かつて幸楽苑の看板メニューだった290円ラーメンこと「中華そば」。2015年に惜しまれつつ提供を終了したが、「幸楽苑の値上げ」として、ちょっとしたニュースになったことを覚えている人も多いだろう。
キャンペーンで一時的に提供されたこともあったが、このたび6年ぶりに「朝食限定メニュー」として復活することとなった。
しかも、しかも、かつては税別290円だったものが、今回は「税込」290円だという。これって値下げじゃないか!
・中華そばクラシック(Classic)税込290円
メニューは単品「中華そばクラシック」(税込290円)を中心に、お粥や玉子かけご飯がセットになった「お粥セット」「朝定食」(それぞれ税込500円)がある。
3密や混雑を避けるため、オーダー可能時間は午前8時~午前10時45分の朝食時間限定。
タブレット端末で注文すると、ほどなく商品が到着した。午前中の店内は混雑することもなく、静かな時間が流れている。
チャーシュー、ネギ、メンマという「ザ・シンプル」な構成。かつてあった海苔はなくなっているかな?
透明に近い澄んだスープには、鶏ガラ・豚ガラに魚介系ダシが加えられている。こちらもシンプルそのもので、もう「なにも足さない、なにも引かない」完成形。「創業当時の昔ながらのあっさり味を再現」だそう。そう、こういうのでいいんだよ!
麺もいつもどおり、奇をてらわない「ごく普通」の味。なんというか、普通であることが尊い。
悪くいえば特徴がないのだが、懐かしく、よく馴染んだ家庭的な味で、身体が温まってホッと安心する。筆者が幸楽苑を訪れるのは「普通に食べたい」ときだなぁ。
本当に300円でおつりが来た!
・発売日にも意味がある
実は2021年3月11日という提供開始日にも意味がある。いうまでもなく、この日は東日本大震災から10年の節目。
普段意識することはあまりないが、幸楽苑の発祥の地は福島県会津若松市。今も郡山市に本社を置く、福島の企業なのだ。そのぶん東日本大震災に抱く思いは特別。
「福島県の復興を応援していただいている皆様への感謝や、コロナ禍でも頑張っているお客様に対して少しでも元気になっていただきたい」という思いを込めているという。
現在「中華そばクラシック」の復刻を記念し、「お粥セット」または「朝定食」注文の人を対象に、先着順で「とろけるプリン」をプレゼント中。なくなり次第終了だ。「やっぱ幸楽苑は290円だよ」という皆さん、ぜひ午前中のひとときに再訪してみてほしい。