秋である。書店や文房具店ではスケジュール帳やカレンダー商戦がもう始まっている。

これだけ「スケジュール管理はスマホ派」が増えても、紙の手帳にはまだまだニーズがあることがわかる。自分なりにアレンジする周辺グッズも多種多様で、売り場はいつも盛況だが、なかには「要らんわ」という珍品が混じっていることもまた事実。

今日は「普通じゃ満足できない」というあなたに、ヘンテコ文具をご紹介したい。


・「国連で演説」があっても大丈夫

「デート」「出張」「ゴミ出し」など、重要な予定をデコれるスケジュールシール。手書きよりも目立ちやすくなるから、愛用している人も多いだろう。

しかしこれまで「肝心なものがない」とお困りではなかっただろうか。たとえば来週は「国連で演説」なのに、ぴったりのシールがないとか。

そんなときには『ヨシタケシンスケ「仕事より大事なこと」シール』(税込418円)!


このシールがあれば「女王陛下とボーリング」の予定がある人も、「敵のアジトに潜入」する予定がある人も安心である。

使用例では「あー。その日は授賞式ですネー」と仕事を断っている。イヤな仕事はこれですべてスルーだ。女王陛下やイタリア大使を差し置いてリスケを求めてくる非常識な人は、さすがにいないだろう。

私は月末「かけおち」の予定なので、仕事はできません。すみません。


・「至急」の案件はこれで

一方、シールではなくスタンプを使っている人もいるだろう。「脱はんこ」とはいうが、よく使う文字や模様が彫り込まれたスタンプは、シールと違って何回でも押せるから経済的だ。

とりわけ「重要」「済」「至急」などのビジネスマークは、見落とさないよう大きく派手に押印することが多いと思う。


「至急」の案件にはこのスタンプをどうぞ。消しゴムはんこ「史緒(ふみを)はんこ」シリーズのひとつ。


どこかで見たことがあるって? なにをいっているんだ。この商品は「スーツのおじさん」(税込550円)といい、特定の人物ではない。


これだけ圧をかければ、急がずにはいられないだろう。〆切前の自分を追い込むのにピッタリ。


同僚や後輩にプレッシャーを与えるのにも効果的だ。


・週末の予定には酒

ときには実用性を忘れ、「手帳を賑やかにするため」にシールを使うのもいい。たとえばゆっくりリラックスするのが楽しみな週末には、酒シールはいかがだろうか。

「大人の図鑑シール」のシリーズから「カクテル」(税込275円)である。ソルティ・ドッグやスクリュー・ドライバーのようにメジャーなものから、下戸の筆者には聞き慣れない「ホーセズ・ネック」「XYZ」といった名前まで。

ジンやウォッカなどのベースドリンクもあるから、「カクテルなんて女子供の飲み物だ」という硬派なあなたも使える。

飲みたい酒を貼りまくれば、気分もアガるかもしれない。週末が待ち遠しくなること請け合いだ。誰かにスケジュール帳を見られたら「この人、大丈夫か?」と思われるかもしれないが。

大人の図鑑シリーズは、ほかにも「飯テロ」「古代エジプト」「仏像」など「誰が使うんだ」というニッチなテーマを、リアルな筆致で描く大人向けシールである。つい集めたくなる魅力がある。


・ちょっと悲しくなったとき

最後に筆者の私物から。なぞるだけで文字や模様が描ける「テンプレート」という文具があるが、この商品で、なにが描けるかおわかりだろうか。

シャーペンなど先の細い筆記用具で丹念に輪郭をなぞっていくと……


ドラえもんである! 表情などわからず、シルエットだけなのがちょっとエモい。「ほぼ日のテンプレート(DORAEMON)」(税込715円)という。

筆者にとって、ドラえもんとは「幸せな子ども時代の象徴」であり、「世の中、捨てたもんじゃないよ」と感じさせてくれる見えないホッカイロでもある。

イヤなことがあったとき……黙々とドラえもんやのび太を型取りしていると気分がまぎれる。切りたくても切れない長電話に出ているときや、勉強しているフリをしなければならないときにもどうぞ。


いずれも取り扱いは文房具店やオンラインストアで。大々的に手帳コーナーが展開されるロフトもオススメだ。ぜひ来年の手帳を賑やかしていただきたい。


執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.