ここ数年続く、スイーツブーム。つい数年前にタピオカミルクティーが大流行したと思ったら、去年はマリトッツォが大流行。90年代にティラミスが流行ったあとにナタデココが流行ったときのようなデジャヴ感がある。
ネットニュースの記者たるもの、トレンドにはいつだって敏感でいたいもの。問題はマリトッツォの次に何が流行るのかってことだ。
企業からメディア向けに届くPR資料を見ると、「マリトッツォの次に流行ると言われる〜」の枕詞(まくらことば)が出るわ出るわ! いったいどんだけあんねん!? ってわけで「マリトッツォの次に流行ると言われるスイーツ」を集めて、編集部で食べてみた! 次のブレイクはこれじゃ〜〜〜〜い!!
・マリトッツォの次に流行ると言われるスイーツ
今回、集めたのはPR資料やニュース記事などで「マリトッツォの次に流行る」や「ポスト・マリトッツォ」といった言葉で紹介されていたスイーツ4種類。
・ズコットケーキ
・トロペジェンヌ
・ボンボローニ
・スフォリアテッラ
聞き慣れない名前ばかりだと思ったら「トロペジェンヌ」以外はすべてイタリアのお菓子だった。「マリトッツォ」がイタリアのお菓子だから、次もイタリアのスイーツが流行るという予想だろうか(ちなみに「トロペジェンヌ」はフランスのお菓子らしい)。
・編集部9名でガチ投票
今回は集まった4種類のポスト・マリトッツォスイーツを、ロケットニュース編集部9名で試食して「どれが流行るか」を投票することにした。いちおう、全員グルメライターとして活動しているし、日々トレンドを追っかけているので、多少は信頼できる……はず。
【1位. スフォリアテッラ……6票】
イタリア・ナポリ発祥の焼き菓子。ひだが何層もある貝殻をかたどったパイ生地の中に、カスタードクリームやリコッタチーズを入れて焼きあげられている。バリバリした食感が特徴。
(トロワグロ 「スフォリアテッラ」345円)
・感想
「間違いなく一番ウマイ。サクサクした食感だけでなくこの平べったさも、具のクリームに最短でたどり着けて良い。もうちょっと見た目に “映え” があったら、全会一致でこれだったのではないかと」(中澤)
「生地のサクサク食感が新鮮。ベーカリーやパティスリーで商品化しやすく、日持ちも良さそうだからブームを後押ししそう。」(佐藤)
「総合力で1番美味しいと感じた。ただ見た目が地味なのと、覚えにくい名前が気になるかな? これがさ『サクワッサン』とか『カリパン』みたいなキャッチーなネーミングなら勝負できると思うけど」(サンジュン)
「ウマいが地味すぎて映えない。しかし『テッラ』の言いにくさで逆にくる可能性も」(あひるねこ)
見た目の地味さと名前の言いにくさに物言いがつくも、美味しさで他者をねじ伏せて大差で1位に。
【2位. トロペジェンヌ……2票】
南フランス生まれのスイーツ。砂糖のかかったブリオッシュ生地の中に、カスタードクリームが入っている。今年の春からファミマがポスト・マリトッツォとして売り出し中。
(ファミリーマート 「トロペジェンヌ(オレンジピール入り)」230円)
・感想
「マリトッツォからの流れを考えると流行りそうな味と名前。値段も手頃。やはり味と名前と価格のバランスが大事。おそらく8月頃にはトロペジェンヌ専門店の出店ラッシュとなるだろう」(砂子間)
「やはりクリーム特盛は正義。これまでマリトッツォを販売していたお店も売り出しやすいのではないか」(あひるねこ)
「見た目は地味だけど、結構悪くないかも。もうちょっとオレンジピールの香りが欲しかったかな」(サンジュン)
「ほぼマリトッツォ」(佐藤・中澤)
マリトッツォの流れを汲みそう派からの支持を得るも、新鮮味を感じないという声もあり、賛否両論に。
【3位. ズコットケーキ……1票】
イタリア・フィレンツェの伝統菓子。丸いドーム型のケーキの中に、クリームと色とりどりのフルーツがいっぱい。4種の中で最も華やかな “萌え断” 系。
(fruits peaks PREMIUM 「フルーツズコット」961円)
・感想
「一番美味かったし、最近は見栄えするフルーツサンドが流行っているからこれが来そう。あと、名前が親しみやすいのもいい」(和才)
「果実園で食べたことある。まあ美味しい。でも、果実園にあるのに流行ってないってことは……流行らないんだと思う」(GO羽鳥)
「SNS映えしそうな見た目で美味しいけど、ビッグウェーブを起こせるかと言われたら微妙な気がする」(原田)
「うまいけど『毎日食べる』ようなお手軽感がない」(砂子間)
「映えるし美味しいけど、果物は高いから原価考えると厳しそう」(御花畑)
全員「映える」「美味しい」と言ってるのに得票にはつながらず、モテないイケメンみたいなポジションになってしまった。
【4位. ボンボローニ……0票】
小麦や卵、牛乳で作った生地を揚げて、砂糖をまぶし、クリームを詰めたイタリア版揚げパン。イタリアでは、おやつや朝食の定番らしい。
(パニフィーチョ ヴィヴィアーニ 「ボンボローニ クレマ」440円)
・感想
「ドーナツすぎる」(中澤・砂子間・サンジュン)
「クリームパンみたい」(羽鳥・原田)
「美味しいけど、ミスドに似たようなのがありそう」(和才)
美味しかったものの、揚げパンやクリームパンと似ている新鮮みのなさが仇となり、票を得られず……。
・1位は「スフォリアテッラ」になったが…
食べ比べの結果、マリトッツォの次に流行るスイーツは「スフォリアテッラ」という結論になった。
しかし……食べ比べさせておいて、こんなこというのも何だが、私は購入時からある結論をすでに出していた。
実は編集部のある新宿周辺でこれらのお菓子を探したものの、全然売っておらず数時間歩く羽目になった。どのスイーツも美味しいんだけど……正直、ネクストブレイクと言われながら2022年も半年をすぎて大都会・新宿にないってことは……
どれも流行らないんじゃなかろうか。
いや、元も子もない意見だっていうのは承知なんだけど……。美味しいだけ、映えるだけじゃだめ。流行って難しいですよね。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
▼ちなみに「カンノーリ(カンノーロ)」というお菓子もポスト・マリトッツォとしてわりと名前が挙がっていたが、新宿界隈では売っている店を探せず予選敗退