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【まさか】大阪 梅田のタクシーで「1番おいしいたこ焼き屋まで」とお願いしたらこうなった

2021年12月13日

少なくともインターネットが普及するまでは、その地域のことを1番知り尽くす存在……だったと思われる、タクシードライバー。あらゆる情報がスマホ1つで手に入る時代だからこそ、逆にタクシードライバーの持つ知識は貴重なハズだ。

というわけで、つい先日大阪に降り立った私、P.K.サンジュンはタクシーに乗車し「1番おいしいラーメン屋まで」とリクエスト。結果は大成功に終わった。今回はその続き「1番おいしいたこ焼き屋まで編」をご覧いただきたい。

・タイムリミットは1時間半

大阪有数の巨大ターミナル「梅田駅」からタクシーに乗った私は「1番おいしいラーメン屋まで」とお願いし、なんやかんやありながらも「らーめん 弥七」に辿り着いた。だがしかし、同店は整理券制となっていた関係で、およそ1時間半の待ち時間が……これは勿体ない。

そこで急遽、別のタクシーに乗り込み「1番おいしいたこ焼き屋まで」とお願いしたのが今回の話である。タイムリミットは1時間半──。移動も込みで私は1時間半後に「らーめん 弥七」まで戻って来られるのだろうか?

・たこ焼きは外せない

さて、観光客にとって「たこ焼き」は大阪グルメの代表格と言っても過言ではない。ただ、東京のシティボーイからすると大阪はたこ焼き屋が多すぎて、逆にどこへ行けばいいか迷ってしまう。そんな時に頼れるのがタクシードライバーであろう。

だがしかし、乗り込んだタクシーで事態は予想外の展開に。「まさか」が相次いだ一部始終を以下でご説明しよう。


──すみません、この辺で1番おいしいたこ焼き屋さんまでお願いします。

「ん? たこ焼き屋? 私、たこ焼きは食べないねぇ」

──おおぉぉ……それは困った。でも何とか1番おいしいたこ焼き屋さんまでお願いできませんか?


・プチ奇跡、連発

運転手さんの年齢は50代中盤といったところだろうか。行き先を告げるや否や車を停車し、スマホでたこ焼き屋を検索し始めたではないか。違う、違う、そうじゃ、そうじゃない。それじゃ意味が無いんだ……!


「あ、そういえばここ曲がった角にたこ焼き屋があったな……タバコ屋の横だったような……」

──そこが1番おいしいですか?

「1番かどうかわからんけど、お店があるってことは美味しいんちゃう?」

──なるほど……ではそこへ。

趣旨とはやや外れるが、運転手さんが言うことにも一理あるハズ。実際に行列が無くても美味しい店は、世の中にいくらでも存在する。車を走らせることわずか1分ちょい、目的のたこ焼き屋に到着した……のだが!


「あれ……やってへんね」

──や、やってませんね。

「うーん、タバコ屋はあるしここだと思ったんやけどなぁ」

──なんだか申し訳ない。別の店までお願いしていいでしょうか?

「あーあ、そういえば大通り渡った向こうにもう1つあったわ。警察署の裏側やったな?」


たこ焼き屋が休日だったのか、それとも店じまいしたのかはわからない。1つだけ言えるのは、たこ焼き屋の気配すらしなかったこと──。重く閉ざされたシャッターから逃げ出すように、再びタクシーは走り始めた。


──あ、ところで運転手さん、メーター付けてないですね?

「ああ、何百メートルだから無料でいいですわ。なんやおもしろいリクエストやし」

──え! さすがにそういうワケには行きません。どうぞ遠慮なくメーターを付けてください。

「いやいや、この大通りを渡ったらもう着くしね。これが酔っ払いやったらきっちり払ってもらうけど。ハハハハ」

──で、ではお言葉に甘えて……。

「はい、着きました。大阪、楽しんでって」

私を降ろし、颯爽と去っていくタクシー。大阪の街ってのはよう、本当にあったけえところだぜ……! サンキュー大阪、おおきにタクシードライバーさん。んでもって私が辿り着いた たこ焼き屋はというと……


じゃんぼ総本店(中津店)


関西在住の知人によれば「最近まで吉本の芸人がCMに出ていた」というゴリゴリのチェーン店。さらにいえば都内にも複数の店舗を展開しているようだ。ナンカ・想像シテタノト・チガタ。

・大阪ラヴァー

だがしかし、6個で350円、9個で450円のたこ焼きは、アツアツとろとろで実にウマい。この辺りで1番ウマいかはわからないが、チェーン店ということは逆にスタンダードなたこ焼きなのだろう。スタンダードでこのウマさだとするならば、大阪のたこ焼きレベル、流石である。

結果的に私はおいしいたこ焼きにありつけた。もしかしたら運転手さんは「よっしゃ、大阪の底力を見せたろ!」と考えて、わざわざ「じゃんぼ総本店」に導いてくれた……のかもしれない。大阪のタクシードライバーさんは、マジで気が利く。

というわけで、わずか数分の間にドラマティックな展開を繰り広げつつ、最終的には大阪の温かさを私の胸に刻み込んだタクシードライバーさん。その後、らーめん弥七さんにも余裕で間に合いました。大阪……やっぱ好きやねん。

参考リンク:じゃんぼ総本店公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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