元祖鶏ガラのチキンラーメン。その黄金スープのウマさはもはや説明するまでもないと思うが寂しいのは具だ。そう、チキンラーメンには肉が入っていないのである。
肉がなくてあそこまでウマイんだから、肉を入れたらめちゃくちゃウマイのではないだろうか。そこでケンタッキーフライドチキンのナゲットでチキンラーメンを受肉させてみることにした。
・ナゲットがちょうど良い
なぜ、ナゲットを選んだのかと言うと、現在、ケンタッキーではナゲットの半額セールが行われているからだ。10ピースが400円となるこのセール。以前の記事でお伝えした通り期間は2021年2月27日までである。
つまるところコスパで肉を選んだわけだが、チキンラーメンのカップに入れてみると、ひと塊が小さいのがむしろ良い感じだった。骨なしケンタッキーとかだと蓋の中に入りきらなかったかもしれない。その点、ナゲットは5個でちょうど1杯分と収まりも良い。
・勝利の方程式
さらに、鶏ガラスープは要は骨の旨味なわけだから、ナゲットに染みこむことで鶏全体の味が1つに融合するのではないだろうか。これは『中華一番!』や『ミスター味っ子』だったら勝利の方程式である。大体素材すべてを生かした方が勝つからだ。
3分が経過したので蓋を開けてみると、チキンナゲットには見るからに鶏ガラスープが染みこみまくっていた。まさに鶏ガラが受肉したがごとく。
・食べてみた結果
溶け出す卵も相まって、鶏1羽の素材がすべて詰まっていると言えるだろう。これぞ真のチキンラーメン。食べる前からすでに舌が鶏の豊潤な風味を想像する。もう勝っただろこれ。半ば以上勝利を確信しながら食べてみたところ……
気のせいだろうか? なんか鶏の味が薄い。チキンラーメンのスープを吸い込みまくったナゲットを食べている割には鶏の存在感をあまり感じないような……。
・食べ比べ
いや、ちょっと期待しすぎただけかもしれない。想像が先走りすぎただけで、鶏ってこんなんだったかも。っていうか、鶏ってどんな味だっけ? なんか真のチキンラーメンを食べているうちによく分からなくなってきたので、使っていないケンタッキーのナゲットを食べてみたところ……
ウンマ。
ケンタッキーのナゲットめっちゃウマァァァアアア!! くっきり輪郭のあるジューシーな肉の甘みがカリカリの衣から染み出す。試しに、ナゲットを食べながら、チキンラーメンを食べてみたところ、どちらからも煌びやかな鶏の味。そこで私は初めて理解した。真のチキンラーメンは失敗しているということを──。
というわけで、結論を言うと別々に食べた方がウマイ。不味いまではいかないが、ナゲットとチキンラーメンは同じチキンでも合わせたらそれぞれの特性を打ち消しあうことが判明した。ケンタッキーのナゲットもチキンラーメンもそのまま食べることをオススメしたい。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.