ギラギラの霜降り肉も美味しいが、数ある牛肉の部位の中でも最高級ランクに位置付けられるのが「ヒレ肉」である。ヒレ肉は腰の内側にある筋肉で、最も運動しない箇所であるため非常に柔らかく脂肪もほとんどない……と、Wikipediaに書いてあった。

その最高級ランクのヒレ肉も、会員制大型スーパー「コストコ」なら市場価格よりかなりお安く手に入る……のだが! それでも私、P.K.サンジュンのような小市民には震えが止まらない価格である。まさかコストコで「100グラム998円の肉」を買う日が来ようとは──。

・チルドかどうかで

まずお伝えしておくと、以前私は「コストコで1番高い肉 “米国産チョイスビーフヒレステーキ” を食べてみた」という記事を執筆している。このとき店頭に並んでいた肉の中で最高額であったことは間違いないが、実はコストコにはまだまだ高い肉が存在していたようだ。

今回購入したのは「米国産チルドビーフチョイス ヒレステーキ」で、以前の肉とは “チルド” の部分だけが違う。だが価格は以前の100グラム598円から大きく跳ね上がり「100グラム998円」だというから震えが止まらない。

チルドとは要するに「冷凍していない」と言う意味。冷凍するか否かでここまで価格が違うことにビビるが、果たして価格差と同じくらい味にも差があるものなのだろうか? ちなみに以前食べた冷凍ヒレステーキは「想像を軽く超えてくるウマさ」と大絶賛している。

・2番目に高いグレード

ちなみにもう1点、米国食肉輸出連合会によれば「チョイス」とは、アメリカンビーフの2番目に高いグレードのことだそう。牛の種類・成熟度・霜降りの入り具合・性別を基準に格付けされ、最もハイグレードな肉は「プライム」だとのことである。確かにコストコにも「プライム」あるわ。

さて、この記事の主役『米国産チルドビーフチョイス ヒレステーキ』である。再三お伝えしている通り、100グラムあたりの価格は998円。普段私が購入している「USプライムビーフ肩ロースステーキ」は100グラム220円~240円ほどだから、4倍近い価格差がある計算だ。

100グラム998円とは、清水の舞台……どころか、スカイツリーのてっぺんからロープ無しダイブするような気分であるが、それでも発見してしまったからには確かめるしかあるまい。どうなんだ、コストコの超セレブ肉。お前に100グラム998円の価値はあるのか?

・めっちゃウマい……が!

で、結果的に『米国産チルドビーフチョイス ヒレステーキ』はめっちゃウマい! べらぼうにウマい!! 分厚さを感じさせない極限のやわらかさ、しっとりとした肉質、そして繊細ながらも力強いクリアな肉の旨味。どの角度から考えても「確かに高いだけあるわ」と納得した。

一方で、以前の肉と比較した場合「598円と998円ほどの差はない」というのが率直な感想だ。それなりに味覚は鋭いと自負しているが、目隠しをして両方を食べたらズバッと正解を言い当てられるか自信はない。

逆に言うと598円の「米国産チョイスビーフヒレステーキ」がそれだけ優秀とも言えるだろう。とはいえ998円の『米国産チルドビーフチョイス ヒレステーキ』も抜群に美味しい肉なので、これを食べてイマイチという人はいないハズだ。

・それでもリーズナブル

確かにコストコで100グラム998円は高い……めっちゃ高いのだが、それでも市場価格と比較するとかなり割安であることは間違いない。ちょっといい肉屋に行けば、100グラム3000円のヒレ肉とか普通にありますから。

というわけで『米国産チルドビーフチョイス ヒレステーキ』は超ウマい! ……が「コスパを考えたら598円のチルドじゃない方でいいかも」というのが結論だ。いずれにせよ、超ウマい肉であることは確かである。


オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆☆(ヒレ肉ならではのやわらかさと繊細な旨味。最高)
また買う度(☆5中): ☆☆☆(自分なら598円の方を選んでしまう)
オススメシチュエーション: 高くてもいいからウマい肉が食べたいときはぜひ。

参考リンク:コストコ公式サイトWikipedia米国食肉輸出連合会
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.