ロケットニュース24

【極寒レビュー】ワークマンの空気を着る防寒着『エアロポンプウォームブルゾン』は氷点下でも役立つのか? 冬の北海道で試してみた結果…

2023年2月1日

ワークマンの “空気を着る” 防寒着『AERO(エアロ)ポンプウォーム』シリーズ以前の記事でもご紹介した通り、風船のように空気を入れて断熱するという画期的&究極のエコアイテムだ。

砂子間記者からは「暖かい」と好評だったが、疑い深い筆者が気になるのは「一体どれぐらいの気温まで使えるの?」ということ。例えば、極寒で有名な冬の北海道では?

──気になったら即実験。氷点下10度、すべてが凍る帯広市へ持ち込んでみたぞ!

・エアロポンプウォームブルゾン

今回筆者が購入したのはエアロポンプウォームブルゾン(税込3900円)。フードがついている長袖タイプで、税込2900円だったベストよりも1000円高い値段設定だ。

空気がみっちり入ると苦しくなると聞いているので、ワンサイズ大きめのLサイズをゲットしておいた。


親切なことに、空気入れ用のポンプが付属している。ポケットの中にあるホースに接続して……


「シュコシュコシュコシュコ」


あっという間にみっちり空気が入り、準備は完了!

体形を気にするアラサー女性的には、体が土管のようにまっすぐ太く見えるのがネックかもしれない。逆に言えば、多少太ってもバレにくいとも言えるのだが。

しかし防寒着とは思えないほどに軽く、お腹と背中を中心に暖かい空気の層を実感できたのでヨシとしよう! いよいよ外へ出かけてみるぞぉ~!!!!


・氷点下10度で着た結果…

筆者が実験に訪れたのは、1月初旬の帯広市だ。この夜の気温は氷点下10度。

どれぐらい過酷な気温かっていうと、カチカチに固まった雪の中で自転車が春の訪れを待っていたほど。

吐いた息が白いとか鼻がツーンとするとか、そんなレベルじゃない。

歩道の上は質の悪いガタガタのスケートリンクだし、素手では指の全関節が痛くてちぎれそう。17万人もの人が暮らしているのが不思議なぐらいとんでもなく寒いや!

ここまで厳しい環境の中で、たかだか空気を入れただけの服が通用するのか? 不安な気持ちで一歩外に出ると……


「意外とあったかい!」

さすがにポカポカとはいかないが、快適と言って差し支えないかもしれない。お腹と背中はもちろん、首元のあたりまでふっくらして守られている実感があるのは、他の上着にはなかった新・感・覚。

防御力の高さとは正反対に、まさに空気のような軽さで動きやすい。身軽に行動できちゃう!


ルンルンの気分で踏み出した、その時だった。


繁華街にはビル風がつきもの。ビュワーっと突然の強風に襲われたのだ。

「無理無理無理!!!!」


なにが寒いって、腕である。胴体はたっぷり詰まった空気が包み込んでくれているのに、腕はほぼノーガード

薄手のフリース1枚だけなのだから、寒くないハズがないのである。

せめて二の腕ぐらいまではエアが入ればうれしかったのに。でも、そうすると腕が動かしにくくなっちゃうのかな。うぅーん……。


そんなわけでわずか1分ほどで撃沈し、ホテルの部屋から極寒仕様のアウターを持って降りたのであった。

ちなみに、ミドルウェアのダウンジャケット代わりに使うと効果はバツグン。

ただしチャックが閉まりにくかったので、上からアウターを着る場合は空気を少なめにした方がよいだろう。


・意外な使いどころを発見

今回の敗因はシンプルに気温が低すぎたということに尽きる。

その証拠に、自宅へ帰ったあと気温7度前後の中で着用した時は超余裕。屋外で快適に作業ができたことをお伝えしておきたい。

なお 風船のように膨らむということは、防水性能があるということ。高圧洗浄機の水しぶきがかかっても身体が濡れることはなかった(スペック的には防水ではないため、筆者の個人的な感想です)。


そして、防風性能もあるのでは? と試しに5分ほどバイクに乗ってみたところ、これまた快適。

長時間のツーリングとなればキツいことが予想されるが、ちょい乗りぐらいであれば問題なくこなしてくれるだろう。屋外活動におけるワークマン製品の優秀さは間違いないぜ!

ただし、透湿性能が一切ない点には注意が必要だ。登山やランニングなど、スポーツシーンにおいては避けた方が無難かな。

参考リンク:AERO(エアロ)ポンプウォームブルゾン
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了