ボンジュゥ〜ル…………いやはや、パリの街をただ歩いているだけで「完全な勝ち組」になった気分だ。1セントのお金も使わず「完全な勝ち組」の気分が味わえるんだから、ある意味パリってコスパ最強な街とも言えるよな。
さて今日も私がセ・シ・ボンなパリ2区を歩いていると、突如視界に飛び込んできたのは『BOOK OFF』という看板。日本でブックオフといえば「本を売るなら」で知られる古本チェーン店だが、ここは花の都パリである。おおかた同名のオシャレ本屋なのだろうな。
と、思ったら……
・ブックオフだった
調べたところ、これは紛れもない “あのブックオフ” であるらしい。ブックオフは1998年、海外1号店をアメリカ・ハワイにオープン。パリへは2004年に進出を果たし、現在3店舗が営業中とのことだ。その発想はなかった……。
気分は一気にセ・シ・ボンから中野ブロードウェイ周辺って感じだが、しかし “あのブックオフ” であることを抜きにして見ると……なかなかパリの街に溶け込んだ外観ではないか。赤や黄色の排除されたシンプルな青い看板。オシャレっちゃあオシャレだ。
当然「お売りください」とはどこにも書かれていない。
さっそく入店してみると……
ザ・ブックオフ!!!!!!!
・ブックオフそのもの
ギリギリすれ違える程度の狭い通路を挟んで、本棚という本棚には膨大な量の古本。ちょうど秋葉原のブックオフと同じくらいの混雑具合である。
当たり前だけどほとんどがフランス語で書かれた本。
完全にブックオフではあるものの、どこかオシャレな気分になってくる。
日本の文庫本コーナーもあった。
さぞお高いのだろう……と思いきや、意外にもほとんどが定価以下の価格。暇を持て余した旅行者は今すぐここへ来るべし。
あっ、『地球の歩き方』もある〜!
約10年前のバージョンとはいえ、パリの日本人旅行者が最も必要としそうな本書の価格は……破格の1ユーロ(約132円)。持ってきたけど要らなくなった旅行者が売りに来るのかな?
その他、現地在住者向けと思われる「くらしのコーナー」や……
「どういう理由でここに?」と感じずにいられない不思議なチョイスのジャパン本の数々。
日本語を学ぶ外国人向けコーナーも充実しているぞ。ブックオフは日仏友好の架け橋なのだなぁ。
・2階はさらに混沌
ブックオフ(Quatre Septembre店)には2階もある。
こちらはDVD・CDを中心としたゾーン。とにかく広い。
フィギュアやゲームソフトも充実しているため、オタク風パリジャンの姿が多数。
絶妙に古いアニメDVDが揃っているが……誰をターゲットにしたものなんだろう?
J-POPのラインナップも絶妙に平成。
20年前のシングルCDが4ユーロ(約429円)かぁ。安いんだか高いんだか。
……と、思えば『となりのトトロ・サントラ集』は34.3ユーロ(約4533円)と高額! ジブリはフランスでも人気なんだね。
『X JAPAN』のベストアルバム(35.4ユーロ / 約4679円)には「Xは日本最大のメタルバンドで、YOSHIKIは才能あるドラマーでピアニストです」といった手書きのポップが添えられている。恐らく店員の中にバンドマンがいるのだろう。
・パリ店限定アイテム
なおブックオフ・パリ店ではパリ限定の特製エコバッグ(1.7ユーロ / 225円)が売られている。
大胆に「袋」と書かれたデザインが超カワイイ!
これを手にシャンゼリゼ通りなど歩けばパリっ子たちの視線を集められるほか、日本へのおみやげとしても喜ばれそうである。さすがブックオフ、よく分かってんな〜。
またブックオフ近くには『ジュンク堂書店』もある。こちらは日本の書籍がメインで、客のほとんどが日本人。
定価の2倍前後の価格ではあるが、雑誌や新刊書籍が並んでいた。パリってホント、日本人が暮らすにはイージーな国だよな〜。物価の問題さえクリアできれば。
今回私は暇を持て余すほどパリに長くいるわけではないが、せっかくなのでブックオフで旅行記を購入した。わざわざパリで日本の文庫本を読む……「これぞ最高の贅沢」って感じだ。お宝も発掘できるかもしれないパリのブックオフ、日本人なら一度は訪れてみてほしい。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 Book Off Quatre-Septembre
住所 11 Rue Monsigny , 75002 Paris
時間 10:00〜19:30
定休日 日曜日
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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