2021年6月、上野動物園に待望の赤ちゃんジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」が誕生した。上野・御徒町あたりの “パンダフィーバー” は地元民の私、P.K.サンジュンが軽く引くほどの盛り上がりを見せている。
さて、パンダといえば私にはかねてから気になることがあった。それは名前──。今回の「シャオシャオ」と「レイレイ」もそうだが、なぜパンダは連続系の名前ばかりなのだろう? 気になったので上野動物園に問い合わせてみることにした。
・歴代のパンダは全て連続系の名前
上野動物園の公式サイトによれば、初代パンダは1972年に来園した「カンカン」と「ランラン」とのこと。その他のパンダでは「ホァンホァン」や「トントン」あたりが全国的にも名を知られたジャイアントパンダであろう。
ところで、なぜパンダの名前は決まって連続系なのだろうか? 上野動物園のジャイアントパンダの所有権が中国にあることは知っている。だがしかし、グローバル化が叫ばれて久しいこのご時世、日本生まれの赤ちゃんパンダが「太郎」や「幸子」でも良くないか? なんなら「ジェイソン」や「ジャスミン」でもいい。
だがしかし、2021年10月現在、上野動物園に在園した歴代のパンダたちは「シャオシャオ」と「レイレイ」を含めても全て連続系。そういう決まりでもあるんかいな? どうなんですかー! 上野動物園さーーーーん!!
・上野動物園に問い合わせてみた
──率直にお伺いしますが、なぜパンダは「シャオシャオ」「レイレイ」のような連続系の名前ばかりなんでしょうか?
「はい、まずはパンダ命名の手順についてご説明しますね。上野公園のパンダの名前はカタカナで公募しております」
──はい、見たことあります。
「そして応募された名前の中からパンダに相応しいものを選定します。連続系の名前が多い最大の理由は、連続系の名前の応募がかなり多いからです」
──なるほど。では「タロウ」や「サチコ」などの名前が多かった場合、選ばれる可能性はあると?
「はい、その可能性はあろうかと思います。またご存知の通りジャイアントパンダの所有権は中国にあり、当園とは共同研究のパートナーでもあります。中国語の響きでもおかしくない点も考慮されている次第です」
──ふむふむ。
「あくまで公募はカタカナですが、後で漢字をあてるケースもあります。シャオシャオは “暁” という字を当てて暁暁(シャオシャオ)、レイレイは “蕾” の字を当てて蕾蕾(レイレイ)となりました」
──なるほど。でも「タロウ」や「サチコ」になる可能性もあると?
「はい、その名前がパンダに相応しいとの結論に至れば命名されることもあろうかと思います。ただ先ほど申し上げました通り、応募の大半が連続系の名前であるため、我々としてもみなさんがそういった名前を望まれていると考えている次第です」
──よくわかりました!
・こちら側の意識の問題か?
話を聞いてわかったことは「応募の時点で連続系の名前がかなり多い」ということ。「タロウ」や「サチコ」といった名前もゼロではないのだろうが「パンダの名前だから連続系だよね?」的なこちら側の意識の問題なのかもしれない。
また、中国語の響きが考慮されていることを思えば「タロウ」や「サチコ」は無理でも「春麗(チュンリー)」あたりはマジでワンチャンあるのではないだろうか? 少なくとも上野動物園側が「連続系しか採用しない」という決まりは無いようだ。
というわけで、パンダの名前に連続系が多い理由が判明した。もしかしたら近い将来「シャオシャオ」や「レイレイ」の兄弟たちが「タロウ」や「ジャスミン」なんて名前になる日が来る……のかもしれない。
参照元:上野動物園公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.