夜中に突然「美味しい牛肉を食べたい!」なんて衝動に駆られてしまったら、あなたならどうする? 普通の方であれば白湯でも飲んで空腹を紛らわし、布団に入って無理やり寝て誤魔化すであろう。
しかし筆者は見つけてしまった。365日24時間、いつでも和牛ステーキを手に入れることができる自動販売機を! しかも高級ブランド和牛というのだから更に驚きだ。
・田んぼのど真ん中にある和牛の自販機
その自動販売機は愛知県豊田市にある。現地に向かいながらも「本当にこの道で合っているのか?」と不安になってしまうほど周囲は田んぼだらけ。
冒頭では「夜中でもステーキが買える」なんて大きな口を叩いたが、ここは昼間に来た方が良い場所だ。たぶん夜になると真っ暗になるだろう。
あっ……!
あったぁ~~!!
ということで、こちらが全国で初めて導入された和牛の自販機だ! 機体全体がお肉の柄で、思っていたよりもポップな外観をしている。
・牧場が経営する直販和牛
こちらの和牛自動販売機、経営しているのは谷澤牧場。たしかによく見ると後ろには産地直送が過ぎるってぐらいの距離感で牧場がある。
元々は火曜日限定で直売所を開いて和牛を販売していたところ、店休日でも購入できるようにということで敷地内に自動販売機を導入したのだそうだ。
メニューを見てみるとどれどれ……ハンバーグ、肩ロースステーキ、肩ロース焼肉、牛ホルモン、サーロインステーキと。お値段は1000~1800円と安くはないが、ブランド和牛なのだから当然だ。
不思議なことに、スーパーの精肉コーナーで同じ価格帯の和牛を買おうとするとものすごく腰が重くなるんだよな。スーパーって毎日食べる食材を買うためのいわば「日常の一部」のような存在で、対して和牛、特にステーキってやつは「非日常の食材」。
日常の中で非日常なステーキを買うのは実際の値段以上の思い切りが必要。これってきっと、筆者だけじゃないと思うんだ。
その点自動販売機で肉を購入するっていうのは「非日常な行動」なので、値段に対する抵抗がかなり少なくなっているような気がした。いつもよりもワンランク上の肉でも罪悪感なく、ウキウキな気分で買えちゃうぜ。
注文はタッチパネルから操作をする。
公式サイトによるとタイミングによっては在庫がすべてはけてしまう場合もあるそうで、残念ながらハンバーグとホルモンは売り切れ。ということで肩ロースステーキ(1800円)とサーロインステーキ(1600円)を購入してみた。全部売り切れていなくてよかった~!
支払いをすれば「ゴトッ」と音がして……
和牛ゲット!!!!!!
冷凍された状態だが保冷材はついていないため、暑い時期は保冷バッグがマストだ。それにしても、思っていたよりも大きい肉が出てきて興奮する~!!
なおこの自動販売機で買えるお肉はマイナス20度で冷凍した後に真空パックに詰めることで鮮度を保つ工夫がされているのだそうだ。賞味期限の目安はおおよそ3か月ということなので、買い溜めをすることだって可能だ!
・満足度が高すぎる!
自宅に持ち帰りさっそく開封してみた。肩ロースは200g、サーロインは150gとのことで手と比較しても十分に大きく見えるが、それだけではない。
厚みを測ってみるとなんと1.5cmほどもあるではないか! ボ……ボリューミーっ!!!!
食べる前からかなり満足度が高まっているが、まずはサーロインステーキからいただいてみよう。
スキレットに入りきらなかったため半分に切って焼く。見よ、このサイズ感……!!
焼いている傍から脂があふれ出し、キッチンに肉が焼けた美味しそうな香りが充満する。
つけあわせに野菜を添えれば……
絶対旨いやつや!!!!!!
ステーキと言えばコレで間違いないやろ! ということで以前レポートしたアウトドアスパイス「ほりにし」をかけていただいてみる。
…………うンまぁ~~い!
ひと噛みごとにジュワッと肉汁があふれ、脂の甘味がフィーバーする。肉とほりにしの相性はもちろん抜群なのだが、それ以上に肉そのものがめちゃくちゃに美味しい。
しかもこれだけの分厚さがあるにもか関わらず、肉がとにかく柔らかくて食べやすいのだ。これがゆたか牛……!!
しっかりと食べ応えがあり、かなり満足感の高いステーキを味わうことができた。
それならば、お次は肩ロースステーキを焼いてみる。
肩ロースはサーロインよりも50gも大きいためスキレットは満員御礼。これでもかってぐらいに肉で埋まってしまった。
焼き上がった肉を切りわけ、こちらもほりにしをかけていただきます……!
ロッ……ロースもっ! うっまぁ~い!!!!
先ほどのサーロインよりも肉の繊維が感じられ、噛みごたえがありつつもしっかり柔らかい。「肉を食べているぞ!」というガッツリした食べ応えがあってかなり幸福度が高い。
なによりもシンプルに量が多いので、満足するまで肉を食べたい! 肉でお腹いっぱいになりたい!! という食べ盛りな方にはこちらの肩ロースステーキがオススメだ。
まさに幸せ体験を購入できる和牛の自動販売機。筆者は早くも次の幸せを味わいたくなってきたので、近いうちにハンバーグを買いに行くつもりだ。
参考リンク:ゆたか牛ブランド推進協議会
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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▼商品が入っているのは1,3,5番のはずなのだが……
▼購入用のタッチパネル上では4番にも商品が入っていた。値段的にはたぶん肩ロースステーキかな?
▼こちらの機体、ロケットニュースでもご紹介している「ど冷えもん」という冷凍食品用の自動販売機と思われるのだが、驚くべきことにQRコード支払いにも対応していた。2021年11月時点では、Alipay、auPay、LINEPay、PayPay、楽天Payに対応していたぞ。
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