

色々と彼に言葉をかけた挙げ句、結局どうしたかというと「帰ってくれないと警察呼びますよ」。そのひと言で肩パッド5枚男はのっそりと立ち上がり、今にも泣きそうな顔で革靴を履き始めた。

私は玄関のドアを開けて無言で外へ誘導。なんと声をかけていいか分からなかったので、去り際に小声で「じゃあ」と言った。そのままドアをバタン。あと味、最悪である。



ちなみに、私は引っ越しの見積もりを10社近くにお願いしたが、土下座のような謎展開になったのはそこだけ。残りの会社はいたって普通に終わった。

なので土下座なんてことをするのはごく一部の人だと思うのだが、それだけに実際に目にしたらインパクトは強烈。圧に押されて、サインしちゃう人だって中にはいるかもしれない。

しかしながら、私のようにドン引きした挙げ句、「こんなことするような(させるような)会社には絶対お願いしない」と思う人だっているはずだ。

そもそも、土下座をされて嬉しいと思う人なんてほぼいない。よっっっっっっっっっぽど嫌いな相手なら話は別かもだが。

とにかく、土下座はどう考えても割に合わないギャンブルだと思うので、これを仕事の武器だと考えている人、あるいは部下に強いている人は今すぐ止めていただきたい。マジで誰も得しないから。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

モバイルバージョンを終了