マンションを「買う」のと「借りる」の、結局どっちがトクなのか? 大人になれば答えが出ると思っていたが、何も解決せぬまま30代に突入してしまった。私が18歳からこれまでに支払った家賃の総額は……2000万円オーバーかぁ。なんだか眠〜くなってきたな。
ちなみにウチの会社の百村さんは出産を機にマンションを買う決心を固めた。希望は “価格が下がりにくい物件” である。「それが分かれば苦労しねぇよ」という声も聞こえてきそうだが……実は最近、この問題をあっさり解決するかもしれない新サービスがスタートしたらしいのだ。
・無料で使える
その名もズバリ『マンション将来価格予測サービス』は、マンション情報サイト『マンションレビュー』内に公開されている。会員登録をすれば誰でも無料で利用できるぞ。
百村さん一家は旦那さん(30代)とお子さん(1歳)の3人家族。東京23区内では価格が比較的安めだという、練馬区か板橋区あたりの物件に狙いを定めているらしい。まず『マンションレビュー』サイト上に候補のマンション名を入力すると……
一瞬で詳細情報が表示される仕組みだ。駅徒歩15分、築22年、25坪の4LDKで4299万円か〜! ケタが違いすぎて安いのか高いのか全然分からないな……。
ムムッ!?
「マンション偏差値」だと!?
・いつのまにか新時代
マンションレビューでは「築年数」や「ブランド力」など様々な項目ごとに物件を採点。その合計点数から「マンション偏差値」を割り出している。偏差値が高いほど価格が下がりにくいと考えられるのだ。
さらにさらに、なんと現時点でのマンションレビューが考える「適正価格」まで簡単に割り出せるのだという。この物件の適正価格はというと……ドキドキ……
4645万円!
実際の価格は4299万円だから……
つまり相場より346万円も安いってこと!?
マジで!?
コレ完全に「買い」なんじゃない!?!?
……と、思わず即決しそうになるが焦りは禁物だ。コロナ・ショックで一時マンションの価格は下落したとも聞く。果たして今、マンションは「買い」なのか、それとも「待ち」なのか? ここは直接マンションレビューの人に質問をぶつけてみよう。
答え:「現在、多くのエリアでマンション価格が上昇している傾向にあります。また需要と供給のバランスにあまり変化が生じていないことから、今後、価格が大きく下落し続けるというのも予想しにくいです。
よって買うタイミングというよりは、価格が下がりにくい物件を選ぶことが重要
と考えられますね。特に東京都心・湾岸地域はコロナ禍以降も高い上昇率を維持している物件が多いです。価格が下がりにくいマンションを狙うならおすすめのエリアといえるでしょう」
・ここから本題
なるほど……「いつ買うか」ではなく、「どの物件を買うか」が重要ということか。ここで頼りになるのが冒頭でご紹介した『マンション将来価格予測サービス』。日経平均株価の将来価格を入力するだけで、1~30年後のマンションの売買推定価格を確認できるというものだ。
「日経平均株価なんて全然分からない」という人も、現在の価格が自動で入力されるので大体の目安になるはず。試しに「10年後」で算出してみると……
だいたい3864万円!!!
ってことは……10年後に売れば賃貸より安上がりってこと!?
・メッチャイイじゃん!
説明しよう……なぜこういった計算ができるのかというと、マンションレビューが過去10年以上に渡って蓄積してきた「物件概要情報」や「販売価格の変動履歴」をベースに、不動産相場や景況を表す日経株価指数などを掛け合わせ…………
……とにかく、AIが勝手に将来価格を推定・算出してくれるのだ! 細かいことは分かんないけどありがてぇ〜〜〜!
もちろんマンションの価格は市場動向、景況、不動産関連法令改正などといった様々な社会情勢の変化に影響されるため、これはあくまでも「予測価格」である。しかし不動産の知識など1ミリもない人にとって「ビッグデータとAIが導き出した予想」は非常に心強い。
・欲が出てきたので……
さて……こうなると人間は欲が出てくる。数あるマンションの中には “将来的に購入時の価格より値上がりする物件” も含まれているハズだ。できることならそれを探り当てたい。そんで10年後くらいに売って、もっといいところに住み替えたい……!
果たしてどうすれば価格が下がりにくいマンションを見極められるのか? こうなれば再びマンションレビューの人に聞いてみるしかないだろう。「今は安いけど将来高くなるマンション」を選ぶコツはないのでしょうか?
答え:「コストパフォーマンスの良さという点であれば “築25~35年のマンションを購入するのが一番損をしづらい” というデータもあります。これはマンションレビューにおいて公開している全国14.2万件の分譲マンションデータと、それに紐づく約155万件の『中古販売履歴』のデータ(2018年7月当時)を基に平均坪単価を算出しているものです。
また当サイトでは “耐震基準が及ぼす中古販売価格への影響” なども交えて考察しているほか、新築時からの価格の変動率を示す騰落率、サイトのアクセス数、口コミの書き込み数などをランキング形式でご覧いただくこともできます。不動産の知識がなくても大丈夫なので、ぜひじっくりご覧になってみてくださいね」
・不動産はデータが命
ちなみに騰落率の上昇でいうと品川のあるマンションが+127.4%で全国1位。ということは、3000万円で13年前に買った人が今売却するとすると、6,822万円。単純計算だが13年住んで管理費や固定資産税等の支払いだけで、3822万円も手に入れられるなんて……これは一例だがよく調べて買わないと損だな……。(※ 2021年7月の調査データに基づいて算出)
恥ずかしながら不動産素人の私は、分譲マンションに『月々の管理費』や『修繕積立金』が必要であることを今回初めて知った。今すぐではなくても「将来的にマンション購入を考えている」という人は、物件情報を定期的に見ておくだけでも色々と勉強になるはずだ。
様々な要因によって価格が変動する分譲マンション。しかしキッチリと情報を掴めば、値下がりしないものを選ぶことができる。お目当ての物件がある人もない人も、『マンション将来価格予測サービス』で運命の物件を探してみよう!
参考リンク:マンションレビュー
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.