名は体を表すという言葉がある。名前を聞いた瞬間、なんとなく想像してしまう姿ってあるだろう。例えば、信州と言えば蕎麦だし、「信州そば」と聞けばなんとなく本格派かつ王道の日本そばをイメージしないだろうか。

ところが、新宿駅にある『信州そば 新宿本陣』は、そんな想像を軽く裏切ってくる立ち食いそば屋。こんなにガッチガチの名前なのにメニューを見ると……? それありなんスか

・地味

東口に上がる大階段の脇にあるこの店。階段をスルーした先のちょっと奥まったフードストリートにあるので、ひょっとしたら東口を使ってる人でも知らない人は多いかもしれない。

名前からイメージできるメニューはざるそば。立ち食いそば屋なのでかき揚げそばもあるだろうが、なにせ「信州そば」+ 「新宿本陣」のみ。硬派だ。天ぷらでもウインナー天や豚天は許さないに違いない

・と思いきや

と思いきや、推しメニュー的な看板の1番上のメニューが「白ごま坦々そば(税込み640円)」だった。え? それありなんスか? さらには「スパイシーカレーうどん(税込み640円)」もなんか香辛料バッサリかかってるし……


「温うま味鶏そば(税込み660円)」はパーコー麺みたいになってるし……

B級グルメ的なそばがやけに充実しているではないか。ものによってはどこかエスニックな香りすら漂っているではないか。

・肉MAX

これまでイメージで前を通り過ぎていたが、よく見たらちょっこすおかしなことになっていたこの立ち食いそば屋。券売機を見ると、普通のそばももちろんあるのだが、せっかくだから「辛味肉そば 肉MAX盛り(税込み820円)」にしてみた。

日本そばに豚肉とラー油が惜しげなくぶち込まれているこのそば。また、肉MAX盛りにできてしまうところが「信州そば」ではない。信州と言うか、もはやこれは新宿である。歌舞伎町みたいなジャンクさだ。

・肉を喰らえ

食べてみると、唇にピリピリ来るくらい辛い。ラー油が辛すぎてつゆの味が分からないくらいである。その味は豚肉にラー油ぶっかけて食べてるに等しく、まさしく辛味肉。そばが完全にオマケと化している

だが、このそばを注文しておいて、そばの風味がしないとかつゆの味が分からないと文句を言う方が無粋な気がした。これは肉を食べるためのもの。そう割り切ると悪くないボリュームと味だ。

東京でも有数の雑多さを誇る新宿のおひざ元に位置するこの立ち食いそば屋。名は体を表すというなら「新宿本陣」の方がメインと言えるだろう。職場が近い私(中澤)からしても、極めて新宿を感じる立ち食いそば屋なので、新宿を味わいたい人は一度訪れてみるのも良いかもしれない。

・今回紹介した店舗の情報

店名 信州そば新宿本陣
住所 東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿店 B1F
営業時間 7:00~23:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.