ダイエットすると、多くの人が炭水化物を避けるようになりがち。20kgやせた私も例外ではなく、以前は頻繁に通った『なか卯』にもめっきり足を運ばなくなった。

ところが先日、ふと『なか卯』の前を通ったときは思わず店内へ吸い込まれた。炭水化物への欲求をどうしても抑えられなかった……のではなく、なか卯の隠れエース「親子丼」の変わり果てた姿にビビったからだ。

その変わりっぷりは、店の外に張り出されたメニューからも垣間見えた。


え? 親子カレー!?


普通の親子丼も相変わらず販売されているが、なんだこのアレンジ? というか、触れるものすべてを自分色に染める「カレー」と繊細な「親子丼」を合わせたら それはもうカレーじゃないのか?

まぁ『なか卯』を頻繁に利用している人ならば「こんくらい全然普通じゃん」って感じかもしれないが、初見だと違和感がすごい。さらに、店内に入って券売機を見ると……


親子丼よ、どうした!?


繰り返すが、なか卯をよく利用している人なら「最近はこんなもん」って感じかもしれない。だが “慣れ” をいったん脇に置いて、冷静になって考えてくれ。

親子丼だぞ。出汁の絶妙な効き具合と卵のフワフワ感で成り立つ……早い話が、繊細な料理ではないのか? それをこんな形にしていいのか? 味の濃いハンバーガーをアレンジするのとは訳が違うだろ。

──と考えれば考えるほど味が気になってきたので、実際に注文することにした。なお、私が見つけた『あさりくり~む親子丼(並680円)』は2022年3月10日に発売されたばかりとのこと。

さらに調べたら、チーズを加えた『チーズあさりくり~む親子丼(並800円)』もあるようなので今回はそちらをチョイス。よし、ここは新商品レビューといこう。


食券を店員さんに渡すと、親子丼の進化系『チーズあさりくり~む親子丼』がやってきたのだが……そのときの気持ちをなんと表現していいか分からない。ライブで自分の好きな曲が流れたと思ったら、今まで聞いたことのない “ラップバージョン” だったような感じというか。

もちろんラップバージョンにはラップバージョンなりの良さがあるのは分かるのだが、原曲のフォークソングしか知らない身からすると戸惑いしかなかった。


・混ぜて食べてみた

では、味は一体どうなっているのか? 「親子丼」と「あさりクリーム」を一緒にするのだから、そこには何かしらのマリアージュが生まれているかもしれない。確かめるべく、各ゾーンを混ぜて口に運んだところ……


別々に食べた方がいいのでは?


──というのが私個人の率直な感想である。誤解なきように言っておくと、親子丼は以前と変わらず美味いし、あさりクリームもご飯と合って美味い。また、あさりクリームゾーンにチーズを入れるのはアリな気がする。

ただし、3つを一緒にするとお互いの良いところを殺し合っている気がしなくもない。親子丼とあさりクリームは同じテーブルで一緒に飲んでいるが、それは「相席しているだけ」であって、特に友達ってわけじゃない……という印象だった。

まぁ、そのように感じたのは私が “ラップの良さ” を理解できてないだけなのかもしれないが。


なお、券売機を見ると『チーズあさりくり~む親子丼』は「食べるラー油」や「竜田あげ」やらをトッピングできるもよう(有料)。つまるところ、さらに独自のアレンジを加えることも可。なか卯よ、正気か……。

と思わなくもないが、見方を変えれば「俺だけの親子丼」を作り上げたい人にとっては絶好の商品&システム。カスタマイズ大好きっ子はこのあたりもフル活用してくれ。

参考リンク:なか卯「チーズあさりくり~む親子丼
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼ちなみに、『チーズあさりくり~む親子丼』には「ペッパーガーリック」が付いてくる。振りかけると、相性バッチリだった