ジャンボ〜。ちょいちょいリクエストボックスに「ケニアでの一般的な結婚式の様子を教えてください」って質問が届いているんだ。たしかに、マサイ族の結婚式はマサイ族のルカがよくレポートしていたけれど、一般的なケニア人の結婚式については報じられていなかったね。
ということで、つい最近、知人が結婚式を挙げたんで情報共有しておくね。まぁ、ひとくちに「一般的」といっても様々だけど、あくまでも「ケニアにおける伝統的な結婚式」だと思って聞いてくれ。
・夫側が4ヶ月かけて準備する
まず「結婚式をあげよう(結婚しよう)」となったら、それぞれの両親へ挨拶しに行かなければならない。これは当然だよね。日本でも同じだと思う。そして、同意が得られたら、いざ結婚式の準備となる。
「ケニアの伝統的な結婚式」の準備にかかる期間は、だいたい4ヶ月くらいかな。というのも非常に多くのことをやる必要がある。また、多くの支援者を集める必要もある。ちなみに準備するのは「夫側」だけね。
夫や夫の家族、そして夫の友人たちは、皆で協力しながら以下のものを用意しなければならない。箇条書きで書くね。
・ヤギ 10頭
・牛 2頭
・とうもろこし 2袋
・豆 2袋
・ソーダ(ジュース) 10箱
・ビール 5箱
・砂糖 5キロ
・茶葉 2キロ
だいたいこんな感じだ。特にハードルが高いのが「ヤギ10頭牛2頭」だよね。これは本当に金がかかるから。
ちなみに、ヤギ10頭牛2頭の使い道だけども、まず結婚式でヤギ1頭は食べることになる。のこり9頭と、牛2頭は、妻の家族(両親)への贈り物となる。
で、結婚式で食べるヤギ1頭だけど、この料理も夫側が用意しなければならない。だいたい夫の友人たちも協力して1頭のヤギを調理する。これもまた伝統なのだ。
そして、メシを食って、あとは踊る。この「踊る」も、それぞれの両親のために踊るという意味合いが強い。「幸せになります」や「幸せになってください」みたいな気持ちで踊るんだ。新郎新婦以外にも、みんな踊る。
あ、そうそう、夫婦最初の共同作業としての「ケーキ入刀」もあるよ。え? 日本も同じことやるの!? それは面白いね。世界共通なのかね、ケーキ入刀。
でもまあ基本的にメシ食って踊ったら、結婚式は終了だ。これがケニアで最も一般的とされる伝統的な結婚式。決して簡単なことではないので、できる人もいれば、できない人も当然いる。オレはやったよ。何年か前にね。クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.