弁当屋の定番にして底辺の商品、それは「のり弁」である。底辺は言い過ぎじゃないのか? と思われるかもしれないが、実際ほっともっとでは税込330円(のり弁当)、オリジン弁当では税込320円(タルタルのり弁当)で販売されている。
弁当と名の付く商品のなかでもっとも値段が安いものになりがち。それがのり弁だ!
がしかし、最近のり弁の価値が見直されて高級のり弁を販売するお店が増えている。東京・新宿の「海苔弁 いちのや 靖国通り本店」もそんなお店のひとつだ。購入して食べたところ弁当には驚きが詰まっていた!
・増える高級のり弁店
いちのやは2020年にオープンした1号店が九段下に、そして今年6月にオープンしたここ2号店が甲州街道沿いにある。
高級のり弁はじわじわと世間に広まりつつある。というのも、東京・銀座のGINZA SIXにはのり弁専門店『刷毛じょうゆ 海苔弁山登り』が2017年に出店。日本橋・高島屋の催事では『ぷれみあむ海苔弁』が販売されていた。
もはやのり弁は底辺ではなくなっているんじゃないのか? いちのやの海苔弁当(税込1000円)を食べてみたら、そう思わずにはいられなくなった。
ご覧あれ、これが1000円の のり弁の中身である。
フタの裏に中身について細かい説明があって、産地や製法にこだわった全11品が入っている。米は新潟県、海苔は瀬戸内海、鶏肉は三重県、鰹節は鹿児島県産など。全国から選りすぐりの素材を集めて作られたのがこの のり弁という訳だ。
・隠されたヒミツ……
食べてみると味もさることながら隠されたヒミツに驚いてしまった。まず1つ目が魚型の醤油入れ。なんと金色! まさに金魚じゃないか!!
そして海苔の真下にはゆで卵! なぜここに忍ばせたんだ!?
そしてそして! ご飯の下にも海苔がいた! 最後の最後まで海苔を味わってもらおうという気概を感じる。
言うまでもなく味はイイ。1つ1つの素材の味がしっかりしているのでどれを食べてもハズレがない。とくに磯辺揚げのウマさには驚いた。四万十川の青のりと宮城県塩釜市のちくわを使っていて、我が人生で1番ウマい磯辺揚げといっても過言ではないだろう。
これなら毎日食べても飽きない。そう思わせる珠玉のおかずが詰まった高級のり弁だ。この調子で行くと、来年は高級のり弁ブームがマジで来るかも?
・今回訪問した店舗の情報
店名 海苔弁いちのや 靖国通り本店 新宿甲州街道
住所 東京都渋谷区代々木2-11-12
時間 11:00~19:00
定休日 なし