ワールドカップ一色だったタイムラインも平静を取り戻しつつある。中には、「ワールドカップまだやってたの?」という人もいるのではないだろうか。
しかしながら、むしろ私(中澤)がワールドカップを見始めたのは日本代表が負けてからであった。正確には日本代表が負けた4日後の2022年12月9日からである。
・スペインリーグ「リーガエスパニョーラ」
まず、誤解のないように言っておくと、本記事には日本代表や日本代表の試合だけを見る人を批判するような意図は決してない。むしろ、好きなように楽しめばいいんじゃないかと思っていることを前提に読んで欲しい。
ちなみに、私はサッカーマニアでもない。高校の時、WOWOWでやってたから、趣味でリーガエスパニョーラを見ていた程度だ。では、私がなぜJリーグではなく、リーガエスパニョーラを見るようになったかと言うと、これが12月9日から見始めたことに直結している。
・リーガエスパニョーラを見ていた理由
当時、レアル・マドリードはサイドバックにロベルト・カルロスがいて、フォワードにラウールがいて、中盤にはフィーゴがいるという鬼みたいな布陣だった。さらには、モリエンテス、グティ、マケレレなどタレント揃いで、パス回しも個人技も異次元な瞬間の宝庫だった。
それこそ素人の私でも鳥肌が立つくらいに。天才たちがガチでぶつかった時に生まれる奇跡みたいな一瞬に、考えるより早く脳が痺れていたのである。
・ド素人ゆえに
結果、私にとってサッカーはそういう瞬間を見るためのものになった。勝ち負けはそこまで重要ではない。むしろ、どのチームかすらどうでも良い。それよりも、天才にしか見えない、難解なパズルが解けた時のようなスカッとした “道筋” を見たいのである。要するに、マンガやアニメみたいなものだ。
私の見方がこうなったのは何も知らないド素人ゆえだったと思う。ちなみに、当時はセリエAも見ていて、私が好きな選手はロベルト・カルロスとクラウディオ・ロペスであった。『キャプテン翼』みたいなシュート打つから。
会場に足を運ぶような熱狂的ファンだったなら、もっとそこから世界を広げただろう。しかし、なにせ私は体育でしかボールを蹴ったことがないド素人で運動神経もゼロだし、その上騒ぐのが好きじゃないので、それ以上は掘り下げなかった。
よって、サッカーの見方は今も同じ。応援するとかそういった概念がなく、ただ純粋にスーパープレイを楽しみたいのである。
・ベスト8のマンガ感
そんな私が心底見たいと思ったのがベスト8の顔ぶれが揃った時。モドリッチ率いるクロアチア、ネイマールのいるブラジル、メッシのアルゼンチンにクリスティアーノ・ロナウドのポルトガル。全員が最後のワールドカップと噂されている。この時点でマンガみたいなのだが……
さらには、次世代代表エムバぺがいるフランス、私がリーガエスパニョーラを見ていた当時バルセロナを率いていたファン・ハールが監督でコーチ陣にダービッツもいるオランダ、伝統のサッカー王国イングランド、極めつけはダークホース・モロッコ。こんなの見ずにいられますか。
・ベスト8の第1試合目
というわけで、日本代表が負けた4日後、12月9日に開催されたベスト8の第1試合目からジョインしたわけである。
ちなみに、1試合目は「ブラジル×クロアチア」戦だったのだが、これが今までの空白を埋めてお釣りが来る内容。まさかあそこから追いつくとは。クロアチアの同点ゴールは声が出たし、一方でブラジルもその名に恥じぬ素晴らしい瞬間がたくさんあった。
・今夜準決勝開始
そこから全試合見ているのだが、ベストを選ぶなら、上記の「ブラジル×クロアチア」か「フランス×イングランド」だろう。まさに、結果を知っていてもゾクゾクするのが「フランス×イングランド」戦だった。流れる水のごとく繋がる縦パスと切り裂く個人技の宝庫。今からでもいいからAbemaで見て欲しいくらいだ。
なお、今夜12月13日の28時には準決勝の第1戦「アルゼンチン×クロアチア」がキックオフする。メッシとモドリッチ。これまた最高の組み合わせである。面白くなってきやがった。日本戦以外も配信してくれているABEMAには感謝しかない。
参考リンク:ABEMA「FIFAワールドカップ2022」
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.