東京・世田谷で「世田谷ボロ市」が2022年12月15・16日の2日間にわたって開催されている。代官屋敷を中心とした通りに露店が立ち並び、毎年20万人もの人出でにぎわうこの催しは、2019年以来3年ぶりの開催となった

久しぶりに会場周辺に足を運んでみると、昼から大賑わい。名物代官餅には長蛇の列ができており、その様子から以前のボロ市がかえってきたことを実感した。

・漫画肉ハンバーグ

露店が立ち並ぶのは、世田谷1丁目の「ボロ市通り」とその周辺。東急世田谷線の世田谷駅と上町駅との通りに、ズラーっとお店が並んでいるのだ。


ボロ市の歴史は古く、その始まりは安土桃山時代にまでさかのぼるそうだ。小田原城の城主、北条氏政が世田谷に楽市を開いたのが始まりとされており、今年で445年になるという。実に4世紀にもわたってその歴史は受け継がれている。

着物や骨董品などの出店から、その歴史の一端を感じとることができる。そのほか古着や手芸品、工芸品、レトロ雑貨などのお店が多いのも、この市の特徴だろう。


着物や骨董を見ても、私(佐藤)はその良し悪しが全然わからない。しかし見る分にはとても興味深い。外国人観光客なら土産物を大量に買い込むのかもしれないな。でもあまり外国人の姿はなかった。

そんな私の目に留まったのは、ブラジリアンシュラスコの店だ。ここのお店で売っている「漫画肉ハンバーグ」(税込300円)が食べてみたい!


これがその商品。たしかにアノ漫画肉を彷彿(ほうふつ)させる形状をしている。


青空のもとで食うハンバーグはウメエな!! 晴れててよかったよ。



・何を買いそうになってしまう

そのほかに面白そうなものを求めて、通りを行ったり来たりしていたのだが、とにかく品数がすごくて何を買って良いのかわからない。しかし、祭りのような高揚感にあてられて、思わず何かを買いそうになってしまう。たとえば、激安1980円の曲げわっぱとか。


1個税込300円のラッキーボックスとか。ちなみに大当たりは「ポータブルDVDプレイヤー」「マッサージシート」「水素水生成器」なのだとか。当たりが出るまでやってやろうか? とも思ったけど、DVDプレイヤーが当たっても再生するソフトがないことに気づき、踏みとどまった。今は配信で作品を見られるしね。

ところで水素水生成器ってなんだろう……


いろいろ見てまわった末に購入したのは、革製のショルダーバッグ(税込6000円)。ベルトループがあるのでウエストポーチとしても使える。


それから、その場で作ってくれるワイヤーブローチ(税込700円)だ。英典の「Hide」を形にしてもらったぞ!



・10年前の取材を思い出して

あちこち歩きまわっていたところ、ふと10年前にもボロ市を取材していたことを思い出した。たしか壊れたアコースティックギターをドールハウスにリメイクする方がいらっしゃったはず。そうだ、山本ピアノサービスというお店だった。


取材当時(2012年)、山本さんは店内にリメイクしたギターを飾っていた。


すでに私のことは忘れてしまっているかもしれないな。お元気なら挨拶だけでもと思い、お店の前にたどり着くと、営業している様子はなかった。


3年ぶりのボロ市だから開けていらっしゃると思ったんだけど、お会いできなくて残念だ。そういえばあの当時、制作風景も見せて頂いたんだった。

山本さんのドールハウスへのこだわりは並大抵ではなかった。ハウスの小さなスツールにトカゲの革を貼ったり、小さなテーブルに大理石を用いたり。元々手先が器用で、高校生の時にミニチュアのアップライトピアノを作っていたほどだ。完全に趣味の領域を超えて、ドールハウス職人の域に達していた。


ちなみボロ市は2023年1月15・16日も開催予定だ。今回逃した人は、来年訪ねてみてほしい。私は再び山本さんを訪ねてみたいと思う。


・世田谷ボロ市

日程 2022年12月15・16日、2023年1月15・16日
時間 9:00~18:00
場所 東京都世田谷区世田谷1丁目「ボロ市通り」とその周辺

参考リンク:世田谷区
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24