自他共に認めるサイゼリヤ信者の私(あひるねこ)は、サイゼの特に居酒屋としてのポテンシャルに絶大な信頼を寄せている。しかし、そんな私でも『リブステーキ』とは多少の距離を置いていることを告白せねばなるまい。
あのステーキって、サイズは大きいんだけどなんか薄くて食べ応えがないんだよな。税込1000円という値段に見合っているとは、私にはどうも思えない。だから2021年3月17日に発売された新メニュー『ラムのランプステーキ』にもあまり期待していなかったのだが……。
結論から言おう。これはサイゼ史に残る肉の塊である!
・慌てるな
に、肉の塊だって!? 今すぐ食わせろ! 肉ニク肉ゥゥゥゥウウウ!! と、皆さん早くもビースト化しているんじゃないかと思われるが、まあ落ち着け。肉の前にまず野菜だ。同じく新メニューの『ガーデンサラダ(税込350円)』でも食べて胃を整えるといい。
さあ、前菜が終わったところで、さっそくご登場いただこう。これが『アロスティチーニ(ラムの串焼き)』に次ぐサイゼの羊肉……『ラムのランプステーキ(税込900円)』だッ!
ドン!
ドン!!
ドドォォォォォォォン!!!!
に、肉ゥゥゥゥゥウウウ!
・肉塊現る
運ばれてきたのは、鉄板の上でジュージュー唸り声をあげる岩の如き肉の塊。ポテトやコーンなどの付け合わせは一切なし。肉オンリーである。なんて武骨な……! 形はその時々で違うと思われるが、私の前に現れたのは赤身と脂身の割合が7対3くらいのブ厚~いステーキだ。
何もせずとも立ち上ってくるラム肉特有の香り。『アロスティチーニ』を横に並べてみると、正直、肉としての存在感がまるで異なると言わざるを得ない。『アロスティチーニ』がフェス飯なら、『ランプステーキ』は海賊が食うヤツである。もはや生き方そのものが根本的に違うのだ。
中央にゴリゴリとナイフを入れると……
マジかよ、すんげぇレア……!
・焼きすぎはNO
このステーキは注文しても焼き方を尋ねられることはない。問答無用でミディアムレアにて提供されるのだ。サイゼでこんなレアな肉出して大丈夫かいな? ってくらいレアだが、実際に食べてみると、これくらいの焼き加減がベストだと断言できる。むしろこれでいい。
調味料は、『アロスティチーニ』に付いてくる “魔法の粉” こと『やみつきスパイス』と、シチリア産海塩というシンプルな人選。ゴリゴリ切った肉にお好みでチョンとつければ……お、おおおおおお! 思った以上にクセがなくジューシーだ。そして何というか、「肉ッッ!」な肉である。
・完成度高し
ラムの香りはするけど臭みはなく、脂身も脂っぽさより旨味の方が強い。何より、赤身がとても柔らかいのがいいじゃないか。ぶっちゃけ『アロスティチーニ』は冷めたらすぐ固くなっちゃうんだけど、この赤身は時間が経っても柔らかくてウマかった。酒飲みとしては重要なポイントだ。
サイゼのメニューは大抵食べ尽くしている。しかし、ここまで肉を喰らっている気分になれたのは初めてかもしれない。900円という値段はサイゼにしては相当高いと思うが、本格的なラムステーキと考えるなら妥当どころか超コスパだろう。決めた、次は赤ワインでやる。