つい先日、私、P.K.サンジュンは “ペヤンガー” としてテレビに出演した。番組は「お願い! ランキング」の「忌憚ナク蔵」で、ざっくり説明するとペヤングの商品について、忌憚なく感想を申し上げる内容だ。
自分で言うのはイヤらしいが、その中で私は神がかった回答を連発! 放送をご覧になった方から「すごかったです!!」との声を多くちょうだいした。その私が2021年12月6日から発売開始となった新商品『超大盛激辛やきそば マシマシキャベツ』を食べて感じたことはただ1つ…… “迷い” である。
・自分でもビックリ
ペヤンガーとして「お願い! ランキング」に出演した際、私が神がかっていたポイントは大きく2つ。1つは「オムそば風やきそば」を「入社1年目の新人が考えたヤツ」と的中させ、続いて「ボンゴレ風やきそば」を「入社4年目くらいが考えそう」と、これまたピタリと言い当てたことだ。
話の流れで口から出ただけの適当な言葉ではあるが、背後にこれまでの “ペヤングキャリア” があったことは紛れもない事実。どうやら私は味だけではなく「まるか食品の内部事情」まで商品を通じて感じ取れるようになっていたらしい。嬉しくは……ない。
その私が12月6日からファミリーマートで先行発売中の『超大盛激辛やきそば マシマシキャベツ』(324円)を食べて感じたのは “迷い” だと冒頭でお伝えした。その理由を大きく3つ説明しよう。
・その1: 完全新作ではない
ご存じの方も多いかと思うが「激辛やきそば」はペヤングの数少ない定番商品である。また2020年3月には「超大盛やきそばマシマシキャベツ」を発売しており、要するに本商品は“完全新作” ではない。
一時期は全盛期のL’Arc~en ~Cielばりに新商品を展開してきたペヤングだが、ここ最近はやや勢いが落ちてきている。率直に「迷いがあるのかな?」と感じた次第だ。
・その2: それでも狙わずにいられない
古代ローマ時代の哲学者が「ペヤングには裏切りが必要だ」と言ったとか言わないとか。それはウソだとしてもペヤングには、世間をアッと驚かせる裏切りが必要だと個人的には考えている。
そういう意味で『超大盛激辛やきそば マシマシキャベツ』は、置きにいきながらも何とかネタ感を出そうとしている商品と言えよう。ネタに見えつつ正統派、正統派に見えつつネタ系、どっちつかずの状態からも迷いが見え隠れする。
・その3: ペヤングそのものが迷ってる時期
それまで大定番の「ソースやきそば」を軸に、細々と新商品を展開していたペヤングの様子がおかしくなってきたのは、2017年の後半あたりから。イケイケの「革新派」と、あまり冒険したくない「保守派」のせめぎ合いがあった……と妄想している。
一時は「獄激辛」などで世間の話題をかっさらった革新派が優勢だったと思われるが、最近は「ペヤングの新商品どこにも売っていない問題」などもあり、保守派が巻き返しているように感じられる。
そこに来ての『超大盛激辛やきそば マシマシキャベツ』は、まさに両派閥が妥協した商品としか思えない。このままイケイケ路線で突っ走るのか? それとも保守派が主導権を握り返すのか? しばらくは様子を見る必要がありそうだ。
・どちらに舵を切るべきなのか?
要するにペヤングは「美味しくても話題にならなきゃ売れない」と考えるのか、それとも「話題になっても売れなきゃ意味が無い」と考えるのか、その岐路に立たされているのだろう。どちらに舵を切るべきなのか? 正解は……ない。
ちなみに『超大盛激辛やきそば マシマシキャベツ』のお味は、予想通りといえば予想通りのお味。ベースはソース味ではあるものの、結構しっかり辛いので辛さが苦手な人は避けた方が無難なハズ。ただし、辛い物が好きな人ならば素直に美味しいと感じるに違いない。
最後になるが、カップ麺業界で「味・話題・バカ売れ」の3拍子が揃った「日清トムヤムクンヌードル」級の新作は数年に1度あるかないか。個人的には1発当てるまでペヤングには無茶し続けて欲しいと思う。ただし、何かあっても責任は取れない──。
参考リンク:ペヤング公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.