カレーは飲み物────

かまずに飲み込むほどの早食いを意味する言葉だが、つまりは「カレーって美味しすぎてグイグイいっちゃうよね!」と同義語だろう。とはいえ、具材もあるし熱いし本当に飲んでいる人はいないはず……

と思っていたら、飲料大手のポッカサッポロからガチの「飲むカレー」が登場してしまった! 過去にも他社で類似商品はあったようだが、定着したとまではいいにくい。果たして実力のほどは……


・「カレーな気分中辛」(税別140円)

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の新商品「カレーな気分中辛」が、それである。手のひらに収まる170gのミニ缶。

表示をみると、まさかの「清涼飲料水」である。完全に飲み物のカテゴリに入れてきている。


広口のリシール缶なので、途中でフタを閉められる。開栓前にはよく振ることが推奨されている。

レトルトカレーを缶に入れただけでは? と思ったら大間違い。カレーの茶色というよりはベージュに近く、さらさらした質感だ。具材はない。

ホットおよび常温販売なので、温かい状態で飲むことを想定している。筆者はスーパーで購入したので常温だが、自動販売機などでは「あったか~い」として販売されるはず。

なので自前で温めて飲んでみよう。「突沸」現象が起きないように、公式サイトを参考にして慎重にレンジ加熱。

どれどれ……


おおっ、水のようにサラッとしているので、喉ごしはなめらか。けれどもしっかりカレーの味がする。

香味野菜とビーフとポーク、そして10種類のスパイスが溶け込んだ中辛のカレースープだという。「おにぎりやパンといった食事にも合う」とのことで、たしかに主食があってもいい。

けれど、主食は「必須」ではない。あくまで、そのまま飲んでも大丈夫な味つけになっている印象。さっぱりしていて、しょっぱくもないので、ゴクゴクいける!

常温で飲むとどうだろうか。筆者のように量販店で買ったり、しばらく持ち歩いて冷めてしまうこともあるだろう。

むむっ……「生ぬるいカレー」になった。匂いが弱まるせいか、スパイスの風味が後退し、代わりに塩気を感じる。

むしろ完全に冷えた方が、冷製スープのようで飲みやすかった。料理のカレーと違うのが、冷えても膜が張ったり、分離したりしないこと! どこまでいっても液体で、この技術はすごい。


しかし……人は小さい頃から慣れ親しんだ感覚にどうしても支配される。

たとえば筆者はヴィシソワーズを飲むたびに、ちょっとした違和感を抱く。「温かいはず」と思い込んでいるものが冷たいと、脳がビックリするというか、エラーメッセージを発するというか。

同じように「缶からカレーが出てくる」「カレーをガブ飲みする」という新体験に、なんともいえない奇妙な感覚があった。これは美味しいとか不味いとかの問題とは別。おそらく子どもや若い世代の方が、先入観なく味わえるのではないだろうか。


・今日から「カレーは飲み物」と豪語できる

外出先で小腹が空いたとき、昼食にちょっとだけカレーが欲しいときなど、「ちょい飲み」にはぴったり。食器がいらないから、片手で作業しながら飲むのも簡単だ。

本商品は「中辛」だが、人気が出たら、いろいろなカレーが出るかもしれないぞ。この不思議体験、ぜひ味わってみて欲しい!


参考リンク:ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社[1][2]
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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