今から10年以上も前のこと……長崎から上京してきた私は母と池袋で途方にくれていた。家具選びがとんでもなく大変だったのだ。
理想の家具や雑貨をそろえようと意気込んだものの、地元の繁華街に比べて東京はあまりにも広大すぎた。無印に行くために道に迷い、ロフトを探して道に迷い、ハンズに行くために道に迷い……。重い荷物を持って歩き回った挙げ句に人生で初めて母親とケンカ。妥協だらけで家具を買った。
これから夢いっぱいで上京してくる人たちにあんな思いをしてほしくない。というわけで、地元のショッピングセンター感覚で買い物できる最強の街を紹介する。東京メトロ・東西線の南砂町だ。
え、そんな町聞いたことないから『アド街』で見た新宿や渋谷に行くって? ばっかもーん! 地方者が丸腰で新宿や渋谷に行ったら死ぬぞ!
・物流の町 南砂町
繰り返すが、東京は広い。土地勘がないまま新宿や池袋、渋谷を歩き回ると死ぬほど体力を消耗する。私は池袋で道に迷った上に宗教の勧誘にあって泣いた。
新生活に必要な家具や生活雑貨がそろうホームセンターが集中しており、ラクに買い物できるのが江東区の南砂町なのである。
なんでこの町に? と思うかもしれないが理由は簡単。南砂町は物流と倉庫の拠点地だからである。駅前には巨大な佐川急便の物流センターがあり、トラックが道路をバンバン走っている。
・必要なものが全てそろう驚異のSUNAMO
特に便利なのが駅から5分ほどの場所にあるSUNAMOというショッピングモール。
・カインズホーム
・無印良品
・ダイソー
・コジマ✕ビックカメラ
・アインズ&トルペ
・西松屋
・カルディ
・ユニクロ
・GU
・ワークマンプラス
など、生活に必要な店がまるっと入っている。もはや、この世の全てがあると言っても過言ではなかろう。迷子になるほど広くはないところがちょうどよく、フードコートもある。
カインズホームは、関東中心に店舗をかまえるホームセンターなので、知らない人も多いと思う。カインズオリジナルで生活感が出過ぎない、シンプルなデザインの道具やあったら便利なグッズ、DIY用品などをたくさん置いているのでおすすめ。
さらに無印良品とダメ押しでダイソーもあるなんて鬼に金棒。あれこれ比較しながら買い物できる。
突っ張り棒とか整理整頓用のファイルボックスとか掃除用具とか、そういう生活に必要なこまごましたものを1か所で集中してそろえられるのは大事なのだ。
・アウトレットもあるニトリの超大型店
そして家具を買うならSUNAMOから少し離れた場所にある「ニトリ 南砂店」がおすすめ。
ここはニトリの超大型店。1階は生活雑貨、2階は家具となっているのだが、とにかく売り場面積がひろい。アウトレット商品もある。
ベッドからキッチン、バス用品まで必要なものは全部そろう。かゆいところに手が届く、収納に便利なアイデアグッズが豊富にそろっているので、見ているだけで部屋作りの参考になる。
とくに2階の家具の展示が圧巻。タンスやダイニングテーブル、ソファなどが細かいサイズ違い・色違いでそろっている。
ネットでいいなと思っていても、実物を見るとイメージが違った……ということがない。
商品を使ったインテリア例がショールーム風に展示されているので、家作りのイメージがしやすいところも◎。
ちなみに、軽トラックを90分間借りて買ったものを持ち帰れるサービスまである……。
・地方を思わせる風景
南砂町はロードサイドに駐車場付きのチェーン店がずらりと並んでいて、駅前でもどことなく地方都市を思わせる光景が広がっている。
ドライブインのマクドナルド、吉野家やすき家、スーツのAOKI、ヤマダデンキ、回転寿司、ファミリーレストラン、ドラッグストア、ホームセンター……。どこの地方でも見たことのある並びだ。
「わざわざ東京に出てきて、なんで地元と同じような場所で買い物しなければならないんだ」と言われそうだ。しかし、東京都心でこうした場所はありそうでないのだ。
都会なのに、勝手知ったる地元のような安心感を持って買い物ができる場所。だからこそ、南砂町を勧めたいのである。
同じ地方出身者として、あなたの東京での暮らしが素晴らしいものになることを祈っている。