ペットブームの昨今、世の中には人間用と見間違えるようなペット用のスペシャルフードがたくさんある。
カフェに行けばワンちゃん用のケーキやクッキーがあり、イベントシーズンにはオードブルが売り出される。家族と一緒に季節行事を楽しめる、まさに人生のパートナーといえるだろう。
しかし筆者は内心いつも叫んでいた。「猫用は?」と。
犬ほどのニーズがなく、また肉食性の強い猫にはNG食品も多いので、開発しにくいというのが一因だろう。ところが、ペットショップで猫も食べられる「おでん」や「すき焼き」を発見!!
・「おでん」「すき焼き」「そば」(参考購入価格:各398円)
ペットライブラリー株式会社の「納得素材」シリーズで、筆者が店頭で見つけたのは「おでん」「すき焼き」「そば」の3種だ。パッケージだけだと、人間用のお惣菜と区別がつかない!
裏面にアレルギー品目の表示があるので、与える前によくチェックしよう。
「猫に与えてOK? NG? 食べ物図鑑」(雑誌「ねこのきもち」付録)によると、人間の食べ物がNGな理由は、おもに塩分、糖分、油分などの味つけにある。
味つけをしていない肉や野菜のほとんどは食べても問題なく(ただしネギ類など一部に絶対NGの食品あり)、軟らかく茹でたものが望ましいそう。
今回の商品は加熱済み。そのままでも食べられるし、付属のトレーでレンジアップも可能。開封すると出汁の香りが広がり、人間の感覚でも美味しそうだ。すき焼きのニンジンなんて飾り切りしてあったぞ。
具材は適宜カットしてくださいとのことなので、年齢や体格や性格に合わせて刻もう。
というわけで年始のごちそうとして我が家の隊員1号&2号に与えてみ……
え、ちょ、写真撮るから待って……!
だいこんもニンジンも肉もゴッチャにして狂ったように食べている!
お互いの食べているものを気にして微妙な空気に……! 同じだっつーの。
おおっと、手が出た!
普段食べているゼリー状のウェットフードとも、カリカリのドライフードとも違う食感で、新たな食事方法が開発されつつある。まるで人類の進化の過程である……! 二足歩行を始める日も近いな。
手に取って食べると、いつもの倍以上の時間がかかり、早食いに困っていた我が家では好都合だ。
どれだけ美味しかったのか、洗う前にチョイ置きしておいた空の皿にまで執心するありさまである。
まぁ、元・保護猫の彼らはハングリー精神旺盛な食欲モンスターなので、「食べない」という結末はハナから予想していなかったが……。味がどうか、食いつきがどうか、という点ではまったく参考にならなかった。すまない。
・「おせち(参考購入価格:798円)」もあった
同じくペットライブラリー株式会社から、「にゃん絵馬 猫用(2022年おせち)」という商品もあり!
「田作り」「あみえび」「かにかま」「鯛の開き」が入っているほか、トラ柄の「干支ずきん」のおまけつきだった。田作りはたしか豊作祈願だったか? 祝い肴を一緒に楽しめるのは嬉しい。
人間用の「にぼし」や「かにかま」は塩分が強すぎるので、そういった点でもペット専用品なら安心。「鯛の開き」がペットサイズで可愛いぞ。
こちらも狂ったように食べていた。
・アレルギーにだけ注意
人間の料理とそっくりな見た目ながら、ペット用の素材、味つけで安心して食べさせられる。
ただしアレルギーのある子、お腹の弱い子、泌尿器系の持病のある子などはNG食材があるので、事前によく確認して欲しい。
とくに「そば」は、人間と同様にまったく問題ない子がいる一方、重篤なアレルギーを起こす子もいるそうなので、「どちらかわからない」場合は避けた方が無難だろう。
いつものフードが手に入らない非常時や、病気や高齢で食べられないものが出てきたときのために、普段からいろいろな味・食感に慣れさせるとよいという説もある。ハレの日のおやつに、いかがだろうか。
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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