2011年当時、牛丼チェーン業界に革命が起きようとしていた。業界に君臨するのはご存じ、吉野家・すき家・松屋の御三家である。そこに「焼き牛丼」を武器に乗り込んだのが、『東京チカラめし』だった。誕生から約1年で100店舗を達成し業界の勢力図は書き変わるのか!? と思われたものの、それ以降、相次いで店舗が閉店し、現在は全国で6店舗まで縮小してしまった。
ふと、そんなことがあったと思い出して、久しぶりに東京・新宿西口1号店に行ってみると、営業が続いていることを確認できた。しかも看板をよく見ると……。新チカラめし!? コレはもしや生まれ変わったのか? 復活のノロシか?
・創業昭和50年
調べてみたところノロシではなかった……。新宿西口1号店は2020年5月にリニューアルしている。それにともなって、このお店の看板に「新チカラめし」と書かれたようだ。業態や組織が変わった訳ではなく、おそらくリスタートする気持ちを “新” であらわしたのかもしれない。ちょっとワクワクしちゃったよ……。
さらによく見ると、看板には以前なかった「創業昭和50年」とある。あれ? そんな昔からあった? 実はコレ、運営元の三光マーケティングフーズが昭和50年に牛丼屋を開業した年とのこと。東京チカラめしの1号店誕生は平成23年(2011年)だ。
・特選だと!?
久しぶりに定番の焼き牛丼(現在は焼き牛重)税込600円を食べようかな? と思ったら、「特選重」というメニューがあるじゃないか。コレは美味いんじゃないのか?
特選の「ミスジの焼き牛重」は並盛税込850円・大盛税込950円となっている。よし、コレの並盛を頼んでみよう!
・変わらないチカラめし
券売機で食券を買って席に着くと、まずは検温。入店はマスクの着用を推奨しており、新型コロナ対策も行われている。そしてしばし待つと、お重が出てきた。
フタを開けると、肉の香ばしいかおりがふわりと広がる。牛丼といえば丼ぶりだけど、お重に入っていると特別な料理を食べるみたいでイイな。
食べてみると、変わらぬチカラめしの味だ。甘辛いタレがしっかりとかかっていて、味は濃いめ。町の飯屋といった感じ。シャレっ気はないけど、気取らず食えるのがいい。
紅ショウガではなく、ガリを出すところも変わってなくてホッコリした。
焼き牛丼が登場した当時は、「斬新」と感じたけど、今では「懐かしさ」を覚える。2011年の誕生から来年で10周年。当初掲げていた1000店舗という展開には現状ほど遠いけど、出来る範囲でお店を続けていって欲しい。時々食べたくなる味なんだよな。
・今回訪問した店舗の情報
店名 東京チカラめし 新宿西口1号店
住所 東京都新宿区西新宿1-15-3 オムニクスビル1F
時間 5:00~翌3:00