立ち食いそばチェーンの勢力図において、熾烈な争いを繰り広げている富士そばとゆで太郎。個人的なイメージを述べると、ガチでそば屋のゆで太郎に対し、そば屋とは思えない空中殺法で奇襲をかけるのが富士そばという感じだ。ストリートファイターⅡで言うと、ゆで太郎がリュウなら富士そばはバルログである。
だがしかし、今回はゆで太郎が奇襲をかけた。なんと、富士そばの名物メニュー「カレーかつ丼」がゆで太郎で販売されているのである! そこで富士そばの本家「カレーかつ丼」と食べ比べてみたぞ!!
・仲良しだからパクる
私がゆで太郎のカレーかつ丼に出会ったのは本所吾妻橋店。たまたまアイデアがカブッたのかとも思ったが、店頭の看板に「仲良しの富士そばさんから人気メニューをパクリ!!」と書かれていた。清々しいほどにパクッてやがる。
ゆで太郎公式サイトでも大々的にパクッたことが宣伝されているこのメニュー。ここまで堂々とパクッてるなら自信があるに違いない。そこで富士そばの本家カレーかつ丼と比較してみることにした。
・とんかつ量
2つを並べてみると、カレーの色からとんかつの形態まで大分違う。赤茶色っぽい富士そばのカレーソースに対し、ゆで太郎は黄土色に近い。さらに、とんかつも、富士そばは1枚でサイズを小さめにしているのに対し、ゆで太郎は3切れで1切れ辺りのサイズを大きくしている。
どちらがとんかつの体積が多いのかを求める数学の問題みたいだ。まずは、この答が気になったため、とんかつだけを容器(255g)に取り出してクッキングスケールで重量を量ってみたところ……
富士そば115gに対し……
ゆで太郎125g!
・味の違い
10gなので誤差の可能性もあるが、今回量った限りではとんかつはゆで太郎の方が多いようだ。食べてみると、ゆで太郎はかつ丼タレとカレーの味が非常に自然。さらに、どちらからも強い出汁の風味がすることでカレーとかつ丼の味が融合しているように感じる。
少なくとも私は、ジャンクで力技なカレーかつ丼しか知らなかったため、目からウロコが落ちるような味だった。カレーかつ丼ってこんなハーモニー奏でられたんか……。
もちろん、力任せに殴られるような富士そばのカレーかつ丼も好きだ。むしろ、「カレーかつ丼」という言葉の響きから想像する味は富士そばである。それだけに、味付け面ではそれぞれのカラーを強く感じた。
・全体量
全体的な量で言うと、ガッツリ具合ではゆで太郎だ。重量は、富士そば500gに対しゆで太郎は635gある。とは言え、このことはある程度予想がついていた。
以前の記事でかつ丼を食べ比べた際も、安いのが富士そばで、少し価格が高めでガッツリウマイのがゆで太郎だったからである。このそばチェーンの住み分けについては冒頭から触れているが、カレーかつ丼において予想外だったのは……
ゆで太郎の方が安かったこと。
富士そばのカレーかつ丼は税込み580円、一方、ゆで太郎は税込み540円。コスパとかじゃなくシンプルに安い。バカな。これじゃあ、ゆで太郎一択だろ。
・かつ丼祭
実は、ゆで太郎では2021年2月1日から「かつ丼祭」というキャンペーンが開始されており、カレーかつ丼の登場と同時にかつ丼が100円引きになっているのである。普通のかつ丼もセットも100円引き!
したがって、本来は640円のカレーかつ丼も540円と富士そばより安くなってしまったのである。恐るべしゆで太郎。富士そばにとっては悲報と言わざるを得ない。
なお、ゆで太郎のカレーかつ丼は店舗により販売期間が異なり、一部店舗では販売されていないようだ。公式サイトによると、「詳しくは、店舗ポスターまたはスタッフにご確認ください」とのこと。事実、御徒町店にはなかったので、どうしても、食べてみたい方はまずは確認してみよう。
参照元:ゆで太郎
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.